竜種の魔石
魔石も集めたいですねぇ
今俺はまだスライムステーションにいるのだが、目の前にはドラゴンやワイバーンから取り出された魔石が並んでいる。
どれも目をみはらずにはいられない大きさである。
ドラゴンとワイバーンはともに竜種でその魔石の大きさも他の魔物に比べればはるかに大きい。
しかし、ドラゴンの魔石はワイバーンの魔石よりも一回りも二回りもさらに大きい。
ワイバーンの魔石はサッカーボールほどの大きさで人ひとりがまだ持ち上げることができる大きさである。
それに対してドラゴンの魔石は大の大人でも一人で持ち上げることは困難である。
ベヒモスの魔石も美しかったが竜種の魔石はやはり別格である。
結晶構造の美しさといい、そこに秘めた魔力量といい、色彩の多様さといい、実に素晴らしい。
諸王国の王侯貴族や大商人たちに見せたならばきっと売ってくれとせがまれること間違いなしの品である。
それがいくつも目の前にごろごろと並べられている。
至福の時間だ。
だが、これらの魔石はそのままでは用いないし世間にも流通させるつもりはない。
すべてマジックスライムを用いて魔晶石へと精製するつもりである。
ただでさえ美しいこれらの魔石が魔晶石へと精製された暁にはどんな輝きを放つのか今から胸が高鳴る。
ある竜の魔石は黒水晶のようなのだがその内側に青白い輝きがみられる。
別の竜の魔石はサファイアブルーで内側には紫色の光が宿っている。
これらはすべてシャインスライムによる解呪済みのドラゴンの死体から取り出された魔石である。
しかし、それだけではなく解呪前のドラゴンから取り出した魔石も比較対象として手元に用意した。
だがこちらは実に禍々しい。
まず、手を近づけると熱い。
そのうえ触れると痛みが走る。
魔石の中には人の心を惑わすような邪悪な何かが揺らめいており見るからに危険な代物である。
なので、以上のことを確認したのちすぐにシャインスライムに解呪してもらうことにした。
ところで魔石を魔晶石に精製してくれるマジックスライムはドラゴンの魔石を早く吸収したそうな様子だ。
その仕組みはよくわからないが、魔石を魔晶石へ精製する過程で少なからず魔石の力をマジックスライムは取り込むことができるらしい。
取り出したドラゴンとワイバーンの魔石は慎重に緩衝材を入れた箱に詰めこれも宝物庫へ収蔵することとした。
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