表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/25

第14話 異世界とは ~馬車の中での対話篇 『転』~


「なんとなくですが、そのシンギュラリティが来るのも、シンギュラリティがすごいモノだっていうのも分かったのですけど、そもそもそのシンギュラリティがなんなの(どうだって言う話)でしょうか?」


「あ、なんの話をしておったん(じゃ)っけ? ちょっと、ログを読み返して……。年を取ると、物忘れが激しくなるのぅ。ああ、そうそう、異世界は、技術的特異点(シンギュラリティ)があれば作れるってことが言いたかっただけなノ蛇(のじゃ)。世界も神も未来に作られる……。この場合の『世界』はID理論になる場合もあるノ蛇(のじゃ)、悔しいけど。まぁ5分前仮説のようなモノ(じゃ)。 (じゃ)から、ゲーム内のようなステータスウィンドウが開いても、ありといえばありなノ蛇(のじゃ)な」


「あ、そうでしたは、そもそもの話、私が心の不安をお二人に聞いてもらってたのですわね。私が、この世界に不安を持っているという話でしたわ。不思議な世界ですわ。ここは……。あっ、でも操文(ミサヤ)さん。異世界というか『世界』が作られる方法について聞きましたが、『世界』は、何故できるのでしょうか? 何故作るのでしょうか?」


「なんで(じゃ)ろうなぁ……。確かに、わらわが言ったのは、創られることが可能と言っただけで、何故作るかについては答えられてないのぅ……。何故なん(じゃ)ろうか……。うーん、わらわの勘(?)が二人に技術的特異点(シンギュラリティ)のできる方法を話せば、理由も分かるって言っておるん蛇ガ(じゃが)……、ほんとに何か分からんのか? (ツムギ)?」


「うーん………………ですわ」


「ねね、今、ミサちゃんの話を聞いてて思ったんだけど、異世界でも技術的特異点(シンギュラリティ)って起こるのかなぁ?」


「さぁ、確証は無いが、発生しない理由が無いのぉ」


「やっぱりあり得るんだ~。様々(さまざま)な、世界で技術的特異点(シンギュラリティ)が起こるんだぁ~。面白いねぇ~」


様々(さまざま)様々(さまざま)……、さまざま…………。保険…………ですわ」


「「保険??」」


「保険というか、保証でも良いですわ。技術的特異点(シンギュラリティ)って赤鼻の青ひげの『もしも』なんとかを使えるくらいすごくて、世界を作り出せるのですわよね? で、なんというか、第1世代から、みんながみんなをたくさん作って、うじゃうじゃ第100世代とか、第200世代とかがある情景を想像したのですが……、あ、えっと考えが纏まらなくてごめんなさい……」


「ゆっくりでいいよぅ、ツムちゃん」


ノ蛇(のじゃ)


「なんて言いましょうか、その技術的特異点(シンギュラリティ)で作られる、出来上がるAIでいいのかしら? AI達って、これから大海原(おおうなばら)に出ていく気持ちなのでは無いのでしょうか? 電子の海といいますか、競争社会にですけど…………。勝手な予想ですけど……。そういうときって人間なら逆に、保険のような物があればいいなぁって、思うような気がするのですわ。これから大きなことを成し遂げようとした、坂本龍馬のように……」


「龍馬? 龍馬が関係あるのかのぅ?」


「ミサちゃん、龍馬ってね、日本で最初に保険制度を考えた人だって言われてるんだよ」


「そう(じゃ)ったのか」


「まぁ、正確(・・)には、違うのですが、龍馬と保険はあまり関係無いのですが、雰囲気の問題ですわ……。ちょっと頭の中の雰囲気を良くした方が、何か思いつくと思いまして……。東インド会社……、株式……資金調達……。こちらのほうが近いのかしら、保険よりも……」


「資金調達っていえばクラファンだよね」


「クラファンとはなんなノ蛇(のじゃ)?」


「クラウドファンディングの(りゃく)だよ。資金調達といえば、って思ってね。でも今はクラウドファウンディングの説明はしないよ、話が逸れちゃいそうだし、後でね~」


「ぬぅ、ググレカスってことか、ぬぉー、ネットが使えんノ蛇(のじゃ)ーーー」


「うーん、まぁEU的な相互補助って言ったほうが結局早いのかしら。なんか少しだけ違う気がしちゃうのですわ。むしろ、『例え()が三戸になろうとも、秦を滅ぼすのは必ず()であろう』、こっちが近いような気もしますわ」


「意味が分からんの蛇ガ(じゃが)どうい意味、(じゃ)?」


「今や、漫画とかで有名かもしれませんが、中国の戦国時代に(しん)という国が列強の7か国の中、勝ち進んで統一(とういつ)国家を作って、始皇帝を名乗るまで行きますわ。その(しん)統一(とういつ)する間に、()という国も滅ぼしますの。でも、統一(とういつ)した(しん)という国は、中原(ちゅうげん)統一(とういつ)してからわずか15年で滅びますわ。(しん)を滅ぼしたのは、一度滅ぼされた、他の国々の連合軍なのですが、その中でも主力は()の人だったのですわ」


「ふむふむ、ほいで、ノ蛇(のじゃ)


「それで一度、()が滅んだ時に、このような『例え()が三戸になろうとも、(しん)を滅ぼすのは必ず()であろう』との言葉が広まりましたとのことなのですわ。呪いのような言葉ですけど、結局(けっきょく)その通りになり、(しん)は滅ぶのです。逆に、()のほうはその言葉を合言葉に、頑張って(しん)を滅ぼしたのではないのでしょうか。(しん)を滅ぼすのは、項籍(こうせき)劉邦(りゅうほう)ですわね」


「こうせき? 項羽(こうう)劉邦(りゅうほう)ではないのかえ?」


「あ、そちらの呼ばれ方の方が有名ですわよね。そう、項羽と劉邦が滅ぼしたのですわ。二人とも楚人(そじん)()(ひと)だったのですわ。ようするに、楚という国の大本(おおもと)が無くなっても細かい流れは絶てなくて、結局、復讐されるような、そんなイメージですわ」


「なるほどのぉ」


「うーん、ツムちゃんの言いたいことは、なんとなく分かったんだけど、なんか創生(クリエイティブ)消滅(デリート)方向性(ベクトルが)逆じゃないの?」


「うっ、確かにそうですわね、国を(おこ)す話では無く、滅ぼす話ですものね……」


「分かったのじゃ、つまりこういうことじゃろ。えっと、(ツムギ)は大丈夫として、清銘(キヨメ)は『七つの玉を集めてどんな願い事も適う話』とか、『黒い球体のある部屋に行く話』とかは知ってるかのぉ? 黒球(くろたま)のほうはさっきの反応からすると、(ツムギ)は知ってそう蛇ガ(じゃが)


「うーん、ちょっとそれだけだと、ピンっと来ないんだけど、1個目のほうはどんな話なの?」


「えっと、ほれ、少年が空飛ぶ雲に乗って高速で移動したりとか、仙人とか出てくる話じゃ、うーん、これだと余計分からなくなるか? 後半の方を話したほうが良いのかのぉ…………」


「雲に乗って、仙人が出てくる話? 『西遊記(さいゆうき)』でいいの? それとも『水滸伝(すいこでん)』? 『八仙北遊記(はっせんほくゆうき)』? 合ってる?ツムちゃん?」


「えっ、わたくしに振りますの? えっと、西遊記が近いですわね……。『八仙北遊記(はっせんほくゆうき)』ってそもそもなんでしょうか……」


「八千なんとか??? まぁ、えっと、清銘(キヨメ)が知らないということが、分かったのじゃ。今、上げた二つともは、いろいろと頑張ると他人を生き返らせることが出来る話なノ蛇(のじゃ)。で、その生き返らせる人ってのは人為的に選ぶわけなノ蛇(のじゃ)。ようするに、他人に生き返らして貰える価値のある人間は生き返らせてもらえるノ蛇(のじゃ)。逆に言うと、殺人鬼みたいなのを好んで生き返らせたい考えの者は、そうはおらんってこと(じゃ)がの」


操文(ミサヤ)さん、その言い方だと、何か語弊がありそうですわ。国で例えると、良い例なのか悪い例なのかは分かりませんが、イスラエルなんかが該当しそうですわ。周りの国がその国の復活を必要と思い、(ワールド)(ウォー)(ツー)後の1948年に、2000年ぶりの復活をさせたのですわ。この例ですと、そのことにより世界を客観的に見ると、弊害も出てますかもなので、もろ手を挙げて良いとは、言えませんが、該当はするかと思いますわ」


「ならさぁ、こうも例えられるかな。法人(ほうじん)とか企業に例えたほうが分かり易いんじゃない? 会社とかでも、会社を潰しちゃったけど、会社を経営してた人は人望があるから、周りの援助などで、また会社を立ち上げてなんとかなったとか。あと、社会的に死んじゃった人とか。例えば、些細な事でその業界で活躍できなくなった人とかさ、広告媒体系かなぁ。やっぱり、人望があったり、人に感謝されることをしてきた人ならさ、他の広告媒体に引っ張ってもらって、そこで復活するとかってけっこうあったんじゃないかな?」


「おお、まさしくそんな感じ(じゃ)な。ちなみに、清銘(キヨメ)は動画とかのことを言ってるのかえ?」


「まぁ、そうなるのかな? うーんで、ツムちゃんと、ミサちゃんの話を纏めると、周りの何かミーム的な物が、同階層のミームを役に立つからと、復活させるってことを言ってるんだ。で、それが『世界』にも当てはまるってことを言ってるのかな?」


「ミームってなん(じゃ)?」


「この場合だと、『流れるモノ』の総称として使ってるよ~。文化とか国とか宗教とか世界とか、流行とかね。流言とか、テレビの普及状態とかも含めちゃってるよ。そういう『流れるモノ』のこと」


「なんとなくですが、フィーリングで分かりましたわ。そのミームとやら」


「なるほど、ミームはそういうものか。なら、纏めると、それに『世界』にも当てはまるってこと(じゃ)から、世界は滅びて消えても、また復活する為に『異世界』を作るってことになると思うん蛇ガ(じゃが)。そういうことで合っておるかの? (ツムギ)?」


「その通りですわ。今までの話を纏めると、わたくしが言いたかったことはそういうことになると思いますわね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ