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『Summer Again』前編
「どうだった?」
「すごくよかった。なんて曲だ?」
「曲名とかはないんだ。私と友達で初めて作った曲。」
「すごいな!柊木もその友達も!」
「……そうでしょ!?よかったぁ。変だと思われなくて!」
「でも曲名がないと締まらないな。
そうだ!せっかくだし曲名考えようぜ!……あ、でも友達に悪いか。」
「ううん。朝空くんの言う通り、せっかくだし曲名つけたいな! なんかアイディアない?」
「うーん……」
さっきの光景を思い出す。
忘れ物を思い出させてくれるようなあの光景。
子供の頃の新鮮な気持ちを味あわせてくれるあの光景。
そして、
夏を再現したかのようなあの音色。
「『あの夏をもう一度。』……なんてどうだ?」
「……すごくいい。決めた。それにする!」
「柊木と友達の曲だぞ? いいのか? 第三者の俺の案で。」
「いいんだ! その友達もそれにしたはずだから!」