交易路の再編
いろいろな国の名前が出てくるので、小説情報整理のページも参照しながら読んでいただければと思います。
ハユン:ところでドニアが死霊王の手に落ちたことで世界の交易路に大きな変化が生まれることになると思うのですが。
リリアン:そうね、ラマージュ帝国の北方、ハザール王国の南西、西北にはギルタス法国とエル・フィンドール帝国があって、ドニアはそれらの諸国の海上交易の中継地としての機能も担ってきたから、交易路も少なからぬ影響を受けるわね。
パーカー:ドニア周辺が危険地帯となりますと、ラマージュ帝国の北方海洋貿易圏がほとんど機能しなくなりますな。ハザールとギルタス法国、エル・フィンドール帝国の交易もできないことはないですが、あの北方海域は巨大な海獣類と氷山の影響で航行が非常に難しい航路です。
マロン:そうですにゃあ。ということはハザールからラマージュ、ラマージュから陸路でエル・フィンドールへの交易路の重要性が高まりますかにゃ?
バロン:にゃあ、、、そうは言うても、海上交易と陸上交易では輸送量が段違いにゃ。代わりにはなれないんじゃないかにゃあ。
リリアン:そうね、どう考えてもこれまでと同じ規模の交易は厳しくなるわね。
パーカー:それに加えまして、今回の件でラマージュ帝国は重要な貴金属資源の輸入先を失ったことにもなります。世界3大鉱山のうちの一角を占めたドニアの貴金属の主要な輸出先はわたくし共のカザド・ドゥムが復興する以前はハザールとラマージュ帝国でした。ここがなくなるということは両国はエル・フィンドール帝国に近接するディミトール丘陵のドワーフ王国かカザド・ドゥムの資源を頼らざるを得なくなるということです。
ユカワ:ということはハザールと我々を結ぶ陸路の交易路と、エルムード王国の南東周りでルグラン連合を経由しラマージュ帝国に至る南方海上航路の重要性が増すということかな?
パーカー:そうなると考えられます。
ハユン:これまでも南方海上航路は活発な交易がおこなわれてきましたが、こちらの重要性がかなり高まりそうですね。ラマージュ帝国を中心にすると、東方交易路の大幅な活性化と新規航路の開発が見込まれそうですね。
ユカワ:なら、ルグラン連合との関係を一刻も早く緊密にし、交易の拡大に備えるべきではないだろうか。
マロン:そうですにゃ。
システィーナ:ところでなのですが、今のお話おうかがっている限りギルタス法国が孤立してしまうように思われるのです。
ハユン:状況次第ですが、そうとも言えないかもしれません。ギルタス法国はドニア北方の海上にある島国ですから、海上交易路が生命線です。ギルタス法国にハザールからの荷を陸揚げしてそこからエル・フィンドールへ再輸出することは可能かもしれません。
システィーナ:なるほど。そうすると北方海上交易の中継地はドニアからギルタス法国へ変わるかもしれないということですか。
ハユン:そうです。ただ、ギルタス法国はこれまで外国に対して極めて限定的にしか交易活動を認めてきませんでしたから、そうした点も変化を迫られる可能性があります。
リリアン:では、我々とラマージュ帝国との間の交易路がどう変化しても対応できるようにハユンを中心に商業ギルドのほうで戦略をまとめてもらえるかしら。
ハユン:かしこまりました。
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