宴―その1―
スライム大活躍。
この小説、単なる異世界チート冒険小説ではありません。
『異世界転生スライム研究』
です。
「スライムがぁ活躍しないとぉタイトル詐欺なのぉ。」by ルカ
「カンパーイ!」
今俺たちはラガドの街の孤児院に来ている。
孤児院の中庭で今ちょうど宴が始まったところだ。
何の宴かというと、ベヒモス狩りの成功を祝う宴だ。
少し時間をさかのぼって説明しよう。
ベヒモスを狩った翌日、俺はラガドの街にやってきた。
マロンバロン商会を訪ね、ベヒモスの解体を依頼した。
狩ってきたベヒモスの数にも驚かれたがその状態のよさにはさらに驚かれた。
解体業者に任せてもその巨体を何体も解体するのには数日かかるとのことだった。
そこで、俺はしばらくラガドの街に滞在し、狩ったベヒモスの解体に立ち会うことにした。
解体して手に入った肉を新鮮な状態で保管するためには俺の空間魔法は不可欠だった。
それに、ベヒモスは最高級素材の塊なので盗難などの恐れもわずかばかりあった。
しかし、俺の立会いの下、行われた解体は無事完了した。
ベヒモスの血抜きには屋敷から連れてきたブラッディ―スライムが大変役に立った。
通常ならば魔物が大きければ大きいほど血抜きには時間がとられるのだが、ブラッディ―スライムを総動員した結果その時間は大幅に短縮された。
大量のベヒモスの血を吸収したブラッディ―スライムは盛んに分裂したので作業効率はますます上がった。
さらにここで発見があった。
ブラッディースライムは驚くべきことにどうやら吸収した魔物の血液を自ら再生産することができることが判明した。
ブラッディ―にベヒモスの血液を生産するように命じると、最高品質のベヒモスの鮮血を生み出せたのだ!
マロンさん曰く、ベヒモスの新鮮な血液は薬品の材料として多くの用途があるのでこれは有力な商品になるとのことだった。
ちなみにベヒモスの血はルカにも好評だった。
「この血、とってもおいしいのぉ!もっとぉちょおだぁい!」
ルカは吸血鬼だからもしやと思ってあげてみたら大当たりだった。
ベヒモスからは、血や肉、皮や骨、牙、それに絶品とされる肉も大量に確保できた。
その素材をマロンバロン商会が集めた職人さんたちに見せたら
「なんだと!こ、こ、こ、これは本物のベヒモスの素材!」
といった反応でしばらく皆さん驚愕していた。
しばらくして一人、二人と素材の状態を確かめていろいろ話し始める。
事前に、この素材を使ってワイバーンやアンヴァルの宝珠を作ることは話してあるので仕事が早い。
「ユカワ殿、本当にこんなに贅沢にベヒモスの素材を使ってもよいのですか!」
と皮革職人のドワーフが尋ねてくる。
「ええ、そのためにわざわざラマ―ジュ帝国まで行って狩りをしてきたわけですから。」
「これほど状態のいい、しかも最高品質の素材を、それもこんなに贅沢に使わせえていただけるのであれば、わたくし共ドワーフ職人の名に懸けて必ずや至高の宝珠を作らせていただきます!」
とのことで職人さんたちのテンションはアゲアゲだ。
さらに、ラガド滞在期間中に以前マロンバロン商会に頼んでおいた金属を含むゴミの収集がひと段落したとのことだったので、そちらも回収した。
もちろん、メタル系のスライムたちを動員して希少金属を取り出すためだ。
こちらは現在進行中ではあるが、もうすでにミスリルやオリハルコン、アダマンタイトといった希少金属を精製できるスライムが分裂によって生まれた。
この、メタル系スライムの精製と分裂を活性化するためにもベヒモスの血液は役に立った。
ベヒモスの血液をベースに数種類の薬草を調合して魔物を活性化させるポーションができたのだ。
これを教えてくれたのは王都のエルムード・ロイヤル・アカデミーから孤児院に最近いらっしゃった稀代の錬金術師ウィッカ先生。
屋敷にお呼びしてシシリーと一緒にこのポーションを作ってもらった。
2人はすぐに打ち解けて、いい師弟関係を結べそうな雰囲気だった。
で、宴はというと解体業者の人たちや、これから宝珠作りに参加してくれる職人さんたち、ペレネ―やウォーレン隊長、ギルマスなどラガドの街で知り合った人たち、それに普段はおなか一杯の肉にはありつけない孤児院の子供たち、最後に屋敷のメンバーを加えて今ちょうど始まったところだ。
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