表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生スライム研究  作者: ユラユラ
116/146

死霊王の復活

最近忙しいので断続的になってしまうとは思うのですが投稿していこうと思います。

新たな敵の登場です。

今後ともよろしくお願いいたします。

カザド・ドゥムがあるミストラル山脈よりさらに北。

海から遠く離れたその場所には荒れはてた北の大地が広がっている。

身を切る寒風が吹きすさぶ中、突然その黒い穴は目の前に現れる。


地面にぽっかり口を開けた巨大な穴。

淵から覗いてもその穴の底を見ることはできない。

あまりに深いためにどれだけ目を凝らしても見えるのは深い闇だけ。


古い伝承によるとその穴は冥府につながっているという。

そしてある時この世に禍をもたらす不死王が復活するとも言い伝えられている。

しかしこれまでその不死王を見た者はいない。


はるか遠い昔、古の時代に英雄によって滅ぼされ、深い穴の底に封印された死霊王は恨みを晴らすべく復活の時を待っていると人々は語り継いできた。


冥府の入り口と呼ばれるこの穴がある土地は、ただでさえ人が寄り付かない不毛な土地であるが、さらに北方ノルド海沿岸にはケンタウロス族など特殊な獣人族がわずかばかり暮らしている。

もっと北に行くと雪と氷の精霊族が暮らすザーガという名の都市があるとされている。


そんな荒れ果て人影のない土地に一つの黒い影が現れた。

その黒い影は地面をすべるように移動している。

そして冥府の入り口と呼ばれる黒い穴のふちにたどり着くと止まった。


黒い影は懐から怪しげな光を放つ何かを取り出すと、穴の中にポイと投げ捨てた。


黒い影は満足そうにその黒い穴を離れると来た時と同じように地面をすべるようにどこかへと消えてしまった。


黒い影が消えて間もなく、この数百年、いや数千年、沈黙し続けてきた黒い穴が鳴動し始めた。

先ほどまで真っ暗だった穴の底から紫色の光が周囲へ広がる。

光とともに穴の淵からは瘴気が流れ出し周囲の空気をよどませてゆく。


人っ子一人いない寒々とした大地の真ん中で邪悪な魔力が渦巻き始めた。

空は暗くなり大気は重くなった。

わずかばかり生えていた植物は穴からあふれ出した瘴気に触れると禍々しい毒草になるか枯れるかしてしまった。


穴からあふれる紫色の光は先ほどよりも強まっている。

黒い穴の上空に雲が集まり始め渦巻き始めた。


誰も見ていない中でその復活の儀式は始まった。


穴の底の冥府の扉、その奥に封印された死霊王はようやく目覚めた。

冥府の扉がとうとう開かれる時が来たのだと。

死霊王の復活の時が来たのだと。

古の英雄に倒されこれまで力を蓄え続けてきた王はついに復活する。


王の復活を祝すべく黒い穴の周りに邪悪な悪霊たちが集まり始めた。

彼らは不気味な呪文とも合唱とも判別つかない何かを歌い始めた。

次から次へと悪霊や幽鬼が集まりその数はますます増えていく。


瘴気が立ち込め邪悪な者たちが集結した穴には今や復活の魔方陣が現れている。

魔方陣は悪霊や幽鬼の魔力を吸い込みながらますます輝きを増し冥府の扉はとうとう開かれた。


穴の底から死霊王が姿を現し魔方陣の中心に立つと復活の儀式は完成した。

そして死霊王は片手を空に向け天を仰いで宣言した。


「我、復活セリ」


その日聖なる力をつかさどり、かつその恩恵を与えられた者たちは世界中どこにいても否応なく感じ取った。

これから何かとてもまずいことが起きようとしていると。


いつも応援ありがとうございます。

作者からのお願い:「面白い!」「続きが気になる!」

と思ってくださる方は☆☆☆☆☆の評価とブックマークへの追加

よろしくお願いします!

作者のやる気がアップします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ