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異世界転生スライム研究  作者: ユラユラ
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ラーニョ・スクロ:ミルザ

ずいぶん前回の投稿と時間が空いてしまいました。

秋はいろいろと予定がありまして何かと忙しく…


それはさておき、今回は蜘蛛型魔物登場です。


今日、俺とパル、そしてつい最近タマゴから孵ったばかりのフェニックスのヒナ、プラーミャは地下第11階層の常闇の神殿に来ている。


「いやぁ、パル。こうして真っ暗闇の中にいるとフェニックスの放つ光がすごく役に立つね。」

「ピピッ!」

「そうだな、プラーミャはまだヒナなのに普通にしているだけで、周りを明るくしてくれるんだから、将来はどんなことになるんだろうな。」


今、プラーミャはパルの左肩に乗っている。

今日はこの常闇の神殿に、とある魔物を捕まえるために来た。

その魔物とは蜘蛛型魔物のラーニョ・スクロである。


「ヨウイチロウ、ラーニョ・スクロを捕まえて何に使うつもりなんだ?」

「彼らにはカザド・ドゥムの再建を手伝ってもらおうと思うんだ。」

「蜘蛛の魔物に何ができるんだ?」

「彼らはかなりの数がいる。しかもこの常闇の神殿に強制的に転移する前まであそこに生息していたから中の構造も熟知している。」

「それで?」

「カザド・ドゥムの再建のネックは資材を地下の広大な空間でいかに効率よく運搬するかだ。」

「もしかして、蜘蛛型魔物のラーニョ・スクロに運搬させるつもりなのか?」


「よくわかったじゃないか、パル。彼らの平均的体長は1メートルから2メートル。石材や木材を運ぶのにはちょうどいいサイズだ。しかも、その糸をうまく使ってもらえば階段やはしごを使わなくても自由自在に資材を上へ下へ運搬することができるだろう?」

「確かに、魔物図鑑にはネットにかかった獲物を糸を使って自分のところへ引き寄せたり、仲間のもとに送ったりするって書いてあったな。」

「というわけで、今日はラーニョ・スクロをテイムして、カザド・ドゥムに転送するというわけさ。」

「でも、そんな都合よく彼らが協力してくれるかな?」


「そこで今日はエサを用意してきた。」

「餌?」

「ピピッ?」

「そうだ、彼らは昆虫型魔物が好物らしいじゃないか?だから今日はたっぷりアバドンの死骸を持ってきたのさ!」


俺は亜空間収納にしまっておいた数十体のアバドンを常闇の神殿の柱に囲まれた円形の庭に山積みにする。


「また、アバドンか!ヨウイチロウ、アバドンを有効活用しすぎじゃないか。なんでもアバドンで片づけられると思ったら甘い…」

「いや、そうでもないぞ。ほら見てみろ。柱の奥に光る赤い目が見えるだろ?」

「うぉっ!?もうあんなに?」

「ラーニョ・スクロたち!俺は君たちに十分な報酬を支払う代わりに、協力してもらいたいと思っている!だれか出てきてくれないか?」

「ピピピッ!」

プラーミャは慣れない場所で魔物に取り囲まれて少し警戒したようだったが、俺たちがいるのか安心して明るく鳴き声を上げた。


「シュルシュルシュルッ、わらわたちに協力を求めるとはな、人間ごときが。」

糸を吐く音を立てながら柱の奥の暗闇から俺たちの方ににじり寄ってきたのは体長5メートルほどのラーニョ・スクロ。


「俺は君たちをモリアからこの常闇の神殿に転移させたユカワ・ヨウイチロウだ。」

「シュルシュルシュルッ、わらわはここのラーニョ・スクロを取りまとめるミルザ。ユカワ・ヨウイチロウといったな。話は初めから聞かせてもらっているぞ。わらわたちをあそこに返すとか?ただし労働付きで。」

「確かに、労働付きではあるが君たちをもといた住処に返そうと思う。それに見合う報酬を用意しようと思っている。協力してはくれないか?」

「シュルシュルシュルッ、そうよなあ、願いを聞いてやらないこともないと思うがのお。」

「何か要望があるのなら聞かせてほしい。」

「シュルシュルシュルッ、わらわたちは大変な大食漢じゃ。それに死んでしもうた魔物はそれほど好まぬ。そこにあるアバドンはまぁ、それほどまずくなさそうじゃが、基本的には生きた魔物を食らいたい。」


「なるほど、カザド・ドゥムでは死んだ魔物を餌として与えることはしないと約束しよう。それに、最近の報告ではあの地下宮殿には魔物がまだ継続的に湧いているそうだから、その魔物を捕食してかまわない。今はこちらの配下のインフェルノウルフやイヴィルアイがそうした魔物は駆除しているが、君たちが戻ったあかつきにはすべて君たちが好きなようにしていい。」

「シュルシュルシュルッ、なるほどのぉ、カザド・ドゥムに湧く魔物はすべてわらわたちが食らってよいのじゃな?もしそれで足りなかったら追加をお主らに要求してよいのかの?」

「もちろんだ。その時はご希望の魔物を捕まえて持っていくよ。」

「シュルシュルシュル、それはなかなかいい話かもしれぬのお。よし、わらわたちは契約を結ぼう。その話乗ったぞ!」


こうして、ラーニョ・スクロ達との相談はまとまった。

赤い複眼と見つめあいながらの相談には少々疲労したが、何はともあれ、これでカザド・ドゥムの再建工事に弾みがつく。


このあとは彼らと従魔契約を交わしてカザド・ドゥムまで転送するとしよう。


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