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第20話 エレメンツ・アトリビュート ・プロパティ

「書けたノ蛇(のじゃ)~~。みんな見てたもれ」

 いきなり操文(ミサヤ)が声を上げて、皆に紙を見せる。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

  ┌―→  火  ――┐

  │         ↓

  水         土

  ↑         │

  └――  風  ←―┘


   光⇔闇

   

   

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あっ、なんか空気読めなかったかのぉ? すまんノ蛇(のじゃ)。不味かったかのぉ?」


「たぶん、気が落ち込んでると良い発想が出てこないのじゃ、だから大歓迎なのじゃ。それに、どんな情報でも欲しいのじゃ。何でも発案して欲しいのじゃ」


「先ほどの話を聞いていて、属性に関する話を纏めたノ蛇(のじゃ)が、これで合っておるかのぉ? レベッカさん」


「うん、合ってるわ‥‥よ? えっと、この光と闇ってのはどうなんでしょう? 確かに聖なる武器で邪悪な敵にダメージを与える時はダメージ強くなりますけど、邪悪な者の攻撃を聖なる者が受けた時に、ダメージが増えるのか、減るのかについては、ちょっと、どっちなのかあまり聞かないわねぇ。たぶん、そういう戦いが少ないのね。A級冒険者が年に何回かこなす程度でしか無いのでしょうね。だから情報があまり入って来ないわね。冒険者ギルドにも」


「確かに、私も長年冒険者をやっていたが、これについては知らないなぁ。神殿テンプル騎士ナイトをもっと長くやっていれば知ってたかもしれんが、最近始めたばかりだしな。ポエタは教会勤めだから知ってるんじゃないか?」

 と、セリエが付け加える。

 

「すいません。私も、聖歌隊で歌ってただけなので、あまり知らないです……」


「ちっ、やっぱ、この教会コンビいつも肝心なとこで約に立たんな……」

 誰かがぼそっと言う。

 

「何よ。貴方だって、冒険者ギルドに長年勤めていながら知らないじゃないの!」

 いろいろ溜まってるのか、ポエタの口調が強くなる。


「いや、それは、冒険者ギルド自体に情報が入って来ない訳であって、私の(せい)じゃないわ。それよりも、除霊をメインでやってる教会関係者が知らない方が問題あるんじゃないの?」


「どうも、貴方、なんだかわかんないけど、やけに、ここ最近突っかかって来るわね。私、何かした?」


「夢を壊した…………」


「え?」


「ちょっと、二人とも、意味の無い喧嘩するな。みんなが見てるぞ。若い子たちの教育にも悪い」

 『私って場を(おさ)める能力あるなぁ』という顔をしながらセリエが、レベッカとポエタの言い合いの仲裁に入る。

 

「で(じゃ)。こっちの紙、4枚も見て欲しいの蛇ガ(じゃが)

 操文(ミサヤ)が頃合いを見計らって、話に割り込む。


操文(ミサヤ)さんって、清銘(キヨメ)さんに負けず劣らず、物怖じしないですわね」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


倍率を%で表示


防御属性LV1

  火  水  風  土  光  闇

火 025  050  100  150  075  100

水 150  025  050  100  075  100

風 100  175  025  050  075  100

土 050  100  150  025  075  100

光 100  100  100  100  000  125

闇 100  100  100  100  125  000



防御属性LV2

  火  水  風  土  光  闇

火 000  025  100  175  050  075

水 175  000  025  100  050  075

風 100  175  000  025  050  075

土 025  100  175  000  050  075

光 100  100  100  100  -25  150

闇 100  100  100  100  150  -25



防御属性LV3

  火  水  風  土  光  闇

火. -25  000  100  200  025  050

水 175 . -25  025  100  025  050

風 100  175 . -25  025  025  050

土 025  100  175 . -25  025  050

光 100  100  100  100  -50  175

闇 100  100  100  100  175  -50



防御属性LV4

  火  水  風  土  光  闇

火. -50  000  100  200  000  025

水 175 . -50  000  100  000  025

風 100  200 . -50  000  000  025

土 000  100  200 . -50  000  025

光 075  075  075  075 -100  200

闇 075  075  075  075  200 -100


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「「「「「「これは!!」」」」」」


「すごいねぇ。ミサちゃん。これどうしたの?」


(のぞ)いて、書き写したノ蛇(のじゃ)


「よくわかんないけどすごいねミサちゃん!!」


「えっ、その説明でいいのかしら?」


「いや……、詳しく説明して欲しいのじゃが…………」

 ジャクリーン姫が、申し訳なさそうに説明を求める。

 

「まず、確認なの蛇ガ(じゃが)、例えば火属性が3の敵に、火の魔法を使うとどうなるの(じゃ)?」


「火属性が3か……。火山地帯で野生の火トカゲ(サラマンダー)と戦ったことがあるが、あれは手ごわかった……。が、あれに火魔法なんて試さんしなぁ。見るからに効かなそうで……」

 セリアが答える。

 

「相変わらず、身の無いこと言うわねぇ」

 レベッカがちゃちを入れる。


「まぁでもイメージは掴めた。実際には見たことが無いが、火属性が4と言われているイフリートに火炎の魔法を当てても確かに回復しそうだ」


「確かに、大規模レイドでのイフリート討伐でそんなことしてる人いたら、冒険者の資格が剥奪(はくだつ)になるわね」


「この表からすると、イフリートに火魔法をぶつけると、本来与えるはずの基本ダメージの半分くらいを回復させてしまうということになるのか。なるほどな。そんな感じだったのか。確かに……土属性1だったスモールマンドラゴラより、土属性3のビッグマンドラゴラを相手にしたほうが、火魔法の手ごたえが有ったな…………。こんな定まり(さだまり)になっていたのか……」

 セリアはとても納得した顔で言う。


「でも、博士(はかせ)ちゃん。この表ってどうやって調べたの? 冒険者ギルドの情報にもこんなにはっきりとした物は無いわ。どこで聞いたのこれ?」


「今、調べたノ蛇(のじゃ)……。なんと言うかなの(じゃ)が、世界のありとあらゆることが調べられる図書館みたいな物を、覗けるノ蛇(のじゃ)


覗秘(しひ)ね。そういえば持ってたはね。そんな、感じの見たことないスキル。私ですら聞いたこと無いからね」


「えっ? 『ですら』とか言ってるけど、お前そんなに詳しいのか? っていうかちゃんとギルド職員やってたのか? ほんとに?」

 セリアが妙に突っ込む。

 

「なんで、貴方は私がそんなにちゃんとギルド職員をやって無いと思ってるワケ?」


「えっ、だって、私が仕事の説明をしてもらった時、仕事ぶりがめちゃくちゃ酷かったじゃないか。間違った依頼内容の説明を受けて、とても困ったことがあったぞ。三回も」


「あのころは‥‥‥‥‥‥いろいろあったのよ…………」


「白鳥のバタ足?」


溌剌はつらつちゃん、それ、貴族の用語なんでしょ? よく分からないのよ、その表現」


「あっ、いえなんでも無いです……」


「もう、話が()れ過ぎよ。セリアが話し合いに混じると、すぐ話が逸れるんだから」

 ポエタがセリアに注意をする。

 

「え、今の私の(せい)なの??」

 セリアが納得のいかない顔をする。


「はいはい。いつもの言い訳はいいから、えっと、操文(ミサヤ)さんでしたっけ? その『覗秘(しひ)』ってスキルが使いこなせるのね」

 ポエタが、それが自分の仕事だと言わんばかりに、閑話休題をする。


「そうなノ蛇(のじゃ)。それの使い方がなんというか、昔から身についていて(じゃ)な、いろいろわかるノ蛇(のじゃ)


「すごいな本当に」

 オスカーが感心する。魔法には関心が深い様子を見せる。

 

「では、魔王の呪いについてもわかるのか?」

 サフィアーが、期待を込めて操文(ミサヤ)に質問をする。


「うーん、それはまだ、ぜんぜん分からんノ蛇(のじゃ)。情報の種類が多すぎて、どの情報が『魔王の呪い』のことなのかが分からんノ蛇(のじゃ)……。調べるのにはもっと時間が欲しいの(じゃ)


「確かにそうだよな、無理を言ってすまぬ」

 サフィアーが礼儀正しく謝る。


「特に実際に、症状が出てる人を調べれば、糸口が見つかって行くと思うノ蛇(のじゃ)がのぅ……」


「それじゃエリカさんに協力をお願いして……。あっ、エリカさんって妊婦だけど大丈夫なのかなぁ。まずいかな」

 清銘(キヨメ)が逡巡する。


「そういえばなのじゃが、あの場では指摘しなんだが、エリカ殿の天命がすごく下がっておったの……。あそこに表示されていた、数値はおそらく『天命』の値じゃろう?」

 ジャクリーン姫が思い出し方のように、操文(ミサヤ)に質問をする。

 (第十七話参照)

 

 コクリと頷く操文(ミサヤ)

 

 場にうっすらと、沈黙が走る……。

 

「まぁ、大丈夫じゃろう。我らはそれなりに、ポーションを持って来ておる。ジョージ殿との契約には、ポーションでの援助も入っておる。エリカ殿もなんとかなるじゃろう」


「「御意」」


 場のフインキがよくなる。

 

「そういえば、エリカさんといえば、お腹の子供。光属性で2だったよね。それに、二人いたし、双子ってことでいいんだよね。ミサちゃん?」


「そうでしたわね。おそらくそうなるんじゃないかしら? お腹に双子がいることが、触ることすらせずに分かったり、その子たちの属性も分かったり、下手なエコーの装置よりもすごいんじゃないかしらねぇ、操文(ミサヤ)さんって」


「うむ、明日からもっと調べさせてもらうから、もっといろいろ分かるかもしれんぞな」

 操文(ミサヤ)が好奇心が込められてかのような口調で、少しだけ嬉しそうに話す。


「双子……。光属性……。これは、もしかしたらなのじゃ」

 ジャクリーン王女がぶつぶつと何かを言う。


 こうして、会議は踊らず、明日からの方針も決まったようだ。

 みんな明日の為に休む準備をするのだった。

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