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失認擬き

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

二次元の顔は認識出来ますよ。


「貴方、何処かでお会いしたことはない?」

突如手首を掴まれて、そう問い掛けられた。行く手を阻むのは、全く面識のない女だった。

「それ、新手のナンパ?」

女は見開いた目をぱちくりさせ、手を離す。少し気恥しそうに顔を赤らめて、謝罪を一つ。

「ごめんなさいね。人違いだったみたい」


俺と付き合っている彼女は、顔の特徴が数個でも似通っていると、判別出来なくなるらしい。それは顔が小さい、目が大きい、色白、その三要素だけで見分けが付かないレベルだった。だからデートで待ち合わせをする時には、何時も困惑したような顔で右往左往して、俺を探す。

今日も少ししょげた様子で俺を探す。連絡は貰ったから、声を掛けようと思う。

「此処だよ」

すると少し安心した様な顔をして、俺の手首をぎゅっと掴んだ。

「有難う。また、間違えてしまったの」

デートする時の約束事。待ち合わせに着いた時、向こうから連絡があるまで声を掛けない。相手から出来るだけ見付けられる様にする。これは彼女からの申し出だった。

けれども幾度となく逢瀬を重ねても、彼女は間違え続けた。その度に、詫びと、声を掛けて欲しいというチャットが届く。

「声を掛けさせてよ」

「そういう訳には……いかないの……。それは貴方がよく知ってるはず」

隣を歩く彼女の声に覇気がない。先を歩く俺の行く手を拒む様に、立ち止まる。振り返って見ると俯いて無言になっていた。


私は生れつき、人の顔認識が上手く出来ない。顔が小さい、色白、目が大きい。それだけの要素が重なると、全て同じ顔に見える。そして今付き合っている彼も、綺麗な顔をしていた。綺麗だから、見分けが付かない。

「見分けられたら……もっとずっと……綺麗なんだろなぁ……」

だからこれは一生を掛けた私のエゴである。数多の人間から君を見付けたいと思うのは。

同じ様な、派手で鮮やかな髪の色した人が二人居らしたら、もう見分けが付かないんです。

オススメ漫画の紹介に登場なさった、男性アイドルの方と、芸人の方、話し方も同じだと、もう分からない。


何故好き合ってるのか分からないので、考察でも。

限られた情報的から分かっているのは、

幾度となく彼の顔を認識してない。

ということ。


つまり、付き合う前から幾度となく人違いをしていると思います。

それを彼にも伝えているし、彼も身をもって知ってるかと。

『貴方がよく知ってるはず』という台詞から。

それでも健気に探す姿に惹かれてそうですね。


可愛いじゃないですか。

必死こいて自分を探す子。見付けたら『いたー!!』とか言う子。

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