幕間2 国王の苦悩と帝国からの手紙
出来ました。長くなったので分けました。
もっと早く判断してたら、投稿も早かったんですけど…… (-_-;)
11月12日、スペース、改行を増やしました。
時間は、少し巻き戻る。
イルミア王国国王の居る下に、新たに産まれた赤子の報告を持って兵士が現れた。
その赤子は、闇属性であり、そして他に比類なき多大な魔力を持って、この世に産まれた女児だと。
国王は悩んだ。
産まれたばかりで、何も物事を把握していない、今の内に、殺し処分するか?
闇属性である事を秘匿して、貴族、国民に知らせず育てるか?
どちらにしても、苦しい選択だ。
闇属性を持って産まれた赤子は、例外にもなく、悪魔の干渉により魔人になると聞いている。
ならば、王国に被害が出る前に処分するしかあるまい……
そう決断した国王は顔を上げ、心配そうに自分を見ている三人の子供達を余所に、発言をする。
側近の近衛兵の一人に赤子の処分を命じ向かわせ、宰相には、国民には「産まれた姫は死産」の発表を命じた。
また、この事に関わり、報告を聞いた全ての人物には箝口令を告げた。
国王は、王妃の下に向かい、周りにいた助産婦や侍女達にも箝口令を告げ、王妃に労いの言葉かけ、共に悲しんだ。
翌日、処分を命じた側近の近衛兵アデオス・ローグが赤子を連れ出した後、王城、王都から姿を消したと、国王は報告を受けた。
それから、二週間が経った王城、国王のに一通の手紙が届いた。
手紙の相手は西の帝国、ミハイル帝国帝王レオハルト・フリード・ミハイルからの手紙だった。
「なに?ミハイル帝国、帝王からの手紙だと?」
宰相から報告を受けた、国王は手紙を受け取った。
「はい、こちらが、その手紙にございます。
筆跡鑑定、魔法鑑定をかけ、共に間違いないと」
「ふむ」
国王は受け取った手紙を開け、中を読み始め、先が進むにつれ、顔をしかめていった。
やがて、手紙を読み終わった国王は、宰相に手紙を返し、読んで見ろと言った。
「こ、これは……」
手紙を読み、驚いた宰相に国王は
「箝口令は間違いなく告げたのだな?」
「は、はい、それは間違いなく……」
「では、ヤツはどうやって?……間者が居たのか、それとも?」
少し悩んだ国王は、宰相に問うた。
「消えた近衛兵、確か名はアデオスと言ったな?」
「はい」
「ヤツが間者という事は?」
「いえ、それはありません。
あの者が消えた時点で、身元、経歴等確認しております」
「ふむ、そうか……ならば、その事は、その手紙に描いてある通り、ヤツが来るのを待つとしょう」
「は、では、城の者達に通告を致します」
「うむ、頼んだ」
宰相が頭を下げ、この話は終わった。