アヤック諸島開拓(再開編3)
ここ数週間で調査団の編成はかなりの程度進んだ。
編成と装備の準備が整ったグループから順次アヤック諸島の各島へ送り出されていった。
続々収集される情報がアヤック諸島開発統括理事会の元で開発計画と保存計画に反映されていく。
かつて20世紀転換期のアメリカ帝国主義者のセオドア・ローズベルトは保全主義を信奉していた。
保全主義とはアメリカ本土及び帝国の植民地の有限な資源を管理する目的で個人や企業、国家や州による無秩序な開発を積極的に規制する考えのことである。
この保全主義の下ローズベルトはヨセミテやイエローストーンなどの国立公園を制定し、また、森林資源や石油資源の管理を行おうとした。
アヤック諸島の開発にあたってもこの帝国主義者に倣って保全主義的アプローチを行う。
開発とは基本的に環境を改変する行為であり、人間による開発の前後で不可避的に当該地域の環境は激変する。
環境を改変するにしても、持続不可能な短期的利害を目的とした乱開発よりも、持続可能で長期的視座に立った制御された開発が必要である。
せっかくの貴重なアヤック諸島の環境資源をどぶに捨てるようなことはせず、科学的知見の元により高い利益が上がるように開発することが今回のアヤック諸島開拓の目標である。
幸い資本、知識、技術、労働力はすべて申し分ないほどにそろっている。
あとは彼らに任せれば万事うまくいくであろう。
個人的にはアヤック諸島の古代遺跡の探査にぜひとも参加したいと考えている。
アヤック諸島には古来より様々な種族が到来し、交易拠点として開拓しようと試みながらも、挫折し、去っていった様々な遺跡が残されている。
とはいえ、今後数か月は専門家と技術者からなる彼らに開拓の下準備をしてもらおう。
俺はすべて整った頃に別荘やその他もろもろワクワクする基地を作ることができれば十分だ。
ゆえにあと数か月はこちらは放置する。
俺は次の問題にとりかかろう。
次なる問題とはそう、魔道飛行船とエル・ガレン大陸の探索である。
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