1話
僕は物心つく頃から人見知りが強く、なかなか友達ができなかった。
だけど、唯一の趣味?みたいな事で繋がって要られたのにちょっとした事で喧嘩になり、【もうこの世界なんか嫌だ!別の世界に行きたい!】と思ってしまった。その時ちょうど怪談話で噂があったことがあり、それがどうやら異世界へと導いてくれるそうだとわかると僕はいても経ってもいられなくなり、試してみることにした。
三面鏡を使い、奥を見る。
そしてあるものを見つけたら手を伸ばすと言うもの。
本当なら今頃大騒ぎになってるだろうね。だってみーんなが試したくなる怪談話なんだから。
僕は一度も試したことはなかった。
なんでも一度異世界に入ったら戻っては来れないと言う噂。
本当なんだろうか?
初めは勇気が出ずに何日も迷ったよ。
だけどね、ようやく決心がついたんだ。
だってさ、みんな陰で僕のこと笑ってたんだ。
それも些細な事なんだよ?
腹立つより悲しかった。
だから決めたんだ。
何があっても戻らない。
そう、決めたんだ。
やるのは自室だ。
必要なのは鏡だけ。
時間は4時44分。
鏡の奥にあるものを触るだけでいい。
時間は今1分前。
何度もシュミレーションしたんだ。間違いはできない。
眩しい。
僕は三面鏡の鏡の中のあるものに触れることができた。
すると視界がグニャリと曲がり、僕は意識を失った。