アーティファクト:飛行船の設計図
ヴェイユ先生初登場です。
どうぞよろしく。
サリー:ヨウイチロウ、これはルグランの最南端の島に立ち寄った時にその島の族長からお礼の品にもらったものなんだけど…
そういってサリーが差し出したのは古代のものと思しき箱だった。
ユカワ:なんだかおもしろそうだね。もう開けてみたのかい?
サリー:いいえ、族長曰くこれまでその箱を開けることができた者はいないらしいんだけど、言い伝えでは飛行船の設計図が入ってるそうよ。ラマージュ帝国のさらに南に行ったところにあるエル・ガレン島ってあるでしょう?そこの上古のエルフたちが築いた古代エル・ガレン文明の遺物だそうよ。昔ある船乗りがエル・ガレン島から持ち帰ったものらしいわ。
ユカワ:なんでそんな貴重なものをサリーが受け取ることになったんだい!?
サリー:まあね、ちょっと人助けでいろいろあったのよ。
ユカワ:それは気になるなぁ。
サリー:なにはともあれ、私にはその箱をどうすることもできないから任せたわよ?
ユカワ:わかったよ。
俺はその箱を受け取るとさっそく学園にある古代魔法文明研究をしている研究者たちがいるところにその箱を持ち込んだ。
その研究所にはヴェイユ所長というこの分野の第一人者がいらっしゃるのだ。
ユカワ:こんにち、ヴェイユ所長。
ヴェイユ所長:おお、これはユカワ殿、貴殿がこんな辺鄙な場所にいらっしゃるとは珍しい。今日は一体いかがなされましたか?
ユカワ:今日は先日ルグラン連合から帰ってきたサリーが持ち帰ったこの箱とその中身をヴェイユ先生に見ていただきたいと思い来させていただきました。
ヴェイユ:おお、これは見事なアーティファクトですな。この緻密な彫刻装飾からすると、もしや、あの、古代エル・ガレン文明の遺物ではありますまいか!?
ユカワ:さすが先生、その通りです。サリー曰く、ルグラン連合の最南端のとある島の族長から譲り受けたのだそうです。かつてある船乗りがエル・ガレンから持ち帰ったとか。箱の中には飛行船の設計図が収められているそうでして、しかしまだ箱を開けることに成功した者はいないそうです。
ヴェイユ:なんと!ぜひわたくし共でお預かりさせていただいて研究させていただいてもよろしいか?
ユカワ:もちろんです。ぜひ、よろしくお願いいたします。もし、この箱を開けることができて、本当にこの中に飛行船の設計図が入っていたなら、ぜひ再現したいものです。
ヴェイユ:ご期待に沿えるよう努力いたします。ただ、古代エル・ガレンのアーティファクトに関する文献は少なく、実際にあけることができるか、あるいは開けることができたとして中におさめられている設計図を解読できるかは保証できません。
ユカワ:それは重々承知しております。すべて先生にお任せいたしますので、どうぞよろしくお願いします。
ヴェイユ:承りました。お任せください。あと、今、ちょうど貴殿のところのガフ君が来ていますよ。彼はアーティファクトと古代魔法文明研究に興味があるようで、熱心に学んでいますよ。
ユカワ:ガフが?それはいいことですね。少し話していきたいです。
ヴェイユ:ええ、呼んできましょう
ガフ:やあ、ヨウイチロウ!古代エル・ガレンのアーティファクトを持ってきてくれたんだって?
ユカワ:やあ、ガフ。そうさ、細かいことはヴェイユ先生から聞いてくれ。ガフはここに最近よく来てるのかい?学園での勉強は?
ガフ:学園での勉強はもちろん楽しくやってるよ!放課後や休日にここにきてヴェイユ先生やほかの研究の人からいろいろ教わってるんだ!すごく楽しい!
ユカワ:そうか、それはよかった。アのアーティファクトには飛行船の設計図が入ってるかもしれないから、ガフもぜひヴェイユ先生たちと頑張っておくれ。
ガフ:飛行船!なんだかすごくワクワクするね。ヴェイユ先生、僕もそれを調べるのに立ち会ってもいいですか?
ヴェイユ:ああ、もちろんだよ。
ユカワ:お2人とも早く調べ始めたいようですね。私は今日はこの辺でお暇させていただきます。よい知らせを待っております。
ヴェイユ:こんな貴重な研究機会をいただいて研究者冥利に尽きるというものです。
ガフ:ヨウイチロウありがとう!サリーにも自分でお礼を言うことにするよ!
俺は2人に見送られて研究所を後にしたのだった。
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ーなおこの物語のスピンオフ小説募集中:町の人でも王族でも、貴族でも、冒険者でも、魔物でも、何でもいいのでスピンオフで書いてみたい方がいたらこの異世界を舞台としてどしどし使ってみてほしいです。書いてくださった際にはぜひご一報ください-