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それは何ですか?

知らない女性が僕の前に立っていた。

ただ立っていただけなのに気になった。

何故だろう?

その女性は若そうだ。

どう見たって10代に見える。

髪も長く風に吹かれた部分はなみをうっていた。

顔ははっきりとは見えない。なんせ大きなマスクをしていたから…。

手には何かを持っているらしくそれが何なのかはわからない。でもとても小さくて光るもの?何?わからない。


そもそもなんで僕の前にいるのかさえわからない。

まったく知らない人だから。


じっと見ていたら女性が歩き出した。そう、僕の方に歩いてきているのだ。空気が生臭く感じた。何の匂い?

それと同時に手に持っているものも気になった。それはなに?

一瞬だが悪寒がした。そう、それは見ちゃいけないものかもと思った。ポタポタと何かが落ちる音がする。手にしているものから水が落ちているのかと思った。でも可笑しいよね?水なら変な匂いはしない。なま肉の腐ったような匂い。


白いはずのマスクが白じゃないことにも気がついた。赤?黒?よくわからないや。

でも普通マスクって白じゃないの?

色つきがあるとはいえあんな色じゃないはず…。じゃあ何。

色?

わからない、だから怖い。

足が後ろに交代する。

女性は近づいてくる。

お互いの距離は縮まらない。



怖くなりすぎたので僕は振り返って走り出した。その方が逃げられると思ったから。何から?わからない。でも僕の方に歩いてくる女の人の気がした。

再度振り返る気が起きなかった。何かわからないが、振り返っちゃダメな気がしたのだ。

大概僕の勘は当たる。



誰か知り合いを探したが、目につくところには人っ子一人としていやしなかった。何でこんな時に限っていないんだよとぼやきたくなったが、そんなの他の人にはわかりっこない。

冷や汗が額を伝い落ちる。


怖くて何で僕だけ?

この音は何処から?


そう、怖すぎて自分の歯がカタカタとおとをだしているのにも気づいてはいなかった。

少し立って気がついてもどうしようもない。



とにかく何とかしなくてはという思いしかなかった。目につくところにとにかく隠れようとするも、あいにくとどこにも入れるスペースや場所はなく、泣きたくなった自分に喝を入れ、必死に走った。


もうこれ以上は走れないという頑張りを見せていた時、ふとある部屋の明かりが一つだけついているのを見つけた。

持たれそうになる足を踏ん張ってどうにかその場所まで走ってきてドアらしきところをドンドンと叩く。しかし何も反応しなかった。まさか…誰もいない…とか?あり得るのか?そんな事…。う、嘘だ!僕は何もひどい事だってしちゃいないのに何でこんなことになるんだ?誰か…助けて。。。



その時の僕は絶望していた。

あの女に捕まったら僕はどうなってしまうのか…。

まさか、取り憑かれる?

や、やだよ!怖い。

助けて!

誰か!いませんか?

お願いします。

出てください。


ドンドンと叩く音も強くした。

そしたらさ、なんか音が聞こえた気がした。

何だろう?

何かが歩く音?

それとも何かがぶつかって倒れる音?

そんなことより早くこのドアを開けて欲しかった。

ガチャっとドアが開く音が聞こえ、少しずつ開いていく…。

【やったぁ!これで助かる。良かったぁ〜。】

そう思ったのも束の間、目の前に現れたのは追いかけてきていた女だったのだ。

びっくりして驚いて、開けかけたドアを思いっきり押し戻し、泣きながら走った。


どうなってるの?

人が誰もいないって…どう言う事?

ここは何処?



やだ!

誰か!


誰でもいいから僕を助けて!!








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