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プロローグ
多分人生で初めて書いた小説です。
ちょっとづつ更新出来ればなと思っています。
「私ね。海も空も見たことがないんだ」
かもめのなく昼下がり
無機質な病室の窓から見えるのは
外に広がる一面の海と雲ひとつない青空
「……どういうこと?」
「正確には色だね。青が見えないの」
彼女の話を聞いたが、今後、見えるようになる事はないのであろう。
「ねぇ。海と空はきれい?」
漠然と見ていた景色。いや、景色とすら認識していなかったかもしれない。
そんなものに今更何を思えばいいのだろう。
「まぁ、きれいなんじゃないか?」