スライムとの出会いは突然に!
食堂はこじんまりとしていたが暖かな雰囲気で落ち着く。
早速椅子に座ろうとして、椅子を引くとグニュッと何か引っかかりを感じる。
ん?と思って床に視線を移すと水色で半透明の塊が落ちていた。
いや、床の上にのっぺりとその生物はいた。
半透明で弾力性のあるその生き物は見間違えようもなくスライムだった。
そう、スライムだった。
もう一度繰り返そう、俺はついについにスライムに出会った!!
「これは…、もしかしてスライム?」
「旦那様、もしかしなくてもスライムです。」
「おおおおおおおおおおスライムじゃないか!!!!!!」
「ど、どうされました、そんなに興奮されて?」
「いや、すまないミユ。俺は常々スライムという生き物に非常に興味があってね。でも転生前の世界にはスライムはいなかったから、こうして出会えて非常に感動しているのだよ!」
「そ、そうですか。そこにいるスライムは普通のスライムで先代様が掃除用に屋敷の中で放し飼いになさっていたものです。すでにテイムされていますから安全です。ちなみに、先代様の従魔契約はヨウイチロウ様に継承なされているはずですから、ご確認なさってはいかがでしょうか?」
「そうなんだ。じゃあ、触ってみてもいいかな?」
「はい、問題ございません。スライムは体内の核をつぶされると死んでしまいますから、その点にはご注意ください。ただし、かなり弾力性に富んでおりますから少々の衝撃では死にません。」
「なるほどね、じゃあ、私はこのスライムと戯れているから、さっそくミユお手製のお菓子をいただけるかな?」
「はい、今お持ちしますね。紅茶とコーヒー、またはハーブティーなどございますが何がお好みでしょうか?」
「とりあえず、紅茶をいただこうかな」
「では、今お持ちしますので少々お待ちください。」
「よろしく頼むよ。」
ミユは調理場の方に姿を消したので、俺はスライムを抱え上げると早速その体をムニムニするのだった。
スライムはゴムのように弾力があり、その表面は湿気はあるがプニプニである。
頬ですりすりするとスライムはウニウニと動き出して逃げ出そうとする。
嫌がっているようだったので、すりすりするのはあきらめて体内に指が入るのか確かめてみる。
少し力を加えるとスライムの表面から指がつるんと中に吸い込まれるように入った。
スライムの体内はひんやりとしていて真水のようにサラサラではないがそこまでどろりとしているわけではない。
なんだか包み込まれるようで非常に気持ちよい。
中をまさぐっていると体液とは異なる固体に指が触れた。
プニョプニョしているそれはどうやらスライムの核らしかった。
核に触れるとスライムがもがき始めたのですぐ指をはなす。
とうとう、とうとう本物のスライムが俺の手の中に。
どれほどこの日を夢見たことか!
作者からのお願い:少しでも「面白い!」「続きが気になる!」
と思ってくださる方は☆☆☆☆☆の評価とブックマークへの追加
よろしくお願いします!
作者のやる気がアップします。