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こんなんなりましたけど?  作者: 槙 秀人
episode1・近江屋事件に関わりました
3/5

少ないほうがいいよね…?

 近江屋事件の概要は。。。


 4人が押し入って、龍馬を殺害して逃げた。というものだ。

 恐らくこれは正しいのだろう。だけど実行犯は4人だとして、計画した者は別に居るのでは?


 坂本龍馬殺害の犯人は未だわかっていない。

 当時は言えなかったとしても、『歴史に名が残る』という誘惑に、実行犯は勝てるだろうか?


 答えは否だ!


 だとするならば、実行犯は口を塞がれたと考えるのが妥当だろう。

 要するに、彼らは捨て駒だったという事だ…。

 そうなると、今日の襲撃を撃退したところで、坂本龍馬を狙う事は諦めない?


 ところで動機は何だろう?


 既に大政奉還は成っており、いまさら撤回は出来ないだろうし、しないだろう。

 まだ発表はされていないけど新政府のメンバーも決まっている。


 もしかして、発表されていないからか?

 坂本龍馬がそこに入っていない事を…


 この人は、海援隊に本腰を入れて海外との貿易に思いを馳せている事を…


 しゃーねーなあ!!

 新政府が発足するまで身を隠すか?いっそ、海外へ逃げるか――。


 どっちにしても、襲撃犯そいつらはやっつけとかんとあかんわな!!




 夕刻、七ツ半(午後5時頃)中岡さんが龍馬さんを訪ねてきた。


「龍馬さん。中岡さんがいらっしゃいました。」

「通してつかぁさい。」

 階段下から声をかけると、通していいとの声がした。中岡さんに伝える。


「邪魔するき」

 俺の横を通り過ぎ、中岡さんが階段を上がっていく。



 中岡さんが2階に上がってしばらく時間が過ぎた頃、中岡さんに何かを頼まれ出て行った峰吉が帰って来た。中岡さんは?と聞かれたので峰吉を2階へ連れていく。

 俺は2階にあがるとそのまま峰吉を部屋へ向かわせ、階下を見ながらそこで待つ。


「はっくしゅん…」

「風邪かよ龍馬」


「なに…軍鶏でも食えばすぐ治る。今日はわしの誕生日ぜよ慎太」

「なんぜ…そりゃ。わしに軍鶏を買うてこいと言うかや…」


「中岡様…ただいま帰りました。」

「おお、峰吉すまんかったの」


「なんぜ?」

「いや、ヤボ用でな。薩摩藩邸に使いにいってもろうた」


「ほんなら、軍鶏は峰吉に買うてきてもろうちゃろう」

「軍鶏ですか?」


「コイツが食うたら風邪が治る言うきのう。悪いけんど頼むき。」

「わかりました」


 薩摩藩邸から戻って来たばかりだというのに、今度は買い物を頼まれるとはご苦労な事だ。

 龍馬さんが軍鶏を食いたいと言うなら仕方なし…。お金は中岡さんからもらった。

 一緒に階下に下りると、俺は峰吉に問いかける。


「頼まれたのは軍鶏だけかい?」

「はい。」

 いやいや、軍鶏だけ買って来てどうやって食うつもりやねん?

 仕方ないなぁ…


 元力士というだけあってちゃんこの知識は豊富だった。

 調味料は近江屋から拝借するとして、長ネギ、ニンニク、ショウガ。ゴボウ、春菊、しらたき、シイタケ、豆腐(あれば焼き豆腐)。春菊がなければ白菜でもいいかな?

 やっべ!腹減って来た!!


 俺は軍鶏鍋の材料を紙に書いて渡し、それらも一緒に買ってくるようにとお願いした。

 渡されたお金を見せてもらったところ、全然足りると思われたので俺が出す必要はなかった。

 手持ちも少ないし、それにどのみち食えないだろうしね。


 さて…


 俺は、店主たちに居間から出てこないようにと言って階段下に陣取った。

 見習い番頭さんにも帰ってもらった。ここに居たら殺されてしまう可能性が高いからだ。

 守る対象は少ない方がいいに決まってる。

 峰吉が帰ってくる前に事は起こるはずだから…



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