港
港っていいですよね。
横浜とか、神戸とか、あとドバイとか、テムズ川のドックとかも好きです。
「あら、ルグランの船以外にも豪華な船が来てるじゃない?あれはどこの船かしら?1隻はなんだか見覚えのある旗を上げているからわかるけれど。」
リリアンが指さす先には重厚な船体にすっと伸びる巨大なマストが立っている帆船が数隻あり、人族や獣人、エルフ族などが忙しそうに船上で動いている。
それぞれの船には異なる旗がはためいており、そのどれもに華やかな紋章が見受けられる。
「あれらは、エルムード王国、ラマ―ジュ帝国、ハザール王国の船です。我々のアジール連合に貨幣鋳造権が与えられましたから、契約分の貨幣の輸送を目的として派遣されてきたようです。」
「なるほど、さっそくお出ましですか。」
「貨幣を運ぶのに護送船が見当たりませんわね?」
「リリアン様、湾の北の岬のあたりをご覧ください。軍艦が数隻停泊しているのが確認できます。」
「なるほど、離れたところで待機しているということね。」
「まあ、まだ我々との関係も始まったばかり。互いにそれなりに警戒感はありますので、やむを得ないですが、関係が深まれば、彼らが寄港することもあるかもしれません。」
「そうですね、早く友好関係を深めたいところです。」
「ユカワ様、リリアン様、今ご覧になった範囲が現在稼働中の港湾施設になります。ドロシュは三角州に立地しておりますから周辺も今後開発することが可能でございます。そちらは現在工事中だったり、計画段階だったりしますが、最終的には現在の規模の3倍まで港を拡張する計画でございます。」
「3倍!?そんなに大きな港にするの!」
「ええ、それでももしかしたら足らないかもしれませんよ。例えばこの湾を出てフェグザ―ン・オーシャンをこえ、魔族が暮らすツイン・コンティネントと直接貿易が可能になれば、この地はより重要な交易拠点になることは間違いありませんから。」
「まさか、フェグザ―ン・オーシャンを超えての貿易は南方ルートしか確立されていないじゃないの。それも、北方ルートには強力な海の魔物が出没するうえ海も荒れやすく安全な航海が不可能だからよ。」
「おっしゃる通りでございます、リリアン様。ですが、ユカワ様ならもしかしたら不可能を可能にしてくださるかもしれません。そうではありませんか、ユカワ様?」
「インチェル、その話はとても興味深い。北方航路が開拓できたらそれはかなりの富をもたらすね?」
「はい、もちろんでございます。そして我々が暮らすユリアノン大陸とツイン・コンティネントとの貿易が始まれば、その拠点としてドロシュは必ず利用しないわけにはいかない港になります。」
「考えておこう。もし北方航路が可能になったら、その時は港の拡張をよろしく頼むよ、インチェル。」
「お任せください。」
そんな話をしながら港を見て回った。
港では様々な種族の人々が働いているが、中にはアバドンゴーレムも交じっていて仲良く働いている。
「それでは港も一通り見ましたし、次は街中に戻って商業区画、行政区画、司法区画、立法区画、文化区画などを見てまいりましょう。」
「ええ、案内をよろしくお願いするわ!行きましょう!」
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