第4話 鑑定士と顔のある依頼人
清銘と紬の水晶でのステータスのチェックを終え、操文の番が回って来る。
「それでは手をかざしてください」
「ほい。なノ蛇」
「読み上げますね。火が0、水が0、風が0、土が1、光が0、闇が3ですね。 え? 闇3??」
「ん? 闇3って何か不味いのかのお?」
「あ、いえ、見たこと無いというか、珍しいものでして……、で、続いてスキルの傾向の特に出てるのは、『指技』が1、『制作』が1、『鑑定』が5、『覗秘』が2…………、何ですかこれは??」
「どっ、どうしたノ蛇? 何か不味いのかのぉ……?」
「おいおい、さっきから大声で叫んでどうしたんだ?」
オグマがレベッカの様子がおかしいと見て、受付の方へとやってくる。
「そっ、それが、ステータスチェックの結果がこんな感じで出てて……」
「ほぉ……。これは……。俺も長年ギルド職員をやっているが、片田舎のこの町じゃ、こんな珍しいステータス見ねぇなぁ。身なりといい、Beポイントといい、あんた達何者なんだ?」
「何者と言われても……困るの蛇ガ……」
少女たちは互いに顔を見合わせる。
紬の持っていた銅の剣を清銘がさり気なく手に取る。
「ふぅ、まぁ、別に深く詮索するつもりはねえんだ。あんたら、依頼を受ける気ねぇか? 依頼者は教会だから、まぁ依頼主の身分は申し分ない案件なんだが」
「確かに冒険者は依頼の受けるもの蛇ガいきなり蛇ノぉ」
そう言いながら、操文は、清銘と紬の様子を見る。
「どうして、私たちに突然依頼するんだ?」
清銘がいつもより少しだけ乱暴な語勢で言う。
オグマは三人のステータスチェックが書いてある紙を見ながら答える。
「うーん、まぁ、『鑑定』のスキルを持っている人間を教会が探しててな。しかもさらなる条件として、闇属性の人間がちょうどいいというわけなんだ。なんか、まぁ条件がすごい揃っちまってるってことなんだ」
「危険は無いのか?」
清銘が威圧たっぷりに言う。
紬も操文も、さっきまでの清銘と態度の違いにビックリしている。
「まぁ、教会からの依頼で、調査系の依頼だから、依頼の中ではピカイチ安全な方だ。だが、まぁ世の中には絶対なんてないから、絶対に安全とは言い切れないが」
「わっ、わっ、わっ、私運命的な物を感じますわ。この依頼受けた方が良いと思いますわ」
「わらわも、そう思うノ蛇。何か運命的なモノを何故か感じるノ蛇。ここに来てから、勘と言うかなんというか、よく分からない物が鋭くなっているから、たぶん当たってるノ蛇」
「分かった。受けるよ。絶対に安全では無いと言ったのが逆に信じられるし」
3人は導かれる感じを信じ、かつ冷静に判断をして、依頼を受ける決心をした。
「おおそうか、受けてくれるか。いやぁ、冒険者ギルド側もな……教会をいつまでも待たしてて、しびれを切らしてるんじゃないかって、かなり心に引っかかってたんでな。助かるよ。冒険者登録をしてたってこたぁ、3人でパーティー組んだとしてもランクEのパーティーだろ? おいレベッカ、おまえ一緒に行け」
「え、私ですか? 私、昨日までDランクのパーティー付き添いに出てたんですよ? 昨日の今日でまたですか?」
「今日出発はしねぇだろ、明日から出発になるだろ、もう今日は帰っていいから、お前行け」
「え……。そんな……。ここは……ブラックな……………………ブラックなココアでも飲もう……」