空 の名前
単調な詩のような小説です。
会話文がめっちゃ少ないですが、読んでくれたら、中身を受け取ってくれたらうれしいです!
風が香る。
彼が呼ぶ。
「おーい」
景色が、
空が見える。
彼が笑う。
「やっぱここにいたのか」
彼は軽々とわたしを抱え、その場に座る。
「早く、一緒に暮らせるようにしような」
私も笑う。
彼は私を見つめる。
「一緒に住むならいろいろ用意しなきゃな!」
私の頭をなでる。
彼は笑う。
「じゃあまたな!」
彼はうちへ帰る。
空が紅く染ってゆく。
私は眠る。
青い空、彼が来るのを夢見ながら。
風が香る。
彼は呼ばない。
「・・・いた」
青さが、
空が見える。
青い空。
彼はわたしを軽々と抱き上げる。
「・・・・・・ごめんな、やっぱ一緒に住めないって・・・」
彼はわたしから目をそらす。
彼はわたしを抱きしめた。
ずっとずっと抱きしめていた。
空が紅くなっていた。
彼はうちへ帰ってゆく。
彼は一度振り返り、私を見つめた。
そしていつもどおり空を奪ってゆく。
「・・・・・・ごめん」
ビリビリと、音がする。
空の青さは隙間も奪われた。
彼は最後まで名前を呼べなかった。
わたしに名前をつけられなかった。
そしてわたしはまた眠る。
彼が最後になでてくれた感触を想いながら。
耳の裏に毛玉ができている。
また彼が来て、きれいにしてくれるだろうか。
きっと来て、わたしに名前をくれるだろう。
どうもありがとうございました!
動物愛護を書いたつもりです;
辛口でいいのでできれば評価お願いします