ラガドの街
スライムがほったらかしになっています。すいません。あと何話かはストーリーを進めるために使いたいと思います。いずれちゃんとスライム研究に戻ってきますので、どうかもうしばらくご容赦ください。
「ユカワ様、そろそろラガドの街につきます。ついてからのことなんですが、ユカワ様は身分証明書をお持ちですか?」
「ん?持ってないな。それが必要なのか?バルトロは持ってるのか?」
「はい、ラガドの街に入るには冒険者カードなどの身分証明書が必要です。私は商人ギルドに登録しているのでそのカードがあります。ユカワ様はカードを守衛所で作る必要がありますね。」
「そうなのか。わかったよ。ありがとう。」
「ラガドではどういたしましょう。別行動のほうが良いかと思うのですが。」
「そうだね。ラガドについたら分かれることにしよう。バルトロはしばらくラガドで暮らしていけそうかい?」
「はい、大丈夫だと思います。ただ、馬車は私のものではないので、預かっていただけると助かります。」
「わかった。馬車はこっちで預かろう。門についたら分かれるとしよう。」
「はい。」
そうして、俺たちはラガドの街では別行動をすることにした。
「ユカワ様、城門につきました。」
「よし、ここまでご苦労。報酬はもらってるか?」
「はい、前払いでいただいておりますので、ここで失礼させていただきます。」
「よし、じゃあまた用があったら声をかけるかもしれない。そのときは商人ギルドに行けばいいのかな?」
「そうですね、あそこを通してもらえば確実です。」
「じゃあ、達者で」
「はい、失礼します。」
さて、まずは馬をディメンションホールにしまって、次は馬車を亜空間収納で片づける。次は、守衛所に行ってカードの作成と盗賊の引き渡しもしないとな。
「すいませーん。身分証明書がないので手続きをお願いできますか。それと盗賊をとらえたので、そちらもお願いしたいのですが。」
「こちらにどうぞ―。」
守衛所の警備隊の詰め所に移動して事務手続きを済ませる。水晶玉のようなものに手を当てると名前や年齢が魔法具によってカードに刻印されていく。
「これで仮の身分証明書は作成完了です。今後正式な身分証明書は冒険者ギルドが商人ギルドに行って手に入れてください。これらが通行証にもなりますのでなくさないようにしてください。」
「わかりました。では次は盗賊を引き渡したいんですが」
「了解です。ところで盗賊はどこにいるんですか?」
「空間魔法でしまってあります。今ここで出してかまいませんか?50人ほどいるので、ある程度の広さが欲しいのですが?」
「え!そんなにいるんですか!しかも空間魔法で仕舞ってるだって?」
「少々お待ちください。上のものを呼んで来ますので。」
どうやら、この警備兵では手に負えないと判断されたようだ。しばらくすると警備兵のまとめ役らしき人物がやってきた。
「お待たせして申し訳ない。ラガドの街の警備隊で隊長を務めているウォーレンだ。盗賊を50人ほど捕まえていると聞いてきたんだが、こちらに来てくれ。そこでなら50人くらい収容できる。」
「ありがとうございます。」
そして俺たちは城壁内に作られている収監用の部屋に向かった。
「ここに出してもらえるだろうか。」
「わかりました。ディメンションホール!サイキック!」
目の前の空間を切り裂くように穴を開き、そこに放り込んでおいた盗賊たちをサイキックで取り出した。
「ほ、本当に何もない空間から50人もの盗賊が出てきたぞ!?なんてこった」
「ウォーレン隊長、これで大丈夫でしょうか。それと今、彼らは魔法で眠らせています。起こした方が良いですか?」
「ん?そ、そうなのか。なんだがあり得ない光景を目にしたせいで、頭が働いていないが、そうだな、牢に鍵をかけてから外からでも可能かな?」
「はい、大丈夫です。」
「では、鍵はかけたから起こしてくれるか?」
「フォーストスリープ解除!」
「ン、ン、何が起きたんだ。確か馬車を襲っていて、空からワイバーンに襲われて、それからありえない数の魔法陣が展開して・・・」
「お、おい、ここって牢じゃないか!?なんで俺たちつかまってるんだ!」
意識を取り戻した盗賊たちががやがやと騒ぎ出したのを目にしてウォーレン隊長を含め一緒に来た警備兵たちは目を見張っている。
「魔法使い殿、少し事情をお伺いしたいので、詰め所にもう一度来ていただけるだろうか。逮捕したりするわけではない。この功績に報酬も出さなければならないのでな。」
「わかりました。行きましょう。」
「魔法使い殿、まずは今回の盗賊退治感謝する。そちらの呼び名なのだが、ユカワ殿とお呼びすればいいだろうか?」
「はい、そう呼んでもらって結構です。」
「では、ユカワ殿あの数の盗賊をどこでとらえられたのかお教えいただけるか?この街の周辺の安全にかかわることなので一応確認しておきたいのだ。」
「彼らは魔の森の淵から少し離れたハザールよりの街道でとらえました。」
「そうか、このラガドを経由する街道は両国の間の交易が盛んなだけあって利用するものが多い。盗賊もそれだけ多く何度も討伐隊を出しているのだが、なかなか根絶することができずにいるんだ。」
「なるほど。それは大変ですね。」
「ところで、あの盗賊団は商人を襲っていたのかね?見たところ救出された人たちは連れていなかったようだが。」
「盗賊に襲われていたのは高貴な身分のかたでした。彼らは無事です。ラガドには来ていませんが、別の安全なところにもう移動しておられます。」
「そうか、それは良かった。もし、犠牲者がいたらその収用などもしなければならなかったのでな。そのさる高貴な方々については何か事情があるようだからここでは聞かないことにしよう。」
「ご配慮感謝します。」
「ではユカワ殿、とりあえずはこのくらいで結構だ。今日はラガドに泊って行かれるのだろう?」
「はい、その予定です。ただラガドに来たのは初めてなので、どこか良い宿を紹介していただけると助かります。」
「それだったらこの北門から南に延びている大通りを進んでいった先にいい宿があるぞ。羊のしっぽ亭という宿だ。」
「それはいい情報をいただきました。ありがとうございます。」
「それと、今日の盗賊退治の報酬を明日の午後にでも取りに来てほしいのだが、可能だろうか?」
「ええ、もちろん。」
「では明日の午後この詰め所に来てくれ。報酬を用意しておく。おそらくあれだけの人数がいるし、全員生きて捕縛されているからそれなりの額になると思う。」
「そうですか。楽しみにしておきます。後、ラガドの街でやっておいた方がいいこととかってありますかね?」
「そうだな、ユカワ殿はまだ正規の身分証を持っていないだろ?だから、冒険者ギルドで冒険者カードを作ることをお勧めするな。」
「冒険者カードですか。私は魔法使いですが、今後は商売をやっていこうと思っているんですよ。だから商人ギルドに登録しようかと思っていたんですが。どう思いますか?」
「そうだなぁ、ユカワ殿の魔法使いとしての実力は相当とお見受けするから、こちらとしてはいざというときに戦力として協力してもらえる冒険者に登録してくれていると助かるんだが、今後は商人として活躍していくつもりなら商人ギルドでも問題ないと思うぞ。」
「そうですか。冒険者ギルドより商人ギルドに登録しようと思ったのは、実をいうと、ランクアップが面倒だなあと思ったからだったんですよ。」
「それなら、心配いらない。魔法の実力にあったランクに登録することができるぞ。推薦人が必要で、試験を受ける必要はあるが。」
「ホントですか!それはいいですね。てっきり雑用などの下積みクエストを受けないといけないと思っていて、それが面倒だなと思っていたんですが。」
「ここのギルドはそういうところは柔軟に対応してくれるからな。何しろ魔の森が近いから獰猛な魔物が多くて優秀な冒険者は常に不足気味だからな。」
「あの、その推薦人って誰に頼めばいいんでしょう?」
「俺が推薦人になってやろう。ユカワ殿の魔法はさっき一部とはいえ信じがたいものを拝見させてもらったから、そうだな、明日報酬を渡した後でどんな魔法が使えるのか城壁の外で見せてもらえないか?それでどのランクに推薦できるか考えるから。」
「素晴らしい提案ありがとうございます。ぜひともその提案に乗らせていただきたい。」
「じゃあ、明日だな。今日は宿でしっかり疲れを取ってくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
俺は詰め所にいた警備隊の人たちに礼を言って羊のしっぽ亭に向かった。
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