ラガドで会談―カザド・ドゥムへの帰還希望者について
久々にラガドの街です。
といっても、会談なので街中ストーリーはありません。
ごめんなさい。
俺はラガドの街に来ている。
今日は商人ギルドと冒険者ギルドのギルドマスターとギルドミストレスに相談があると呼ばれてきた。
「こんにちは、ハユンさん、ルドルフさん!」
「ご無沙汰しております、ユカワ様。」
「忙しいところ呼び出しに応じてくれて感謝する。」
「今日は何用でしょうか?」
「早速本題だが、一つ目はユカワ殿が再建をしておられる、カザド・ドゥムへの移住希望者についてじゃ。」
「ふむ、もうカザド・ドゥム奪還と再建の話が広まっているのですか?」
「ええ、かなり前からエルムード王国をはじめ大陸中、海を越えてラマ―ジュ帝国までうわさが広がっているわ。」
「ずいぶんとうわさが広がるのが早いですね。」
「かつて世界3大ドワーフ王国の一角であったカザド・ドゥム奪還のニュースじゃ。ドワーフの職人を始め、目ざとい商人や王国の関係者を通じてあっという間に広まったよ。」
「そうですか。それで、移住希望者とは?」
「いま、ラガドの街に大陸中から、かつてのカザド・ドゥムの住人やその子孫であるドワーフやエルフ、獣人族、人族たちが集まりつつあるわ。彼らは、カザド・ドゥムへの移住を希望しているの。」
「うわさが広まる途中で、ラガドの街にはカザド・ドゥムを奪還したユカワ・ヨウイチロウという冒険者がいて、ユカワのもとに行けばカザド・ドゥムへの帰還の夢が叶うという話に変わってしまったようなのじゃ。」
「なるほど、うわさというのは怖いものですね。ですが、それはこちらとしては好都合です。」
「では、帰還希望者たちを受け入れていただけるのですか?」
「ハユンさん、もちろんです。私もそろそろ住人を増やしたいと思っていたところですから。」
「それを聞いて安心したのじゃ。ここ数日で帰還希望者の流入がかなり増えておる。もし、ダメだと言われたらどうしようかと冷や冷やしておったのじゃよ。」
「ギルマス、ご心配をおかけしました。カザド・ドゥムと下流の積出港であるドロシュは、すでに生活に必要な最低限のインフラ、例えば上下水道や住居、がほぼ整備できています。」
「何!?もう整備できておるのか?すぐにでも帰還希望者たちを受け入れられると?」
「あと数日で生活インフラは完成するとの報告を受けていますから、そうですね、1週間ほど待っていただけますか?」
「ユカワ様、でしたらその1週間の間に帰還希望者たちの組織化を行われてはいかがでしょうか?」
「なるほど、それは名案ですね、ハユンさん。もう少し詳しく教えていただけませんか?」
「帰還希望者たちの種族は、ドワーフ族、エルフ族、獣人族、人族です。種族ごとに統率者を決めてもらい、帰還後の統治体制を円滑に進められるようにするのです。各種族には私の知る範囲でも名のある家の者が何名かずつおります。彼らに種族ごとの意思決定機関を組織させ、さらにその上位機関として4種族の代表者からなる組織を作ってもらいます。そうすれば、ユカワ様はバラバラに個人と相談をする必要はなく、その代表者組織と取り決めを行えば帰還者の受け入れはだいぶ円滑になるのではないかと思います。」
「さすが、ハユンさん。それは素晴らしいです。私は大人数をコントロールすることに慣れておりませんから、そのアドバイス通りにしましょう。あと、付け加えるとすれば、私たちの側の責任者はパーカーさんにお願いしようかと思います。パーカーさんはハザール王国で重要な地位におつきになっていましたから、このような交渉や作業に長けておいでだと思います。」
「ユカワ殿、パーカーはそういう仕事にとても向いている人間だ。それに、パーカーならある程度名が知れ渡っておるから、各種族の代表者たちともうまく調整できると思うぞ。」
というわけで、カザド・ドゥムとドロシュへの帰還者受け入れの話は片付いた。
後日、パーカーさんにこの仕事を依頼したら快諾してくれたので、後はお任せすることにしたのだった。
「次の議題なのですが、これは経済活動に関する重大なお知らせでして…」
ハユンさんの顔があからさまに曇った。
「一体どうしたのですか?」
「それが、最近、偽造貨幣が大量に出回っていたことが発覚したのです。」
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