アヤック諸島の開拓(再開編1)
お久しぶりです。
また気が向いたので再開しました。
また文体が変わっていると思いますが、お楽しみいただければと思います。
よろしくお願いします。
黒龍のリーが旅から帰ってきたのでアヤック諸島に向かうことにした。
黒龍の背に乗って大洋を越えていく。
目指すはアヤック諸島。
ユリアノン大陸とツイン・コンティネントの間に横たわる茫漠とした海。
それがフェグザーン・オーシャンであり、アヤック諸島はそのちょうど中央部に位置する。
リーの背に乗って海風を吸い込み、風を切って、雲の上へとかけがってゆく。
白い雲を抜けるとそこに広がるのは一面の雲海。
その上を漕ぐようにビュンビュンと飛翔する。
それからしばらくすると単調な風景が途切れ目の前に巨大な黒々とした雲の柱が現れた。
その中に目を凝らすと激しい雷が生じている。
これはアヤック諸島を取り囲む巨大な雲柱郡のうちの一本だ。
そこにそのまま突っ込めば嵐にもまれることは間違いないので、うまく嵐の淵を迂回していく。
雷鳴をそばに聞きながら暴風にマントをはためかせ黒竜のリーは徐々に高度を下げてゆく。
雲柱郡を抜けると目の前がぱっと開けた。
天からさんさんと降り注ぐ陽光。
大海原にポツリポツリと浮かぶアヤック諸島。
島々はいずれも火山島でほとんどは穏やかだが一部には煙を吐いている活火山も見て取れた。
とんがり帽子のような火山と、その周囲に熱帯の森が広がり、海岸線は場所によって多様な地形となっている、アヤック諸島の中でも最大の島が見えてきた。
そう、真珠島である。
黒龍のリーには真珠島に着陸してもらうように言った。
リーはその巨体に見合わず鳥の羽が舞い降りるようにふわりと着陸した。
熱帯の熱く生命のエネルギー溢れる空気を胸いっぱいに吸った。
さあ、これからこの島を貿易拠点として開発するのだ。
手始めにフォレストウルフ数体と何種類かスライムを召喚する。
彼らを島に放つことで転移拠点やその他の情報収取をする。
この時のためにドロシュ学院の史料調査班にアヤック諸島の地図を調査してもらったが、やはり詳細がわかる地図は作られていなかった。
そこで魔法式を刻み込んだプレーンスライム、その名もマッピングスライムを実験室で作った。
この、マッピングスライムはさまざまなスライムとコミュニケーションしながらスライムの情報ネットワーク上に収集されたあらゆる情報をマジックボードの上にマッピングできるまさに地図作成特化型スライムである。
フォレストウルフはスライムたちを運んでもらうために利用する。
また、ワイバーンも何体か召喚した。
これらもスライムをのせて飛ぶことで、スライムによる鳥瞰地図作成に当たってもらう。
今日はこのワイバーン、フォレストウルフ、マッピングスライムなどをアヤック諸島の全離島にばらまくことが目的である。
召喚作業は順調に進み、日が暮れるころにはアヤック諸島のすべての島に配置し終わった。
夜の空と海を越えて旅するのも乙なので、転移で帰ることもできたが黒竜のリーの背に乗って、帰途に就いたのだった。
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