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朗の「アルノルフィーニの夫婦の像」の絵の見方

作者: 小財 明

朗は令和二年の実施が最後のセンター試験の世界史Bの問題に朝、熊本日日新聞、朝刊を眺めて、気が向いたので、少し目を通した。


神話の世界や中世の時代の設問が、朗の受験生時代と違って、神話の時代その物というより、現代と結びつけられて、「生きた時代」として問題設定がされているような印象を強く受けた。


問題の絵である。「アルノルフィーニ夫婦の像」である。第一題に使われている絵である。見ように依らずとも、まだ若い夫婦の絵で、女性は身ごもっている絵である。


ごく冷たい無機質なものを男性からは感じるし、男性に手をとられている女性もあんまり嬉しそうな表情を浮かべていない。


「愛」という強い気持ちがなくては、夫婦生活は上手くいかないよ、

たとえ魔法使いを思わせるような若い男性が魔法を使いたくとも例えば燭台などの「より大きな力」の前には魔法を使えず、印を結ぶのをはばまれている様子が描かれている。


そういうものに頼らず、真面目に生きた方が良いよ、と何となく、魔法を使おうとした男性を冷たく描くことで、男性をたしなめているように見える。


15世紀のグーテンベルクの活版印刷技術の発明は「知の技術」、本を市民に広め、市民革命を準備した。中国起源であり、科学が呪術の世界に優位を持ち、市民万人が公平に富を獲得できる生き方を切り開いた。


歴史とは一過性のものではなく、新進性だけが歴史の進み方ではない。


立ち止まることもあれば、淀むこともある。淀んでいる時に、朗はそう思うのだが、現在が淀んでいる時期なのだが、グーテンベルクの活版印刷以来の画期的な発明、インターネットを越える、というよりインターネットが功罪という点からいうなら、明らかにしくじった、大失敗という結果を無惨に残しつつ歴史からコミュニケーションを駆逐した大犯罪者として残る、現在、大学生は勉学に励む機会に巡り会えています。先ず、明日のコンパ代を浮かせるのが一番。酒は飲みたくなかったら上手に断ること。サークルに入るのが二番。気持ちを共にする仲間とパンケーキを共に食べ合う鍵となるような恋愛を出来ると楽しそう。


まずは恋。


朗は自分の学生時代がどうであったか振り返ってみた。


二人の女の子と付き合って、割りと続かず、別れた。


はじめて、女性とデートしたが、緊張こそしなかったが、上手くいかなかった。でも、今となっては良い思い出であり、その娘の名前は田代さんと言った。勝ち気そうな子で、デートの時に、水色の爪のペティギュアをしていたことを思い出す。


兎に角楽しい思い出である。


二人の女の子は気立ては良かったが、あまり鮮烈な印象はない。こちらが振ったのが一人と振られたのが一人である。この話には出てこない。


田代さんはよく笑う子であり、デート中よく笑っていた。しかめっ面をしていた。生き生きしていた。元気一杯だった。アパシーにかかっていなかった。それは私や母もそうである。


田代さんはよさこい音頭のサークルに入っていて、新座市で開かれた大会に出た。


田代さんは有り体に言って美人と言ってよく、初めてのデートで映画を見た。


その後、新宿歌舞伎町の「マクドナルド」で、フライドポテトを食べた。


熊本という田舎出の大学一年生のありふれたデートだった。



良き思い出というのは、大方において楽しい思い出である。


物事はなぞだらけ。人の心は年を重ねていって、はじめてわかるようになるもの。


上手に年を取るコツは逆らうべきときに逆らうこと。


謝るべきときには謝り、軌道修正をすること。


万事に慎重なれ。


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