表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/42

大樹の村①

「アンタたち、見えてきたよ!」


 ゾニアに呼ばれ、俺たちは船首の方へと目をやる。

 すると、何もない水平線の向こうに緑色の何かが小さく見える。

 そしてそれは徐々に大きくなっていき、それが巨大な木であることがわかるようになる。


「あれだろ? アンタたちが目指している場所。大樹のある村、ニルの村ってのは」

「そうみたいですね」


 俺は持っていたスパ本を開く。スパ本の最後のページに載っている村だ。

 大陸から離れた少し大きな島みたいだったので、以前に知り合った女海賊のゾニアにお願いして連れてきてもらったのだ。

 あぁ女海賊ではなく、元女海賊か。

 今は、俺たちで発見した洞窟の温泉をメインに海賊が根城にしていた島を観光地化して、それで商売をしているらしい。

 しかし、元海賊がやっているということもあり、襲われるのではとかぼったくられるのではと警戒され、あまり客足は伸びてはいないようだ。

 それをつかささんに相談したところ、元海賊の根城だったことは隠さず、あえて全面に出す。近場の住人だけでなく遠方にもPRして回るというアドバイスを貰っていた。

 そのアドバイスを聞けただけでも今回、アンタたちのお願いを聞いたかいがあったよとゾニアは喜んでいた。


「さぁもうすぐ着くよ。あの島はね。見ればわかるとおり、それはそれはでっけぇ木が島の真ん中にあってね。島の連中はそれを神の木として信仰しているらしい。でもその木を見たいという観光客も大勢いて観光地化しているらしいから、まぁ安心して楽しんでおいで」

「ありがとう、ゾニア」


 船がだんだん島へと近づく。

 その頃には、もうすでに木のてっぺんは見えなくなっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ