宴―その2―
スライム♪スライム♪ランランラン♪
肝心なところはマジックスライムです。
ベヒモスの魔石は巨大ですし、無傷ですから魔石一つから魔晶石一つが精製できます。
魔晶石になることで魔石の秘めたるパワーが全開に!
「いやぁ、ヨウイチロウ、ベヒモスの肉ホント絶品だよ!」とクレト。
「そうですな、これほど香ばしくジュースィ~な肉は今までの人生で一度もであったことがありません。」とちょっとおいしいお肉のせいでおかしくなっているパーカーさん。
「いやぁ、さすがAランク冒険者じゃのぉ。わしの孫も喜んでおるし、今後ともよろしく頼むぞ!」と孫バカのギルマス、ルドルフ。
「ユカワ様、今日は本当にありがとうございます。子供たちも大喜びです。」とシスティーナ院長。
「それは何よりです、場所を提供してくださりありがとうございます、院長先生。」
「院長先生にユカワ殿、今日はお招きいただき感謝する。そしてこのベヒモスの肉、病みつきになってしまうぞ!」と北門警備隊のウォーレン隊長。
「普段はお忙しいでしょうから、今日くらい美味しいものを食べて英気を養って下さい、ウォーレン隊長。」
「部下たちの土産に串焼きまで用意してくれたそうじゃないか!本当にありがとう、ユカワ殿!」
「ヨウイチロウさん!このお肉ホント美味しい!ねぇ、うちの宿に少しでいいから売ってくれない?」とペレネ―。
「そぉねえ、こんなにおいしいお肉が食べられると評判になれば宿のお客さんも増えそうねぇ。」と羊のしっぽ亭の女将さん。
「おかみさん、これはベヒモスの肉ですにゃ。普段から市場に流通させるには少し、いやかなり貴重すぎる食材ですにゃ。」とバロンさん。
「残念だなぁ、せっかくだから今のうちにいっぱい食べよう!」とペレネ―。
「ユカワ様、これほど大量の肉を無料でふるまって本当によろしいんですかにゃ?」とマロンさん。
「これも普段の感謝とこれからの事業の成功のためです。」
「なるほどですにゃ。ですが、まだベヒモスの肉はずいぶんお持ちのはずですにゃ?うちの商会で少し売りさばいてはだめですかにゃ?」と商魂たくましいマロンさん。
「そうですねぇ、一頭分くらいなら構いませんよ。でも、やっぱりこれほどおいしいお肉ですから、特別な時に食べるために取っておきたいですね。」
「ではぜひ1頭分、お売りくださいにゃ!」
「ええ、また後でその契約はしましょう。」
「ユカワ君、今日は私まで招いてくれてありがとう。」
「いえいえ、アルティーナ先生。こちらこそ、パルやクレトの指導ありがとうございます。」
そう、ウィッカ先生と王都の学院から孤児院に来ている稀代の魔女アルティーナ先生にはパルとクレトに魔法の知識を教授してもらっている。
「彼らは熱心だし、のみこみも早いから教えがいがあるというものだよ。それにユカワ君の屋敷の蔵書も魅力的だからね。」
「いつでもいらしてください。歓迎いたします。」
「ところでなんだが、宝珠には特殊な加工をした魔石が必要だったはずだね?」
「ええ、その通りです。」
そう、宝珠の核ともいえる魔石には本来特殊な加工を施さなければならない。
その加工ができる職人がラガドの街といえども見つからなかった。
マロンバロン商会からその報告は受けていた。
だが、こちらで何とかすると伝えてプロジェクトは進めてもらっている。
「魔石の加工のあてはついたのかね?」とアルティーナ先生。
「はい、秘密兵器を使うことにしました。」
「秘密兵器?」
「私はスライム研究をしておりまして、飼っているスライムの中にマジックスライムというスライムがいます。そのスライムにベヒモスの魔石を加工させてみたんです。」
「なんだと!?スライムが魔石を加工?」
「ベヒモスの魔石はご存じだと思いますがあの巨体のコアだけあってとても大きいです。それをマジックスライムに与えると…こうなりました。」
といって俺はポケットからそのブツを取り出した。
「これが宝珠のコアになる魔晶石です。」
「な、そんな、馬鹿な。これほどの大きさ、これほどの透明度を持つ魔晶石がこの世にあるはずがない!あるとすればエル・ガレンのアーティファクトくらいのはず…」と目を見張るアルティーナ先生。
さすが、目の前の一見宝石にしか見えないものの真の価値をよく見抜いていらっしゃる。
「アルティーナ先生、これはベヒモスの魔石からマジックスライムが精製加工して作った魔晶石です。」
「あの一抱えほどもあるいびつな形をしたベヒモスの魔石がこんな真球になるのか!?」「私も驚きました。これほど宝珠に理想的な魔晶石に加工してくれるとは思いませんでした。」
「私が屋敷に行った時にはそのスライムを見かけなかったのだが?」
「ええ、このスライムは非常にレアですからまだお見せしていなかったのです。」
「確かに、これほどのことができるスライムとなると国宝級、いや、やはり古代エル・ガレンの遺物並みの価値があるな。」
「おっしゃる通りです。なので、このことは内密にしておいていただけると助かります。」
「ああ、もちろんだ。だが、ぜひ、今度屋敷に伺ったときには見せてほしいものだな。」
「もちろんですとも。」
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