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15分 即興小説「恋バナボタン」

作者: GOM

如何屋サイとさんの企画「15分即興小説」に参加してみました。

「俺、アイツに告白しようと思うんだ」


「え、あの大学一の美人に? でも、今まであれだけ仲良くしてたのに、まだ告って無いのかよ?」


 俺は、学食で友達に告白の相談をした。


「ああ、今の友達関係を壊したくなくて、踏み込めなかったんだ。でも、あいつ。名家だから婚約者がいるって話を聞いて、いてもたってもいらえなくなったんだ!」


「そうか。でも、本当に告白できるか? お前、ヘタレだもんな」


 友達の言う通り、俺はヘタレ。

 ここぞという時に勇気が持てなくて、今までも告白の機会を逃してきた。


「じゃあ、このアプリを使ってみるかい? 学生の間ではやっているらしいぞ」


 俺は友人に、とあるアプリを紹介してもらった。


「『恋バナボタン』っていうのか?」


「ああ、ここのボタンを押せば登録した相手に、AIが作った恋文を送ってくれるってよ」


 俺は半信半疑でアプリをインストールしてみた。


「試し文は自分に送れるのか。どうかな?」


 アプリは恋文を吐き出す。


「あなたに出会って自分は変わりました。愛してます」と 。


「う、うわぁ。くっせー文章だ。でも、熱烈的だな」


 俺は自分宛てに試し文を何回か送ったが、アイツにぴったりな文章が出来ない。


「何、俺やってんだろうな。あ、第一、アイツにもアプリインストールしてもらわなきゃ無理じゃないか!」


 結局、俺はアプリの力を借りずに告白をした。


「もー、いつになったら告白してくれるのかと待っていたんだよ」


「ごめん。俺、勇気が無くて」


 俺が勇気を出せたアプリ。

 その臭い文句を使わないでよかったと思った。

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