ゴンドラ
観光します。
ドロシュはヴェネチアをイメージしています。
水の都です。
今日はドロシュに来ている。
ドロシュの街の整備ももうかなり進んできた。
今日はリリアンと、俺、そしてインチェルの3人で街の様子を見に来た。
「ヨウイチロウ、今日は街の整備の進捗を確認するのよね?」
「そうそう、そのつもり。」
「リリアン様、ユカワ様、今日はこのインチェルがこの町をご案内いたします。」
「うん、よろしく頼むよインチェル。」
インチェルはドロシュの街の再建と設計を行ってくれているエルフの建築士だ。
「ではさっそくご案内いたします。まずは港からご案内いたします。」
「いい考えね!なんといってもドロシュはカザド・ドゥムの外港としての機能がメインだものね。」
「その通りでございますリリアン様。」
「では、近くの船着場からペトスコスのけん引するゴンドラに乗ってまいりましょう。」
「あら、それは楽しそう!ペトスコスは確かワニ型の魔物よね?」
「そうです。ドロシュとカザド・ドゥムの間の輸送も担っていますし、それにこのドロシュは運河を張り巡らした都市です。ゴンドラに乗って今日はご案内いたします。」
「それは素晴らしい。楽しみだね。」
俺たちは近くの船着場に用意されたペトスコスがけん引するゴンドラに乗り込んだ。
ゴンドラはかつてヴェネチアで目にしたことがあるものと似ており、黒塗りの船体に金色の装飾が施されており美しい。
インチェルが船頭に合図をすると滑るようにゴンドラは岸を離れた。
運河をたどり、まずはマノーク川まで出る。
マノーク川に出るとペトスコスがけん引するいかだや船が何隻も上流から河口へ、河口から上流へ行き来していた。
「なかなかたくさんの船が動いているようだね、インチェル。」
「ユカワ様、カザド・ドゥムとドロシュいずれもまだまだたくさんの工事が行われておりますし、カザド・ドゥムから産出した鉱石や途中の大森林でギガビーバーが伐採したトレント材も輸送していますから、このマノーク川の水運は大活躍しております。」
「それは良かった。これからが楽しみだね。」
などと話しながらしばらく川を下ると港に入った。
マノーク川の河口は三角州になっている。
マノーク川はドロシュ湾にそそいでおり、マノーク川の三角州上に建設された都市がドロシュである。
「ドロシュ湾を上空から見たことはあったがなかなか広い湾だね。」
「はい、ドロシュ湾は岬によって外海から隔てられており、天然の良港でございます。さらに、マノーク川で上流とも結ばれておりますので実に素晴らしい立地でございます。」
「ヨウイチロウ、それにインチェルさん、港に早くいきましょうよ!」
「そうですね。こちらでございます。」
ゴンドラが向かった先には立派な石造りの埠頭ができていた。しかも倉庫群もある程度できている。そして何より立派な船が接岸しているではないか!
「インチェル、あの船はどこの船だね?」
「あちらの船は南方の島嶼部族連合国家ルグラン連合からの貿易船です。」
「あのルグラン連合の船なの!もう貿易が始まっているの?」
「はい、マロンバロン商会をはじめ、いくつかの商会が動いているようです。」
「なるほど、しかし、それにしても情報が早いね。」
「ええ、ユカワ様がカザド・ドゥムとドロシュを再興される計画を立てられた時点で、実はハユン様ら商人ギルドの大商会は各国の商会と連絡を取って新たな交易網の確立を考えておられたようですから。」
「さすが、商人。この調子でどんどん貿易を盛んにしていってほしいものだね。」
「そういえばヨウイチロウ、関税をどうするかって議題が持ち上がっていたわ。近々相談するつもりだったんだけど、どれくらいにするのがいいかしら?」
「それはもちろんタダでしょ!」
「えッ!関税をかけないつもりなの?」
「もちろん、自由貿易に勝る貿易振興策はないからね。」
「でも、関税は儲かるわよ?こちらが輸出する資源はカザド・ドゥムの資源といい、トレント材といいどれも価値のあるものだから関税をかけてもいいはずなのに?」
「関税で儲けるよりも、関税を撤廃してそれにつられてより多くの貿易業者がやってきてくれる方がいいのさ。」
「そうなのね。わかったわ、今度の会議で決めましょう。」
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