ベヒモス狩り―その2―
狩りました。
血は流れません。
昼食をとり終わると皆ワイバーンにまたがる。
まずはこの広大な湿地の中からはぐれベヒモスを見つけなければならないのでしばらくバラバラに捜索してしばらくしたら戻ってくることにした。
俺もミラーに乗って湿地を探索することにした。
低空を飛んでいると危険そうな魔物が何体もいるのが目に付く。
毒を持つヒドラや、ワニ型の魔物、巨大な蛇型の魔物も見つけた。
普通の冒険者には、こんなにも危険なところにいるベヒモスはなかなか捕まえがたい獲物だろう。
だが、俺たちはワイバーンに乗って上空から狩る。
地上の危険な魔物の心配をする必要はない。
などと思っているうちに見つけた!
「ヨウイチロウ、あそこに2頭のはぐれベヒモスがいるぞ!」とミラー。
「ああ、俺も見つけた。あいつら喧嘩してるのか?」
「そうらしい、まだにらみ合っている段階だが放っておくと互いに傷つけだすかもしれないぞ。」
「そうしたら素材が台無しだな。その前に捕まえようか?」
「それがいいだろうな。どんな魔法を使うつもりだ?」
「今回は氷魔法だ。」
「ふむ、氷漬けにするのか?」
「ああ、素材を痛めることなく、確実に確保するために氷塊の中に閉じ込めようと思う。」
「なるほどな。」
「じゃ、急襲だ!」
ミラーと俺は高速で2頭に近づく。
遠くから見ても巨体だったが近くで見るとなお大きい。
すごい迫力だ。
俺たちに気づいたはぐれベヒモスはうなり声をあげる。
「グウォオオ!」
「アイスロック!」
魔法陣が2頭それぞれの上に現れる。
青白い魔法陣から冷気がどっと噴出したかと思うとベヒモスの姿が見えなくなった。
悲鳴もわずかに聞こえたがすぐに沈黙する。
「サイキック!」
冷気が収まったところで無属性魔法のサイキックでベヒモス入りの氷塊を持ち上げる。
驚愕に目を見張らせたまま氷の中に閉じ込められ息絶えたベヒモスがそこにはいた。
「見事だなぁ。さすがヨウイチロウだ。」
「この魔法でうまくいくみたいだな。あとは亜空間収納に入れておけば時間経過はゼロだから持ち帰って素材としてマロンバロン商会に持ち込もう。」
「まずは、拠点に帰ってほかの探索から帰ってきた連中と合流だな。」
「そうしよう。」
拠点に帰るともうみんな揃っていた。
「遅いぞヨウイチロウ!」とクレト。
「もしかしてもう狩ってきたの?」とシシリー。
「ああ、2頭狩ってきた。待たせてすまない。」
「えぇ、もう狩ってきちゃったのぉ。私たちも魔法がうまく使えたら自分で狩りしてみたいなぁ。」とルカ。
「早く行こうよ!逃げちゃうよ!」とサリー。
「私も見つけたけど、私が見つけたのは群れだからみんながはぐれベヒモス狩りから帰ってくるまでここで待ってる。」とユイ。
「俺もユイと一緒にいていい?」とガフ。
「うん、いいよ。しばらく待っていてくれ。」
「ではユカワ様、行きましょう。」とパーカーさん。
俺たちはユイとガフを残してみんながそれぞれ見つけたはぐれベヒモスを狩りに行った。
手順は先ほどと少し変えて、俺は少し離れたところで待ち伏せをすることにした。
パーカーさんを筆頭にワイバーンたちが一頭ずつはぐれベヒモスを俺が魔法陣を張って待ち構える場所まで追い込んでくれた。
はぐれベヒモスが魔法の攻撃範囲内に入ったら俺はアイスロックを発動してはぐれベヒモスの巨体を氷塊の中に閉じ込めた。
何度かそれを繰り返すうちにワイバーンやアンヴァルの宝珠を作るのに十分だと思われる量のはぐれベヒモスを狩ることができた。
なので、ユイとガフが待つ拠点に戻ることにした。
次は群れの捕獲だ。
ただ狩るよりも捕獲の方が難しそうだな。
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