毒耐性レベル99の白雪姫
小説難しい(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
「白雪姫さん、このリンゴをあげましょう。」
魔女はそう言うと、目の前にいる恐ろしく白い肌をした黒髪の美少女にリンゴを渡す。
「わぁ、ありがとう。嬉しいわ。」
では早速頂くわね。」
「あ!」
りんごを一口かじった少女はバタッ!と地面に倒れ込む。
「クックック!計画通りだ!」
目の前にいた怪しい魔女は地面に倒れ込んだ少女を見るとそうつぶやいた。
「よし、これで私は王妃様に…」
魔女は少女に近づいていく。
「あー!びっくりしたわ。」
「え?」
魔女が少女に近づくと、少女は地面から立ち上がった。
「あまりの美味しさに一瞬意識が飛ばされたみたいね。」
「?!」
魔女は何事もなかったかのように立ち上がった少女を見て驚いていた。
「ん?魔女さんどうしたの?そんなに動揺して、何かあったの?」
少女は驚いて目を見開いている魔女を見ている。
「いや、な、なんでもないよ白雪姫。」
少女に言われた、魔女はすぐに表情を戻す。
魔女は困惑していた。
「展開が違うじゃないか、王妃様からは白雪姫にこれを食わせればいいって言われていたのに?どういうことだ?」
いろいろ考えた末に魔女は一つの答えにたどり着いた。
「そうだ、王妃様はリンゴに毒を入れるのを忘れていたのかもしれない。」
何だそういうことか、そう思った魔女は次の作戦に出る。
「あ、そうだ白雪姫、ハーブティーでもいかがですかな?」
「あ、いいわね。私ハーブティーが大好きなのよね。」
少女はそういうと、まだ残っていたリンゴをもうひときれ口にしている。
魔女は、目の前の紅茶の入ったポットを手に取ると、ポケットから小瓶を取り出すと、気づかれないように、ポットの中に入れる。
そして、白雪姫のカップに紅茶を注ぐ。
「はい、どうぞ白雪姫。まだまだあるから全部飲んじゃってね。」
魔女は念のために付け加えて言う。
「ありがとう。」
少女は魔女から淹れてもらったハーブティーを口に運んだ。
「ん?」
少女は紅茶を飲みほした瞬間、目を見開いた。
そして今度は「ゲホッ…ゴホッ!」と苦しそうに咳き込み、机に倒れる。
魔女は「今度こそやったか?」と思い少女を見ます。
「ゲホッ…ゴホッ!」
少女はまた咳をすると起き上がった。
「す…
…すみません…魔女さん、ちょっと刺激的な味すぎて、むせてしまいました。」
「?????」
魔女はさらに困惑していた、
「あれ?私は今紅茶に毒を入れなかったか?」
どんなモンスターも激痛でのたうち回ると言われるヒュドラの猛毒が入った、やばいやつなんだぞ。
「いや、でも待てよ!そういえば最近新しい薬草を採取して服の中に入れていたんだったか?」
魔女は焦っていた。
このまま白雪姫を殺せず帰ったのでは王妃様に殺されてしまう。
どうしようか?
「これ結構行けるわね。なんかちょっと喉が焼ける感覚がするけどおいしいわ。」
少女は困惑している魔女を見ることなく、またポットからカップに紅茶を入れるとまた飲んでいる。
「…」
…もうどうにでもなれ!やけくそじゃ!
「そうかそうか、じゃあ私が特製のアップルパイを作ってあげるよ。そこで待ってなさい。」
魔女は気味の悪い笑みをうかべると、少女の返答を待たずに台所へ向かう。
「アップルパイ?いいわね。苦いものにはやっぱり甘いものよね。」
少女は台所に向かう魔女にそう言う。
魔女は手持ちのありとあらゆる毒をアップルパイの材料に混ぜ込み、それを、オーブンにぶち込むと、焼く。
そしてできたアップルパイを白雪姫に持っていく。
「魔女さん?これ大丈夫なのかしら?」
少女の前にあるのは、アップルパイとは言えないような、紫色と緑色に変色した何か?だった。
「大丈夫だよ、白雪姫ぇ。ほらあれだよあれ。見た目は悪くても美味しいものもあるじゃない、っていうやつよ。」
「そ、そうなのかしら?」
少女は魔女にそう言われ、少し戸惑っている。
……
「とにかくそれを口に入れるんだ。白雪姫!」
魔女は「紫と緑の何か?」を食べることに抵抗感を示し、いつまで立っても口に入れようとしない少女の口に無理やり押し込む。
「あ、結構いけるじ…ゃ…」
紫と緑の何かを口に入れた少女は何かを言う前に地面に倒れる。
少女は地面で動かなくなっている。
魔女は地面に倒れている少女に近づくと、少女の心音を確認する。
「………」
少女の心音は全く聞こえなかった。
「やっとやったか!手こずらせやがって。」
魔女は少女の家を、家の出口の方に振り返る。
「………よ。」
魔女は後ろから聞こえてくる、魔女は扉の前で足を止める。
「…ってよ」
「待ってよ。」
魔女は恐る恐る少女の方を向く。
「死ぬほど美味しいから、あなたも食べてみるといいわ。」
そう言うと、少女は魔女の口にアップルパイをぶち込んだ。
「ギャー!」
その後、少女を助けに来た王子様がヒュドラの毒で即死するのはまた別のお話し。