魔導飛行船と飛行石の探索
この日俺はドロシュ学院のヴィイユ先生のアーティファクト研究所に来ていた。
よい知らせがあるらしい。
ヴィイユ:ようこそユカワ殿、ようやくアーティファクトの箱が開きました。しかもその中には言い伝えのとおり古代エル・ガレンの魔導飛行船の設計図がはいっておりました!
ガフ:それにね、飛行石も入っていたんだよ!
ユカワ:すばらしい!ヴィイユ先生にガフ、ありがとうございます!そしておめでとうございます!
サリー:じゃ、じゃあ魔導飛行船を作れるってこと?
ヴィイユ:はい、飛行石は一つしかありませんので、一隻だけではありますが、材料さえ集まれば建造できるものと思われます。
ユカワ:さっそく魔導飛行船を建造しよう!ところで、その飛行石とは何ですか?カザド・ドゥムでは採取できない鉱石なのですか?
ヴィイユ:そうなのです。飛行石に関する情報はこれまでほとんど見つかっておりませんでした。しかし、今回、魔導飛行船の設計図の中に飛行石の鉱床についての記述がございました。どうやら、飛行石はエル・ガレン大陸の上空に浮かぶ浮遊回遊群島でのみ採掘可能な鉱石のようなのです。
サリー:ふーん。ということは、その浮遊回遊群島にたどり着くことができれば飛行石が手に入って、そうすれば魔導飛行船も一隻どころかもっとたくさん建造できる可能性があるってことなのかしら?
ガフ:そうだよ。サリー、興味ある?
サリー:もちろんよ!私は船に乗って探検するのが好きなの!海の航海も楽しかったけれど、空を航海できるとなるとそれはまた違った楽しみね!
ユカワ:なら、ガフとサリー、浮遊回遊群島の探索に、新造する魔導飛行船に乗って行ってみてはどうだろうか?
サリー:いいの!喜んでその役担わせてもらうわ!
その後話はとんとん拍子で進んでいった。
ヴィイユ先生、サリー、ガフの3人を中心に数十人からなる浮遊回遊群島調査隊を魔導飛行船で派遣することになった。
魔導飛行船の建造はさっそくドワーフとエルフの職人たちの中から興味を持った者たちを編成し、ドロシュで開始された。
それと並行して浮遊回遊群島調査遠征隊の編成が検討された。
魔導飛行船一隻だけで行くのは心もとないので、複数のドラゴンとワイバーン部隊を同行させることになった。
今では、先の暴風竜騒動の際に捕獲された複数のドラゴンやワイバーンに騎乗して交易活動を行ったり、哨戒活動にあたったりする部隊ができていた。
彼らにとっても初の遠征となるに違いなかった。
遠征隊は魔導飛行船の造船にかかわる職人と、サリーが南方から引き連れて帰ってきた船乗りの中でも精鋭を集め、さらにドロシュ学院から古代遺跡探査や工学系の研究者を加え、およそ150人規模となった。
俺は残念ながら今回の遠征には加わらない。
しかし、その代わりといっては何だが各種スライムを乗船させることにした。
魔導飛行船の建造自体はさまざま技術的な困難はあったが、エルフとドワーフの職人の協力、ドロシュ学院の工学研究者や古代魔法技術研究者らの協力もあり数か月の時を経て何とかようやく完成しようとしていた。
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