ムーム―ヒツジ
モリアはもうちょっと先になるかもしれません。
少し穏やかな日常に帰りましょう。
せっかくアンヴァルに乗れるようになったので、のんびり森の中をホーストレッキングしたいです。
魔の森を探検しましょう。
今日、俺たちは魔の森の探索に来ている。
目的の魔物はウコッシャモ。
魔物牧場でぜひとも飼いたい鶏型魔物。
魔の森ほどの深い森であればきっとどこかにいると思うので今日はアンヴァルに乗ってみんなで探しに行くことにした。
俺が乗っているのはオルフェーブル。
もちろん宝珠をつけているので乗り心地は抜群。
宝珠のおかげで俺たちを乗せているアンヴァルも疲れを感じないそうだ。
「どうだ、見つかったか?」
「いや、あっちにはいなかったな。」とパル。
「こっちも、見てみたけどなかなかそれらしい魔物は見当たらなかったよ。」とシシリー。
「なかなか見つからないね。」とユイ。
今日はある程度バラバラに捜索をしている。
最近パーカーさんの稽古のおかげで子供たちがそれなりに武器を使えるようになってきたこともある。
それに、アンヴァルは騎乗者を危険から守る魔法が使えるというのも子供たちだけでの行動を許可した理由だ。
「ねぇねぇ、ウコッシャモじゃないんだけどぉ、羊っぽい魔物の群れを見つけたのぉ。」とルカ。
「ん?羊っぽい魔物?どんな感じだ?」
「もこもこの白い塊がここから南に言った林の中で草をむしゃむしゃ食べてたのぉ。」
「遠くから見ただけでも40頭くらいいたぞ。」とクレト。
「それはムーム―ヒツジかもしれないな。」
「ムーム―ヒツジ?」とサリー。
「ムーム―ヒツジの毛はモコモコウサギ以上に柔らかくて弾力性があるんだ。モコモコウサギの毛は細くて光沢があるのに対して、ムーム―ヒツジの毛は割と太目で色は白。でも、染色すればとてもきれいになるんだよね。カラフルなあたたかいセーターなんかを編むのにはもってこいの素材だよ。」
「捕まえましょう!」とシシリー。
「うん、冬は寒くなるだろうし、ぜひ捕まえようじゃないか。」とパル。
「牧場の魔物も、もっと増やしたいところだし、できるよね、ヨウイチロウ?」とガフ。
「よし、じゃあ行こう。そうだな、近くまでは一緒に行ってそのあとわかれようか。」
「ああ、そうしよう。」とパル。
俺たちはアンヴァルに乗って森の中を駆けて行った。
森の中をアンヴァルは平地を走るかの如くすいすい進んでいく。
徒歩ではこうはいかない。
やはり、騎乗用魔物は素晴らしい。
とかなんとか考えているうちに木漏れ日が差し込む林の奥にムーム―ヒツジの群れが見えてきた。
ムーム―ヒツジは確かそれほど臆病な魔物ではなかったはず。
アンヴァルはそもそも森の中で警戒される存在ではないから、乗ったまま近づく。
すると何頭かのムーム―ヒツジがこちらに気づいたようである。
そして、子羊ムームーがアンヴァルにまとわりつき始めた。
モコモコウサギをテイムした時と同じように、今回は一頭ずつ優しく思念で語りかけながらテイムしていく。
ユイやサリーはもうアンヴァルから降りてムームーに埋もれている。
なんだが以前もモコモコウサギに埋もれていたような気がするが、ま、いいよね。
穏やかな午後の日差しを受けながら、林の中で俺たちはその場にいたすべてのムーム―ヒツジをテイムした。
あとは、アンヴァルに乗ってそのムームーたちを屋敷の方に追っていく。
何だか、カウボーイハットが欲しくなるような経験だ。
今度ラガドの街に言ったら帽子屋によってカウボーイハットを買ってこよう。
その日俺たちの魔物牧場に新たな仲間ムーム―ヒツジが加わったのだった。
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