最終章 4 ガイ親子の対決
出来ました。
なかなか大変でした。
何回、書き直した事でしょう。
今回より、読みやすくする為、今までと、少し書き方を変えました。
例
此れを、其れは → これを、それは とか。
まあ、簡単に言えば、漢字変換を少なくしました。
あと、話の改行も増えています。
これで、読みやすくなれば良いんですけど。
どうでしょうか?
では、どうぞ
ガイは、思っていた以上に、苦戦をし、肩を上下に息を少し荒げている。
「ふう……勇者が、手を加えただけあるな?
ここまで、戦えるとは、思わなかったぞ」
ガイが、レイに、笑う。
「なにを、強がり言っている。
もう、父さんの攻撃なんて、僕には、通じないぞ」
「そうか?」
ガイは、さらに嬉しそうに、笑う。
戦闘が始まり、ガイがレイに、ルイがランに、対峙した。
レイは速攻で、ガイに詰め、右手に持つ剣を振り下ろす。
「ヌンッ!」
ガイは焦らず力を込め、筋肉が膨張した左腕で、レイの剣を、刃を受ける。
膨れた筋肉は、鋼以上の硬度を持ち、レイの鋭い刃は跳ね返した。
それでも、ガイの腕は薄皮が切れ、血が滲み垂れ流したが、ダメージは無かった。
「……ほう、切れたか」
ガイは、感心した。
以前の、レイなら切れず、筋も残らなかったのに、レイが腕をあげ、成長した事に喜びを感じた。
「まだだっ!」
「む?」
跳ね返された際、ガイからの反撃を警戒した、レイは後ろに跳び、着地と同時に、再び攻撃を仕掛ける。
それを見て、ガイは再び全身に気合いを入れ、筋肉を膨張させた。
「はあぁぁぁっ!」
縦横無尽に剣を振り、ガイに致命傷にならない、傷が無数に増える。
「っ、くそっ!」
最後に渾身の突きを、ガイの腹に入れるが、剣先のわずかしか刺さらない。
「ほう……なかなか、やる様になったな。
次は、こちらからだ。
見せてやろう……魔角族の技法〈鬼法、再生〉ならびに、〈鬼法、強化一割増〉」
すると、ガイの露出している肌が朱色に染まり、身体中の傷口から蒸気が立ち上ぼり、レイの突き刺した剣先が、徐々に押し返し始めた。
「なっ?」
レイは、慌てて剣を引き、後ろに跳び、ガイから離れる。
その瞬間。
ブンッ
先程までレイが居た場所に、ガイの左拳が振り下ろされ、空気を裂く音が聞こえた。
レイがその場を離れなければ、確実にその拳はレイを打ち、大地に叩き付けていただろう。
背中に冷や汗を流れながら、改めて、ガイを見る。
先程、ガイに傷付けた、傷が流れた血だけを残し、傷は全て塞がり、傷跡が有った筋だけが残っていた。
それも、暫くすると消えるだろう。
「……そんな?」
「?
何を驚いて……ああ、これか?」
レイの驚愕の顔を見て、ガイは首を傾げる。
視線で、自分の傷が消えた事に、驚いている事に気付き、ガイは笑う。
「何を驚いているかと思えば……これぐらい見た事あるだろう?
それに、お前達にも術の名前はともかく、術の使い方は教えてある筈だぞ?」
「……何の事だ?」
レイは、ガイの言っている事が、分からず睨みつける。
「ふむ?
そうだな……ザーツの魔術と、一緒に身体強化とか、ラーシャの〈風刃〉とか」
「魔技、の事か?」
ガイの言った言葉に、思い当たる事があったのか聞き返す。
「そうそう、それだ!」
それを聞いたガイは頷く。
「今は、そう言うんだったな?
そうだった、そうだった……元々は、俺達魔族で、持って産まれた魔力の少ない種族。
魔角族が少ない魔力を爆発させるが如く、増幅させて戦う技術だ。
油の中や、火薬に、小さな火種を放り込む様に。
少ない魔力一を使い、それを十、百、千と増幅させ、身体に巡らせ、戦う技術。
これを俺達、魔角族は編み出し、〈鬼法〉と名付けた。
……おそらく、人族がそれを見て、真似覚え発展させたか、もしくは俺みたいに、酔狂で人族を育て教えたかだな?
お前だって、身体強化は使えるだろ?
教えたからな」
ガイはどうだという様に、レイを見る。
「……ああ、使えた。
でも、今は使えない」
ガイの話を聞き、憮然と答える。
(おかしい……まだか?)
長い話を、黙って聞くのも、質問に答えるのも、時間稼ぎだ。
「使えない?
……どういう意味だ?」
ガイが燻がる。
当たり前だ。
使えるものが、使えない。
出来た事が、出来ない。
でも、それは……。
「今は言うつもりは、無い」
「そうか……まあ、良いか。
それより今度は、こっちから攻めてみるか。
〈身体強化一割増〉」
再び、ガイの身体が、朱色に染まる。
「行くぞ!」
ガイ身体がブレ、消える。
ー瞬歩ー
かつて、ガイが子供達に教えた、歩術の一つ。
現れた場所は、レイの真後ろ。
背中合わせの状態で、ガイは下半身を曲げ、上半身を落とし右足を下げずらし、レイに向かって右の肘打ちする。
とっさに気付いた、レイは左に振り向き様、左腕に持つ盾で、攻撃を受け、撥ね飛ばされる。
着地は何とか出来たものの、気付いた時には、目の前にガイが居て、右足で前蹴りを出し、レイの腹に直撃。
だが、これも盾で受けるが、レイの身体は浮き上がる。
ガイは足を戻し、素早く身体を左に捻りながら飛び、右足で回し蹴る。
レイも身体が浮いたまま、身体を捻り、盾でガイの蹴りを、何とか受ける。
が、受け身が取れないまま、地面に叩き付けられた。
「がはっあ!」
何度か地面を跳ね、地面を削りながら滑る。
滑る勢いが落ちた頃、跳ね起き、体勢を整える。
滑る事で、ガイの瞬歩でも、間合いが届かない距離が開き確認したあと、大きく息を吸い溜めて、気合いを入れる。
「はあああぁぁーーー」
レイは、ガイを睨む。
その目は、まだ死んでいない。
「ふむ」
ガイは、その目を見て、レイに向かって歩く。
左に、右に。
現れては消え、消えては現れる。
ー残歩ー
レイは、冷静に、観察する。
ガイが間合いに入る。
レイの前、左右に、ガイが同時に現れる。
左側のガイは、右のストレートを。
右側のガイは、左のストレートを、レイに放つ。
レイは、左右のガイの間を抜ける様に、前へ、飛び進む。
その瞬間、左右のガイは、消え。
レイが、立って構えていた場所、後ろから、ガイの踵落としが落とされた。
「ほう?」
避けられたガイが、感心する。
もし、レイが左右のガイのパンチを、盾で受けた場合、その頭に、踵落としが入り、戦いは終わっていただろう。
勘か、それとも?
ガイは笑い、歩術を使わず走り、レイに近寄り攻撃を始める。
殴る蹴る等、歩術を使いながら、上下左右斜めに、あらゆる角度から、連続攻撃を繰り返し放つ。
レイは攻撃を受けず、避け続ける。
最初は身体を大きく動かし避け、次第に僅かな動きに変え、息を整えていく。
逆に、ガイは速さを増して、攻撃を続けるが当たらない。
「……〈身体強化三割増〉」
拉致があかないと、ガイは、身体強化を強める。
身体が、朱色から赤色に変わる。
力も、速さも、更に増す。
だがやはり攻撃は、レイに当たらない。
「……成る程」
ガイは身体強化を解き、身体は元の色に戻る。
そして、冒頭に戻る。
「親父の奴、嬉しそうだな」
ルイは、ランの幾多に放つ矢を、自身より大きな巨剣の腹で受けながら、ガイ達の戦いを見ていた。
「……人の戦いを見るより、こっちの戦いに集中したらどう?」
ランは尽きる事の無い魔力矢で、何度も何度も矢を放つ。
「いやー、ランちゃん、同じ攻撃ばかりだし?
アッチも、気になるしさー?」
ルイは、ランを嘗めている訳では無いが、ランの放つ矢は、どういう訳か一定だった。
「……そろそろ」
ランは魔力矢を、魔技で魔力を増幅させ、摘まむ矢尻を捻りながら放った。
回転しながら翔ぶ矢は、変わらず巨剣の腹に当たる。
「うおっ?」
だが、矢は巨剣を貫き、ルイの頬を掠める。
「……ビックリしたー?」
ルイは、ランと巨剣を、何度も交互に見る。
「ああ、成る程。
ずっと同じ場所を、当てていたのか……んで、矢の魔力を増やし、回転させながらの攻撃かー。
……やるね、君?」
ルイは、ランの実力を認めた。
「ごめんね?
別に君を馬鹿にしたつもりは、無かったんだよ?
ただ向こうが気になっちゃて、さあ?
でも、君の言う通りだ。
戦いに集中しなくては、駄目だね!」
ルイは、穴の開いた巨剣を、コンコンと殴る。
すると開いた穴から、ヒビが入り巨剣が折れた。
「やっぱり、折れたか」
ルイは、〈影空間〉を開き、新たな巨剣を取り出す。
ここで、ルイはさっきから疑問に思っていた事を、聞く事にした。
「ねぇ、ランちゃん?
君、どうして、今攻撃しなかったの?
結構、すきだらけだっただしょ?」
ルイは、首を傾げる。
「……別に。
貴方程度、何時でも倒せる」
ランは、表情を変えず答える。
「うわ、言われちゃったよ?
そっか、何時でも倒せるか……参ったな、こりゃ。
……もう一つ、聞いても良いかな?」
「……何?」
「うん、君の感情、どこに行ったのかな?」
ルイは不思議そうに、微笑みながら聞く。
「……勇者様に取られた」
「……はぁ?
勇者に取られたって、何だ……それ?」
「……別に今は、どうだって良い。
……まずは、貴方、次に、お父さん。
……倒す」
ランは矢を引き放つ。
「むっ?」
倒すと言った割りに、未だ単調な攻撃。
もう剣を壊されたくなくて、逆に、剣を降り、射ち放たれた矢を、切った。
切った矢の影から、別の矢が現れる。
「うおっ」
降り払った巨剣を、引き戻し、矢を切り払い落とした。
「……影追いの矢。
初見で、避けられた?」
首を傾げながら、次の矢を、3本同時に放つ。
矢は、ルイの、眉間、喉、心臓の三ヶ所に向かって来る。
「むんっ」
ルイは、大地に巨剣を刺し、高跳びの要領で、矢を通り過ごす。
宙に浮いた状態で、巨剣を抜き、その勢いで反転、剣を振り下ろす。
魔力を込めて。
「〈鬼法、風刃疾風〉」
巨剣の重量、遠心力、振り下ろす速さが、矢が翔ぶ速さを越え、風の刃が、ランに向かう。
「……!」
ランは目を開き、慌てて横に飛び退く。
風の刃が、大地を切り裂き割れる。
ルイは大技を放った後、油断なく、巨剣をランに向け、正眼の構えを取り見据える。
「……本気に、なった?」
ランも体勢を直し、矢を弦に掛け、何時でも放てる様に構える。
二人は向き合ったまま、動けなくなる。
いかがでしたでしょうか?
読みやすくなったと、思って頂ければなによりです。
続きは、明日、日付けが変わる0時に、投稿します。
よろしくお願いします。
あと、1日かけて、1話から直していこうと思います。
どこまで出来るか分かりませんが、最終的には、全部直していきたいです。
また、ブクマ登録、ありがとうございました。
とても嬉しいです。
6話読み切りの、現実恋愛物を書いてます。
興味のある方は、ぜひ、小説探索で『こんな出会い』と打ってみるか、作者である、私、マス シゲナの所を押して、入って下さい。
タイトル 『こんな出会いって、本当に有るんだな?』 です。
よろしくお願いします。




