魔導飛行船増産
サリーが戻ってきて、浮遊回遊群島には天使族か居住しており、世界樹と呼ばれる大樹があることを知らされた。
天使族の長からの書簡もサリーは持ち帰っており、今後良好な関係を構築できそうな様子であった。
またサリーはスカイアイランドから大量の飛行石も持ち帰っており、これらを精製することでさらに多くの魔道飛行船の建造が可能になる。
そこで、ドロシュではスカイアイランドとの交易や各地との航空輸送網構築のため、魔導飛行船の増産が決定された。
造船技師たちはすでに港湾内で通常の船を作るためのドックを稼働させていたが、それらに加えて魔導飛行船用の新たなドックも複数作られることになった。
労働力はアバドンゴーレムでもって補う。
24時間働き続けられるゴーレムは良質な労働力である。
飛行石の精製にはスライムを活用することになった。
プレーンスライムのいくつかが飛行石に反応し、魔導飛行船用の精製に向いていることが分かったためである。
魔導飛行船はスカイアイランドとの定期航路以外に、ラマージュ帝国、ルグラン連合、エルムード王国や、ハザール王国との間にも開くべきとされた。
これらの魔導飛行船事業には共同出資という形で俺も一口かむことになっている。
定期航路が開かれた暁には、通常の陸上交通に加えて物珍しさと安全性の観点からこの流通網が頼りにされることは間違いなく、結構な収入をもたらすだろう。楽しみである。
数週間後。
各地を結ぶ魔導飛行船航路は無事開かれるに至った。
なぜこれほど迅速に事が進んだかというと、スライムとゴーレムの働きのおかげである。
鉱石の精製は滞りなく進み、魔導飛行船の建造もアバドンゴーレムを大量に動員したことで非常に円滑に進んだ。
これで新たな収益源ができた。
定期航路の開港式では各地へ一斉に数十隻の魔導飛行船が飛び立っていき、それはそれは壮観な光景であった。
ちなみに、俺もプライベートな魔導飛行船を一隻特注で注文した。
このプライベートジェットならぬプライベートシップは屋敷の貴重な資材を贅沢に使ったオーダーメイドのもので、これのおかげで俺は自由に空の旅を楽しめるのである。