採掘スタート
公害や労働問題と無縁な鉱山経営はとても楽しそうです。
あれこれやります。
今日も俺はカザド・ドゥムに来ている。
目的は鉱石の採掘をスタートすることだ。
つい先日までカザド・ドゥムの外にあった鉱滓の山が今はもうなくなっている。
代わりにそこにはメタル系スライムによって精製された各種金属のインゴットの山と、残りかすである石や砂からつくったブロック状だったり板状だったりする石材の山ができていた。
それらの一部はカザド・ドゥムの再建用資材としてカザド・ドゥムの内部へ運ばれる。
残りは船着場に運ばれマノーク川下流のドロシュで建築資材として利用されたり、今後の取引を考慮して、整備が進む港の専用倉庫に保管されたりすることになっている。
この鉱滓の山(普通であればゴミの山)からメタル系スライムたちは、金、銀、銅、白金、ミスリル、アダマンタイト、オリハルコンなどの貴金属のインゴットを大量に生み出した。
それらは莫大な価値があるので、まだ下流には送らず、カザド・ドゥム内部で厳重に保管している。
ここに山のように積まれている金属のインゴットは多くが鉄のインゴットだ。
量が量なので貴金属類ほどには厳重に管理する必要がなく、石材などと同じように扱うことになっている。
それはさておき、本題に入ろう。
鉱滓の山をすべて消化してしまった大量のスライムが俺の目の前には群れている。
彼らに新たな仕事を与えるのである。
すなわち、かつてドワーフの鉱夫達が汗水たらして掘り進めた坑道にスライムを投入し、カザド・ドゥムの鉱山としての機能を復活させるのだ。
現在、カザド・ドゥムの内部には物資運搬係のラーニョ・スクロたち、建築作業に携わるアバドンゴーレムたち、そして一応見回りと監視の目的でインフェルノウルフとイヴィルアイが入っている。
カザド・ドゥムは広大で、たくさんの魔物(野生の魔物ではなく、すでにテイムした魔物たち)がいてもまだまだ空きは十分である。
スライムたちは、それぞれが自分の好みに合った鉱物を求めて散らばっていくことを確認済みなので、後は指示を出せばよい。
「よし、スライムたち、いよいよお待ちかねの時が来たぞ。これまで君たちがここで鉱滓の山を処理していたのが残飯処理だったとすると、これからの仕事はごちそうを思うままに食べまくることといえるだろう。さあ!カザド・ドゥムの坑道へ出発だ!」
俺が号令をかけると数千のスライムたちが我先にとカザド・ドゥムの門をめがけて飛び跳ねて進み始めた。
これで本格的に採掘活動を開始することができる。
カザド・ドゥムの豊かさは折り紙付きだから、手元の富は見る見るうちに膨らむことだろう。
いやぁ、楽しみ、楽しみ!
次に、俺はイヴィルアイのズズを呼び出す。
「ズズ、君にはスライムたちの活動を監視して、採掘の過程で見つかる宝石類や美しい貴金属の結晶を回収してほしい。それらは美術品や工芸品の素材になるから、見逃すことなく、スライムが吸収してしまう前に回収してくれ。ズズ直属のアバドンゴーレムを100体ほど用意したから、うまく使ってくれ。」
ズズは配下のイヴィルアイと司会を共有することができるので、こういう仕事を任せることができる。
ズズ直属のアバドンゴーレムには特殊な魔法陣を組み込み、ズズの魔力波長とリンクするようにしている。
これによってズズは直属のアバドンゴーレムにテレパシーを送って指示を出すことができるのだ。
この鉱山全体で一連の流れに人間が一人も介在しないというのは実に驚くべきことである。
ちなみに、スライムが精製した金属のインゴットや石材はそれを運ぶアバドンゴーレムをすでに配置しており、彼らはトロッコを操ってカザド・ドゥム内に作った保管庫へそれらを運ぶ手はずとなっている。
これだけのシステムが機能し始めるのだ。
そろそろドワーフやエルフ、人族といった、魔物やゴーレム以外を呼び寄せる頃合いだろう。
職人たちが働きやすい環境、一流の芸術品や工芸品、武器や工具などを作る体制を整えて初めて、カザド・ドゥムの完全復活だ。
次はその辺を何とかしていかないといけないな。
何はともあれ、鉱山を手に入れることができたので資金の心配も消えて開発や冒険がますます楽しくなってきた。
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