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大腐敗社会-Light up-  作者: MIO
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第一話

【EP1 :腐敗社会 出会い】

(ニュース)21XX年X月X日 今朝のニュースをお伝えします 近年の自〇志願者の増加に伴い政府は自〇禁止令を発表しましたが、以前として自〇志願者が後を絶たないという現状になっています こちらは昨日15名が自〇したビルの屋上の映像です 付近にはテープが貼られ 現在立ち入り出来ないようになっています

現場の鈴木さん 中継お願いします


鈴木「現場の鈴木です こちらがそのビルの下です 黄色い立ち入り禁止のテープが巻かれていますね おそらくあの赤くなっているところに人が転落したようです ここは以前いから自〇志願の人がよく選んでいるという事で立ち入りが制限されていましたが、それでも後を絶たないよう…」


(通行人)お、おいあれ!屋上にまた人がいるぞ


鈴木「ん、お、屋上に人がいるようです こちらから視認出来る範囲に人がいます!」


(通行人)おい、あれ…二人いる?


鈴木「二人の姿が見えます 二人いるようです!自〇志願者なのでしょうかまだ分かりませんがこちらから視認出来る限り二人の姿がか…!」


ドサッ(キャーッ!!!!!!!!!!!!!!!!)

あたりに通行人の悲鳴が響き渡った


中継カメラに人が落ちる姿が映りこんだ 中継はそこで打ち切られた


(ニュース)中継は中断させていただきます 続いてのニュースです…


結局そのビルでまた一人の死亡が確認された そのビルも含めて全国全世界各地で自〇する人が後を絶たない

近年のAI社会で人間の仕事は激減、職業の大半が消滅、ロボットの導入でアルバイトすら必要がなくなり職を失った人間や仕事をしたことが無い人間が増加した事等が要因としてあげられる。


そのニュースをたまたま見ていた男がいた

職業フリーター、独身、大学に通っていたが中退、日々退屈な生活を送っていた

男「そりゃ無理もないわな こんな世の中じゃ 何しても面白くないし、ニュースも娯楽も今じゃ全部AIやロボットが生み出したもの、仕事もほぼ存在しないし そりゃ死んでもおかしくない 」

男「最近じゃ学校すら消滅してきてる」


人の頭脳をロボットが超越し、人間の存在価値が消滅 人々は仕事や勉強といったすべての事をやる必要がなくなり国力は全体的に低下、生産物等も大幅に減少、昔増加していた人口も今は急激な減少傾向にある


男「こんな世の中じゃ、生きていても仕方がない」

男はテレビを見ながらつぶやいた


男はある日、自〇する事に決めた。場所はあのビル。

男は現地へと足を運んだ。

あたりはチェーン等で立ち入らないようにされていたが男はそれをくぐり抜けた

男「あぁ何の為に俺は生まれてきたんだろうな 結局今生き残ってるやつらなんて才能のある奴らだけで 俺みたいな何の才能も無い奴はこうして死んでいくしかないのか」


男は独り言を言いながら階段を上り、屋上までたどり着いた。ビルの屋上の扉は施錠されていたが近くに鍵が落ちていたため拾って開けた


男「まぁこの世に未練はない」

生まれてくる時代が違っていたら話は変わっていたのだろうか男はふと思ったが、すぐに考えるのをやめた


男「じゃあな」

男がビルの屋上の端まで行って飛び降りようとした次の瞬間

男は下に歩く人間の体から漏れ出す黒い何かが目に映った 

男「なんだ…あれ…くろい…な」


(足音)

男は飛び降りようとしたもののなぜかその『黒いもの』が気になってしまい 足を止めてそれをじっと見つめる

男は下を見渡した すると 歩く人々が黒い波のように見えた

男「なんなんだよこれ 俺の目がおかしいのか?」

男は目をこすったが黒い波は一面に広がり、そこら一体は黒い海となった


男「嘘だろ?なんだ俺は夢でも見てんのか?」


(足音)

男「なんなんだよ…これ…黒い海?」

男はすっかり自分が死のうとしていた事を忘れその黒い海を見る


すると後ろから声がして驚いて振り返った

(女の声)嘘ではありません


男「誰だ!?」

(女の声)あなたは発現者です 


男が声の主を探したが見つからない

男「どこだ!」


すると突然女が自分の目と鼻の先に姿を現した

男「うわぁぁぁぁ!!!!」


男「なんだいきなり!!!!」


女「あなたが見ていたのは人間の中身です」


男「人間の中身?なんだそれ俺が見ていたのは黒い海…」


女「その黒いものが人間の中身です あなたは発現者です 我々と共に社会を救う仕事をしませんか」


男「は?何言ってるか分らんのだが」


女「昨今の自〇志願者の増加はこの黒いものが原因です 通常の人間には見えませんが私は見えます そしてあなたが今見ているものもそれです」


男「お前も見えるのか?これが」


女「はい 私はこの黒いものを消滅させる仕事をしています」


男「消滅?なんだそれ」


女「あなたのご自身の体を見てください」


男は女に言われた通り自身の体を見た すると手等から黒いものがあふれている事に気付いた


男「うわぁっ!!!!」


女「私たちと一緒に人を救ってください お願いします」


男「いやいきなり言われても それに俺はさっき死のうとしてたところで」


女「あなたは選ばれた人間です」


男「は?俺は何の才能もないただの屑だぞ」


女「今までその黒いものが見えた人間は数名しかいません」


男「そうなのか で何なんだ この黒いのは 中身って言われてもパッと来ないんだが」


女「分かりませんが、人の負の感情と関係していると言われています」


男「ん…?」


女「私たちはその黒いものから人を救う仕事をするただそれだけです」


男「そっか、じゃご苦労様 俺は面倒なの嫌いだから このまま飛び降りるわ じゃ」


男が再び飛び降りようとした瞬間、女が口を開いた

『喰え』


次の瞬間 男の体からあふれる黒いものが消えた


そして男は飛び降りるのをやめた

男「うおおおおおおお こわ」


男「ん?あれ俺なんで屋上に… ん?てか誰だよお前!!!」

男は女の方を見つめた


女は年齢20代前後男は30歳の為 随分と幼く見えたような気がした


場所を変えて女はいきさつを説明した。男が死のうとしていた事や黒いものを見た事、男が黒いものを見る事が出来る発現者である事、自〇志願者の事、自身の仕事の事、男にその仕事を手伝ってほしいと依頼した

男はなかなか信じようとしなかったので女は黒いものを吐き出し、男に一時的に戻し、また回収した

男は流石に信じるしかなかった 黒いものが再び見え、屋上での出来事も思い出した


男「そんな言うんだったら手伝ってやるよ」

女「ありがとうございます」

男「どうせ死のうとした命なんだから人の為に使ってやるよ で、仕事って事は給料とか出るのか?」

女「はい出ます 報酬制ですが私は月に2億程頂いてます」

男「ふーんそうか」

女「はい」

男「ん?におく?ええええええええええええええええぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」

男は手に持っていたコーヒーのカップをこぼした

男「なんでそんなにもらえんだよ」

女「命を懸ける仕事なのと 人を救う仕事なので」

男「よしやろう。」


こうして男は女に紹介された仕事をやる事となったのである。この出会いが男の運命を大きく変える事になるとはまだこの時は想像もしていなかったー。

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