アバドンゴーレム
久しぶりの投稿です。
お待たせしました。
「ウィッカ先生、このゴーレム素晴らしいですね。」
「ユカワ君、私は長く錬金術の研究をしてきたけれど、これほどのゴーレムができたのは初めてよ。」
「やはり、コアに魔晶石を使ったことが影響しているんですかね?」
「その可能性が一番高いわ。だってこれまでいくら高品質の魔石を使ってもこれほどパワフルでスマートなゴーレムはできなかったもの。」
今、俺たちは屋敷の地下第13階層の実験場でアバドンの魔石をマジックスライムに精製してもらってできた魔晶石とアバドンの死骸から合成したゴーレムを見ながら話している。
第1階層のラボに比べてここは魔法や錬金術の大規模実験ができるように巨大ながらんどうの空間が広がっている。
そこに大量のアバドンの死骸と錬金術で生み出したアバドンゴーレムが整列している。
アバドンの魔晶石はトパーズのような色で大きさはブドウの粒ほどである。
アバドン自体はバッタに似た見た目をしているが大きさは大の大人2人分ほどで巨大だ。その冷凍された死体が俺の亜空間収納の中には山と積まれている。
材料には困らない。
アバドンゴーレムはアバドン1体を材料に1体作ることができる。
アバドンを材料にするこの人型ゴーレムの大きさは標準的には大人の人間とそれほど変わらない。
個体によって元の材料の色を反映しているのか茶色がかっていたり白っぽかったり、少し緑がかっているものもいる。
体つきは人間に似ているが顔や髪がない。
こだわれば、そこらへんもいろいろいじくることはできるのだが、カザド・ドゥムとドロシュの再建工事に使うため機能性重視のデザインとなっている。
「これからはこのゴーレムを大量に生産しないといけないわよね?」
「そうですね、ウィッカ先生、ゴーレムを使ってゴーレムを作ることは可能ですか?」
「あら、それならこのアバドンゴーレムほどの知性と手先の器用さがあれば簡単よ。」
「じゃあ、錬金術用の魔法陣をたくさん私たちで書いておいて、すでにできているゴーレムを使って新しいゴーレムを作るようにしましょうか。」
「それがいいでしょうね。」
俺とウィッカ先生、それに、呼んできたパル、シシリー、クレトの5人で手分けして実験場の空いている場所に手当たり次第にゴーレム合成用の魔法陣を書いていく。
その間もマジックスライムにはアバドンの魔石を魔晶石に精製し続けてもらう。
最近マジックスライムにアバドンの魔石しか与えていないのでそろそろ飽きるかと思いきや、精製をするのがどうやらとても楽しいらしく、ときおりピクピクしながら楽しそうにやっている。
しばらくして実験室中に魔法陣を書き終えたのでアバドンゴーレムに指示を出して実験場をあとにすることにした。
ただし、すでにできている数百体をディメンションホールに回収してから地上の屋敷に移動する。
地上に戻るとインチェルとモルグレックがリビングでくつろいでいた。
「ユカワ殿、お待ちしておりました。工事のことで少しご相談が。」とインチェル。
「なんでしょうか。」
「工事のための石材と木材を調達したいと思うのですが、商人から調達していたのでは輸送など少々経費がかかりすぎるのではないかと思いまして。」
「それに、石材や木材を大量に調達すると市場価格が高騰してほかに迷惑をかけることにもなりかねない。」とモルグレック。
「では、現地調達してはどうでしょうか。」
「現地調達とは?」
「私の記憶が正しければモリアのそばには鉱滓の山がありました。それにモリアとドロシュの間に横たわる森、あれは確かトレントの森ではなかったですか?」
「ああ、数百年間かけて行われてきた鉱山の採掘で出たゴミが山のようにあるのは違いないがそこからどうやって石材をとるんだ?まともな石材はないぞ。」
「それに、確かにあれはトレントの森ですが、トレントは魔物。そうやすやすと材木にできるとは思えないのですが。」
「それでは私の計画を披露いたしましょう。」
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