融合の儀式
「お帰りなさいませ、エン様、ゲーテ様。その人間は?」
「ルシファーの新しい体だ。」
「そうですか、若いお方で。」
修介はあの後、春風のすごい力により気絶していたのだ。
「エルラ、この人を変換台に乗せなさい。」
「ゲーテ様、ルシファー様をお連れしますか?」
「お願いします。」
「分かりました。」
修介は目を覚ました。
辺りを見渡し、自分が入っているガラスケースを叩いた。
「おや、元気がいいな。何歳だ?エン?」
「人間界の18歳。魔界では180歳です。」
「人間、この方がお前だ。」
「出せ!ここから出せよ!」
あれからずっと叩いている。
「可哀相じゃ。」
ガラスケースの中にルシファーが入った。その瞬間、背筋が凍ったような気がした。
「データ転送開始。」
修介の手足は謎の電気により感覚が無くなった。
ルシファーの入っているガラスケースが緑に染まっている。
そして、ルシファーの頭と修介の頭を繋いでいる管も緑に染まっていた。
「うわぁぁあああ!!」
修介のガラスケースが煙に包まれる。修介はずっと叫び声をあげたままだった。
しばらくして叫び声がしなくなった。煙がなくなりガラスケースが開けられた。
ルシファーが出て来た。
「いかがですか、180歳の力は?」
ルシファーはニヤリと笑った。
「最高じゃ、エン。お前のおかげで維持できた事に礼をしよう。ゲーテ、お前にもじゃ。」
「アルよ、こいつらをわしの親衛隊に入れるよいな。」
エンとゲーテは喜んだ。