第22話 ドメイン
◇加蛇場 操文視点◇
エリカさんに協力の要請を行い、エリカさん自身を調べさせてもらっているノ蛇。
体調が悪くなるのは、風邪みたいな症状なん蛇ろうか。
咳もしてたしのぉ。
「のぉ、清銘、紬、風邪ってどうやって引くノ蛇?」
「え? 風邪?」
「暖かくして寝なかったり、寒い所にずっといたりしたらではないでしょうか?」
「あ、いや、メカニズム的なことを聞きたいの蛇ガ」
「あ、なるほど。そっちが知りたいのか。ウイルスとか細菌とかで風邪になるんじゃないの? インフルエンザのウイルスのほうで風邪になるよね。その辺りが有名だけど……」
「ふむ……。ウイルスか……。この世界にもそんなモノおるん蛇ろうか」
「って、ミサちゃんなら調べられるんじゃないの?」
清銘が自分の下腹部を触りながら言う。
「確かに……なノ蛇。ねっとユーザーエージェント・ヒューマンGPS…………なノ蛇」
座標を調べてっとなノ蛇。
「ねね、そのスキル使うときいつも思うんだけど、この世界にGPSっていうか、人工衛星ってあるの??」
「たぶん無いノ蛇。このスキル名は気分の問題なノ蛇。プログラミング言語にPHPっていうのが有ってのぉ。その中に、こういう関数というか……通じんよのぉ、……。構文……うーん、コマンドがあるノ蛇。なので、こういう風に言うと使いやすいノ蛇」
「使いやすさかぁ。なるほど~」
そうなノ蛇。自分にあったやり方が一番だと思うノ蛇。
喋り方もそうなノ蛇。
呼び方もそうなノ蛇。
読み方もそうなノ蛇。
それにしても……。菌ってどらくらい小さいノ蛇ろうか。1ミリメートルよりも小さいはずであろう。
よし、試しに、1ミリより小さい生物が何匹いるか数えてみるノ蛇。
紬ちょっとここに来てなノ蛇。
座標を調べた個所に紬だけにいてもらい、体の中に小さな生物が何匹いるか数えてみる。
「せれくと かうんと こめ ~~」
ふむぅ、
88,114,514,810,893
いくつなノ蛇これは、ひーふーみーよー、
88兆??
体の細胞の数をカウントしてしまったの蛇ろうか?
あれ、細胞の数って37兆くらい蛇ったような……。
まぁ、数はさておき、種類数をカウントしようなノ蛇。
「「せれくと かうんと こめ ~~」
489種類っと。
おつぎは、エリカさんにかけるノ蛇。
「「せれくと かうんと こめ ~~」
330種類。
むう? 減った?
清銘とレベッカさんにも掛けて……。
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体の中にいる生物の『種類』の数
紬 489
清銘 501
レベッカ 374
エリカ 330
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「エリカさんの体の中にいる小さな生物の種類は330種類近くいるノ蛇。この中から該当のするものを見つけなくてはならんのぉ。というか……、紬、清銘、レベッカさん、エリカさんの中で一番数が少ないのが、エリカさんなの蛇。逆だったり、レベッカさん+1だったりしたら、話は早かったの蛇ガ」
種類数の一覧をささっとメモして皆に見せるノ蛇。
「すごいわねぇ……。エネミーカウンターのスキルより、ずっとすごい事やってるわね。こんな数、エネミーカウンターじゃ絶対把握できないわよ」
「そうだな。すごいな。レベッカのすごいエネミーカウンターで無理なら、私のじゃ到底無理だな」
「まぁ、私、一応、スカウトだし、魔砲型剣士の貴方じゃ無理でしょ。って今は、神殿騎士か。一応」
なるほどのぉ。
エネミーカウンターなるスキルがあるらしいのぉ。
敵の数が分かるの蛇ろう。
冒険に出るなら欲しいとこ蛇のぉ。
「えっと……ミサちゃん。 これ生物って書いてあるけど?」
「ふむ、そう蛇ぞ。小さな生物の種類の数を数えたぞよ?」
「えっとね、ちなみになんだけど、ウイルスは生物じゃないよ?」
「ぬっ、そうなのかえ?」
ぬぅ、判定に生物かどうかを入れてやってたの蛇が、生物では無いという判定でもやらねばならないのか……。
どうしたものかのぉ。
なんか、三人で当たり前のように話していたが、他のみんなは微生物とか、菌とかウイルスとかの話は分かるの蛇ろうか?
異世界人は知らないと思うがどうなの蛇ろうか。
「ジャクリーン姫や、レベッカさん達は、微生物とか、菌とかウイルスって知っておるかのぉ?」
「小さい生物のことかのぉ? モンスターの蟻の方ではなく、虫の蟻などのことかのぉ」
「いえいえ、もっと小さい生き物のことですわ。見えないくらいの? 聞いたことある方いっらしゃいますでしょうか?」
「うーん、遠くの地方に冒険で出たときに聞いたのだが、なんでも、酒を発酵させるときに、『小さい小さい精霊が働いてくれる』って言ってた人達いたなぁ」
「あ、真菌である酵母はあるんだね」
「あ、なら、あれもそうじゃない? ポエタの家で見たんだけど、カビとかもその、微生物ってのになるのかしら?」
「風評被害です………………」
「それも微生物の一種ではあるかのぉ。わらわがいた国では、微生物をさらに、いろいろ分類して分けておるのぉ。うーん、どう分かれておるのやら」
「えっと、微生物っていうか、大きさにこだわらず、生物全体の話をするけど、5界説、6界説が有名かなぁ? 3ドメイン説ってのもあるけどこれはDNA的な分析になって来てるから、形質と分け方が、ぱっと見、『え?それとそれ一緒?』って感じになっちゃうから、今の話題では省いたほうがいいかな」
「3ドメイン説? DNSじゃなくてDNAか、ちょっと勘違いしたぞえ」
「操文さん。意味は分かりませんが……、話を逸らす時の顔をしてますわ、その話題は、今はメッなのですわ。速攻・閑話休題ですわ」
ぬぅ、紬の速攻魔法が出たの蛇……。
まったく、WWW.ドメイン.COMだというのになノ蛇。。
DNSといえば、IPとドメインを繋ぐ大事なモノ蛇というのに……。
アドセンス契約が重要だと思い、なのでドメイン名が重要と思い、Gスイーツに契約したの蛇ガ……。
「んで、5界説が分かり易いかな? モネラ界、原生生物界、菌界、あとはみんなよく知ってる動物、植物だね。菌界は真菌だよね、今話題に出てた。真菌といえば、キノコとカビ」
「溌剌ちゃんも博学ねぇ。博士みたい。二博士になっちゃうわよ。それで、キノコとカビって同じような物ってことなの? キノコ型のモンスターといえば、胞子を飛ばして眠らせてくるけど、あれのことよねぇ?」
「ふむぅ、そんなモンスターがおるのかぇ」
さすがは、異世界なノ蛇のぉ。
「キノコってカビの子実体、Fruiting bodyなんだ。フルーティングってそのままの意味で、フルーツのING系だよ。イメージ掴めると思うんだけど」
「確かに掴めますけど、食欲が無くなりそうな話ですわ……」
「ようするに、ポエタの家にいるのは、マッシュルーム騎士っていうモンスターの仲間なワケね」
「風評被害です……………………」
ポエタさんは、レベッカさんによく弄られるのぉ。
「で、原生生物っていうのは、藻とか――毬藻の藻ね。昆布とかアマノリ――海苔とか、比較的人間の役に立ってそうなイメージがあるね。まぁ、あと、繊毛虫やゾウリムシもいるけど、今の話題からすると宿主になる程度で悪さはあまりしないから気にしないでも大丈夫かな」
「ほむふむ、清銘はほんと博学じゃのぉ」
「で、プロブレムが大きいのはモネラ界なんだよね。サルモネラとかって聞いたことあるでしょ? 細菌はここに含まれるんだ。サルモネラについてちょっと説明するけど、というか、食中毒性サルモネラ絞って話をするね。その方が皆の生活に関係性が高いからね。食中毒性サルモネラは、日本だと主に、鶏肉や鶏卵で問題になるんだけど、鶏卵のほうについて話すね。昔は、卵を産むときに卵が食中毒性サルモネラに汚染されるって思われてたんだけど、近年に分かったんだけど、ニワトリの卵巣や卵管に寄生してて、卵の中に食中毒性サルモネラが入ってる事がありえるの。さらにやっかいなのは、そのニワトリが生んだ雛はちゃんと生まれて来て、その雛は生まれながらに感染してるの。またそのニワトリが育ったらそのニワトリが感染源にあることもあるんだ」
「ふむふむ」
「まぁ、でも、体に入らないことに越したことはないけど、人間の免疫力は強いから、少しの食中毒性サルモネラが卵から人体に接種したとしても、免疫力が食中毒性サルモネラをやっつけてくれるんだ。まぁ、基本的に食中毒性サルモネラは熱にとても弱いから、卵は温めて食べることが推奨されてるんだけど、日本人って生卵好きだよね。っというか、日本以外じゃ危なくて生卵食べられないんだけど」
「ふむ、まぁTKGは好きなノ蛇。わらわは日本人、蛇からのぉ」
「私は、庶民の食べ物はあまり食べませんの…………」
「ん? 貴方たちって別々の国から来たの?」
レベッカが気になったのか質問をする。
「あれ、すいません。勘違いさせるようなこと言っちゃいましたか。私達三人とも同じ国から来ました」
清銘はレベッカに答える。
「そうなのね」
「で、話を続けると、食中毒性サルモネラは卵の中にいる状態だと、増えないのだけど、卵から出ると増えるの。だからこそ、熱することが推奨されてるのね。この増えるのは、気温が高く無くても増えるから、冷蔵庫や冷凍庫の中に入れておけば安心って考え方は危険なの」
「そうなの? 清銘さん。昨今のレシピサイトなんかに、生卵を使ったアイスクリームを作るレシピなどがありますけど、生卵を撹拌して、生クリームなどと混ぜて冷凍庫に入れますけど、あれは危険なのでしょうか?」
「うん。危険だね。冷凍庫に入れる前にいったん熱したほうがいいね。そのサイトには注意が必要だね」
「ふむぅ、SNSでも冷凍の卵が流行っておったな、確かに危険性についても言われてたと思うノ蛇」
「まぁ、だいたい伝わったと思うけど、卵の中から出て来たら、危険性が増えてくんだ。世界ってたぶんそういう風に出来てる……。っと、まぁ所感は置いておいて、卵には気をつけようって話。まぁ、でも日本は他国に比べたら食の安全は良いからね。これがUSAだと、リステリア菌っていうのがあって、とても危険な菌なの。食中毒の原因にもなるし、妊婦が感染すると、母子ともにとても危険にになるの。流産の危険性や、出産後の死亡もよくある話なの……」
ちらりと、みんなの視線がエリカさんの方へ向く。
「あ、でも、ここでは、そんなモノがあるかどうか分からないし、リステリア菌も熱にすごい弱いから、加熱すれば大丈夫なんだよ。まぁ、あまり細かい部分を言ってもキリがないから、細菌全般の話に戻るね。んで、細菌と菌って言葉は似てるけど、これは日本語のせいなのかな……。細菌はBacteriaで、菌というか、真菌はfungusだから、全然別物なの。真菌のこと纏めてざっくりと説明しちゃうけど、キノコ、カビ、酵母、粘菌だね。たぶんスライムも粘菌なんじゃないのかなぁ」
「清銘おねぇちゃん、物知りなのです~。まだ小さいのにすごいのです~」
清銘の膝の上のマリナちゃんが清銘を褒め上げてるのぉ。
で、お返しとばかりに、清銘はマリナちゃんの頭を撫でるノ蛇。
いいのぉ……羨ましいのぉ……。
それを、優しい目で見つめる、エリカさんは、母の目をしておるのぉ。
それもそれで、羨ましいのぉ。
あ、ちなみに、マリナちゃんは勘違いしてるかも蛇が、わららも、紬も清銘もジャクリーン姫も同い年の14歳なの蛇ぞ…………。
「で、さっきも話が少し出て来たけど、真菌の中には酵母があって、これは、お酒を造るのにとても重要だよね」
「ねね、溌剌ちゃん。私、聞いたことあるんだけど、ある地方でお酒を造る時に、なんだっけかな……、そう、米だったかな。それを口で噛んで吐き出して、お酒を造るって聞いたことあるんだけど。これって、その酵母っていうのが、口の中にいて、というか口の中に微生物っていう生き物がいるってこと??」
「そうなりますわよね。君の名はレベッカさんですわよね」
「なんで名前を聞いたの蛇?」
「話が逸れるから気にしないでくださいな。操文さん」
ぬぅ、またもすぐに会話を止められたノ蛇。
今度はカウンター罠かえ?
「あ、いや、そういう訳ではないんだ。んとね、デンプンを糖化させる為に唾液中のアミラーゼを使うだけなの。噛んだ後、たぶんその辺に放置しておくんじゃないかなぁ? そうすると、野生の酵母がどっかからやって来れば、上手く発酵していくんだと思うんだけど。でも噛む人は健康体のほうがいいと言われてるんじゃないかな。好ましくない細菌や真菌が混じると上手くできないだろうし。まぁどっち道ほとんどはアルコール発酵しちゃえば、滅菌されちゃうね」
「アミラーゼ問題……なノ蛇」
はっ、また関係の無い話を出してしまった……ノ蛇。
「その角で、ドラゴンの鱗を溶かすと言われている『アルミラージ』か?」
「いやいや、セリアさん。『アミラーゼ』なの蛇」
ここは、同じくボケて来たセリアさんに突っ込んで誤魔化すノ蛇。
「関係ない一角ウサギのモンスターの話を出して来てもしょうがないでしょう。モンスターの話ばかりをしたがるのねぇ。これだから、冒険者脳の人間は使えないわねぇ」
「くっ……殺せ」
「はいはい、そこ、コントはやめて、あとセリア、話が逸れるからやめて」
何故、あそこで、セリアさんが注意されるの蛇ろうか。
あと、モンスターの話は、レベッカさんが先に出したような?なノ蛇が、まぁ突っ込むのは野暮ってもん蛇ろうて。
「でね、さっきも言ったけど、問題が大きいのはモネラ界のモネラ――細菌だけど、別にそれだけが危険って訳じゃないんだ。例えばクーラーから出るカビとかでも、風邪と同じような症状になるから、気を付けないといけないのね。動物でいうと、微生物になる、線形動物なども、人の体に入る、小さな虫だよね。これも体に問題を起こすことがあるね。他にも、回虫――有名なところだとアニサキスとかかな。や、鞭虫、こっちもお腹が痛くなったり、下痢の原因になったりするし、何が言いたいかというと、界というかドメインに関わらず、人間の体に害を及ぼす生き物はいるってことを忘れてはならないんだよね」
「「「「「ふーん」」」」」
難しくなって来たのノ蛇……ついて行けるかのぉ……。
紬の様子を見てみると……、視線がマリナちゃんに集中しちゃってるノ蛇……。
まったく、まじめに聞けなノ蛇。
「逆に、人体の中、お腹の中にいるからって、必ず悪さをするって訳じゃないんだよね。ほら、この前も話したサナダマルだっけ? 人に対応して進化したサナダマルは、かなり大きいけど、人にはほぼほぼ無害なんだ。危険なのは別種に対応して進化したサナダマルで、こっちは良くない部位で寄生したりするから、害が出るんだよね」
清銘がまた自分の下腹部を触りながら言っておるの。
あのポーズが何気に好きなの蛇ろうか?
「ですから、それはサナダマルじゃないですわ……。語源は関係あるかもしれませんが……」
ちゃんと聞いてたよう蛇のぉ。
「でもね、やっぱり危険視をしとくべきは、今は、モネラだと思うんだよね。あ、あと、ウイルスもそうか。生物じゃない危険な物も勿論あるよね。まぁ、ABC兵器で考えると、ウイルスはBに入るから、細菌と同じ、扱いにはなるよね。あーあ、『B』ってアルファベット好きなんだけどなぁ、Bが付く三人の女の子好きなんだよ……。でも、『B』っていうと、B兵器を思い浮かべるような、そんな世の中になったら、嫌なんだよなぁ」
『B』って言ったら何があったかのぅ、血液型とかかのぉ。
バスケットのリーグはわらわはオーソドックススポーツはあまりやらんからのぉ。
胸囲についてはストレスになるから考えちゃいかんノ蛇。
「はたまた、エッチなことはよくわらんしのぉ」
「なんか言いました? 操文さん?」
「あっ、何も言って無いノ蛇」
口に出てたノ蛇。
危なかったの蛇。
「あ、ごめんね、話が逸れたよね。要するに、今、着目すべきは、症状が風邪っぽい症状だから、細菌とウイルスに着目すべきって言いたかったんだ」
「ふむぅ…………ノ蛇」
まさしく、地球で考えたら、そうなの蛇ろうけど、ここは異世界だからのぉ。
清銘は、異世界というモノをどのように考えておるん蛇ろうかのぉ?
地球人の体の中には100兆個くらいの微生物がいます。
人間自身の細胞は体重70キロで37兆ほどと言われてますね。




