資材運搬はラーニョ・スクロにお任せ!
もうちょっとドロシュや、カザド・ドゥムの描写をしたいです。
もちろん、新しい魔物を登場させたりはするつもりですが、ゆっくり進めたいと思います。
「ミルザ、これから契約をしたいと思うんだが、君たちはいったい全部で何体くらいいるんだい?」
「シュルシュルシュルッ、わらわの配下はすべて合わせれば大体500といったところか?」
「ピピッ⁉」
「そんなに⁉」
フェニックスのプラーミャとパルがそろって驚く。
「なるほどね、じゃあ今から契約をしたいと思うんだけど、適当に分けてくれるかな?大体、そうだな、7対3くらいで。」
「シュルシュルシュル、ふむ、わかった。そちの言う通りにしよう。」
それから、俺とパルは手分けしておよそ500体のラーニョ・スクロと従魔契約を結んだ。
俺が全体の7割。
残りの3割をパルが担当した。
パルの魔力もかなり高いのだが、まだ俺との間には相当の実力差がある。
まあ、この世界のもともとの住人であるパルと転生者である俺が同じレベルだとそっちの方がおかしな話だからパルは十分すごい。
「ヨウイチロウ、こっちは終わった!」
「ピピッ!」
「こっちもちょうど片付いたところだ。では転移するとしよう。」
俺はすべてのラーニョ・スクロが転移できるように巨大な魔法陣を展開する。
常闇の神殿というだけあってずいぶん暗い場所だが、青白い転移魔法陣の光によって大理石の床や柱、装飾を施した天井なんかが浮かび上がって荘厳な雰囲気だ。
転移魔法陣がひときわまばゆい光を放ったと思った次の瞬間、俺たちはカザド・ドゥムに転移していた。
「シュルシュルシュルッ、ここから無理やり転移されたときはどんな奴がこのように大それたことをしたのかと思ったが、そ奴のおかげでこうして帰ってこられるとはねえ。」
「あの時は仕方なかったのだよ、ミルザ。ではさっそくここでの仕事を案内しようと思う。ついてきてくれ。」
カザド・ドゥムの門の前の広場には大量の資材が山積みになっていた。
まとまりごとに運搬先の区画番号が記された札がつけてある。
ドワーフ族の建築士であるモルグレックさんがこのカザド・ドゥムの図面に区画番号を割り振って、いつでも再建工事を本格的に始められるようにしていたのだ。
カザド・ドゥムの門はミストラル山脈の岩肌をくりぬいて作られている。
その門に続く道を下るとマノーク川に突き当たり、そこには下流のドロシュから次々と資材を満載した船が到着している。
船着場には下流から船を曳いてきたペトスコスが休む場所がある。
さらにそこで船から荷下ろしをするのにはアバドンゴーレムたちが活躍している。
こんな作業現場、他では目にすることができない。
船着場から門の前の広場までは魔法の機構を内蔵したトロッコに似た運搬器具の線路が敷設してあり、船から降ろされた資材は次から次へと運び込まれている。
しばらく前からこの状態なので運び込まれた資材がたまる一方だった。
今日からすぐにでもラーニョ・スクロには活躍してもらいたい。
「ミルザ、君たちはこの地下神殿の構造を熟知していると思う。そこで、この区画分けを頭に入れて、札に従って資材を運搬してほしい。」
「シュルシュルシュルッ、ふむ」
「もうすでに行った先には、アバドンゴーレムが控えているから行けばわかると思う。」
「シュシュルシュル、わらわたちが協力することを見越してここまで準備しておったのじゃな?」
「まあね、とにかくよろしく頼むよ。」
「シュルシュルシュル、了解した。約束は破らぬよ。」
ミルザが配下のラーニョ・スクロに指示を出すと500体ほどいたラーニョ・スクロは図面と番号をさっと見ただけでそれぞれ資材をバラバラに担いでカザド・ドゥムの奥へ姿を消してしまった。
しばらくするとカザド・ドゥムの奥からシュルシュルと糸を張る音が聞こえてきて資材を運び終えた数体が返ってきた。
さらに資材を受け取ったアバドンゴーレムによる作業のトントンカンカンといった作業音も響き始めた。
この調子なら万事うまくいくだろう。
ちなみにさっそく奥の方から魔物がラーニョ・スクロにつかまったのだろう。
断末魔の叫び声が聞こえてきた。
長いこと魔物に占拠され、瘴気がたまっていたこともあって、少々浄化したところでなかなか魔物の発生を完全になくすことはできないのだった。
だが、その問題も、ラーニョ・スクロの活躍によってじきに解消されるはずだ。
これでドロシュに続きようやくカザド・ドゥムの本格再建が始まったのだった。
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