表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/85

最終章 3 続、サウルでの戦い

出来ました。

ブクマの登録、ありがとうございます。

また、

誤字訂正の報告、ありがとうございます。


「よう。

 やっと、出て来たな……アークもどき?」

 天使アークと対峙した、タイタンは、口角を上げ、そう告げた。

「……何だ?

 貴様は……何者だ?」

 天使アークは、若返ったタイタンが、分からず首を傾げる。

「だが……強いな。

 貴様の相手は、此処に居る者の中では、私しか居るまい」

「そりゃ、そうさ?

 ワシは、元々、お前と戦う為だけに、この戦争を参加しているのだからな。

 お前と戦わなければ、意味が無い」

「何故、其処まで、私と戦いたがるのだ?」

 天使アークは、ワシを見詰め、心底不思議がる。

「……お前は、アークの身体を奪ったくせに、引き継いだのは、技術だけか?」

「……フム、私の事を、良く知っているみたいだ?

 ああ、そうだ。

 私が、この身体から得たのは、槍の技術のみ。

 其れだけが、たかが、この人族の魅力だ。

 後は、意味が無い……知れたモノだ」

「……ああ、成る程な?

 で、だ……此処では、思う存分に、戦う事が、出来まい?

 少し離れた場所で、殺らないか?」

 タイタンが、辺りを見渡す。

 先程まで、洗脳され、無理やり戦わせられていた、多くの一般の民が行動不能にされ、倒れている。

 その言葉を聞き、天使アークも、辺りを見渡す。

「別に、気にする必要有るまい?

 たかが、ゴミ……私達の戦いに捲き込まれて、傷付こうが、死のうが気にする事、有るまい、むっ?」

 首を振りながら、どうでも良さそうに告げる、天使アークに、突如、タイタンが目の前に移動し、大剣を振り降ろし、天使アークは、高く飛び退いた。

 タイタンは、もう一度、横に大きく大剣を振る。

 今度は、この一振りに、魔力を乗せ、斬撃波を放った。

「ちいっ?」

 空中に居る天使アークは、槍で、斬撃波を受け止め、更に、遠くに飛ばされた。

 其れを見て、タイタンも、天使アークを追い掛けた。

 天使アークが、着地した場所は、兵士は居らず、所々に岩が有るだけの開けた場所だった。

「此処なら、何の邪魔も入るまいて?」

 追い付いた、タイタンは笑いながら、天使アークに大剣を向ける。

「……フム?

 其処まで、私と、一対一で戦いたいのか?

 何故、其処まで、私と戦いたがる?」

「お前が、目障りなんだよ!

 お前が、その身体に居る事が、その身体、アーク・ジルベスタの、高貴なる思い、決意、魂、肉体、技術全て汚す。

 ……その身体から、とっとと出て行って貰う!」

「……フム、良く分からんが?

 出来るモノなら、やってみるが良い!」

 タイタンと、天使アークの戦いが、始まった。



 場所は戻り。

 ガイと、ルイは、黒のマント二人と対峙している。

「良い加減、顔を隠しているフードを外したらどうだ?

 レイ、それにラン?」

 ガイが、深くため息を吐き、つまらなそうに、そう告げた。

「……気付いていたのか、父さん?」

「……」

 二人は、フードを退けながら、顔を晒し、レイは、睨みながらそう言う。

「まあ、な?

 魔王城で、闇属性の使い手の、黒のマント達が居ると聞いてな?

 ある日から、姿を消したお前らが居ると思った訳だ。

 それで、まあ、対峙してみれば、やはりってところか?」

「……」

 二人は、睨むだけで、何も言わない。

「親父、コイツらが?」

 ルイは、レイ達二人を見て、考え深く、ガイに問う。

「ああ、キーシャと同じ、捨てられた闇属性の赤子を拾い、ライの兄姉として育てた」

「ふーん、それにしても、強いな、コイツら?」

 ガイの説明に、つまらない顔で答え、レイ達の隠そうともしない実力を、不思議がる。

「戦いの技術と、知恵は、俺達だけでなく、ザーツも手を入れているからな」

「……ああ、成る程。

 そりゃ、強いわー」

 ため息を吐く、ルイ。

「特に、七千以上の一般の民を、最初に戦わせ、俺達の体力を減らそうと、作戦をたて、指示したのは、レイだろうな。

 それにしても、居なくなって、数ヶ月。

 此処まで、実力を上げるとは……フン、勇者が、何か手を加えたか?」

 ガイは、鼻を鳴らした。

「流石は、父さん。

 其処まで、分かるのか……僕達も、此処まで来て、父さん達の実力のが、分かる様になったよ」

 レイは、薄く微笑み、嘲笑う。

「……そうかい?」

「レイ、喋り過ぎ……さっさと終わらそう」

「済まない、ラン……そうだな、その通りだ。

 ……じゃあ、向こうの、広い場所に行こうか?

 父さん達、此処じゃ、やり難いだろ?」

 今まで、我関せずだった、ランが口を開き、レイが、タイタン達とは、逆の方向の開けた場所を、親指で示し、二人は歩いて行った。

 其れを、目で見送り、遅れてガイ達も付いて行った。



 アミル達は、苦戦していた。

 主力のガイ達、三人が抜けた事も有るが、レイが残した兵士は、イルミア王国で、鍛え上げられた兵士達。


 先程までと違い、包丁や、鍬、草切り鎌等、生活に必要な道具ではなく、武器も、しっかり磨き上げた剣や、槍。

 身を固める鎧に負けぬ、鍛えられた肉体。

 動きも、武器の操る技術、多数の兵による連係。

 傷付き、疲れた身体には、キツい相手だった。


「どうしよう、アミルさん、このままじゃ」

 今、この状態で、何とか戦えているのは、アミルの人形達と、ルーのみ。

 傭兵達は、防戦一方。

 其れに、戦えると言っても、アミルの人形とて、数の連係で傷付き、壊されていく。

「……一つだけ、この状況を覆す策は、有る。

 有るけど……」

「有るのか?

 何だ、其れは?」

 アミルが、苦い顔で、言い渋ると、突然アミル達の会話に割り込む声が有った。

 見れば、戦いが始まる前、ガイの話に、何度も質問をしていた、傭兵だった。


「どうなんだ?」

「……時間が、少し掛かる。

 その間、貴方達、傭兵はキツいよ?」

「だが、このままじゃ、終わりだ。

 策が有るなら、言ってくれ」

 言い淀む、アミルに、しっかりと見詰め、傭兵は答えを待つ。


「分かった……貴方達は、四、五人集まって、徹底的に防御して。

 その間、私の人形を、増やし、少しずつ修復強化していく。

 それで陣形を作り、整える。

 最後に、私の魔術で終わり」

「……えっ?

 其れだけか?」

 真剣に聞いていた、傭兵が終わりと知って、ポカンとしている。

「そう、此処で重要なのは、貴方達は、最後まで、自分の命と、仲間の傭兵達を守り続ける事。

 時間にして、一時間以上。

 そして、第二に」

「第二に?」

「死なない事。

 最後の魔術は、結界を張るから、その各場所の地点の、私達も守って欲しい」

「普通、頼むのは、お前達の結界?

 を、守るのが優先的に言うべきだろうが?

 はぁ……まあ、俺達を死なせないつもりだと、いう事は分かった。

 ……本当に、魔族って奴は訳が、分かんねぇな?

 結界を守るタイミングは、言えよ?

 って、どう伝えるつもりだ?」

「あ、それなら、これ、使って!」

 二人の話を聞いていた、ルーは、魔法具を取り出した。

 其れは、胡桃サイズの黒い玉に双葉が生えた様な魔法具だった。

「……其れって、傭兵武術大会で、使っていたヤツ?

 確か……集音くん、だっけ?」

 アミルが、大会を、魔王城から、〈遠見〉の魔術で、見ていた時、実況をしていたルーが、幾度と使用していた魔法具。

 其れを見て、首を傾げる。


「そうです。

 集まって守っている、傭兵さん達に、集音くんの片割れ、拡声くんを、それぞれ皆さんに渡して、指示を出せば、良いと思います」

 ルーは、胸を張り、そう説明をした。

「ふむ……良い案ね。

 傭兵さん、先ずは、四、五人集まって守りに入る様に、指示を出して貰える?

 その間の、フォローは、私の人形達にさせるから」

「おう、分かったぜ!

 あ、後、今更だが、俺の名は、ゲンだ。

 よろしくな!」

 ゲンは、アミル達から、少し離れ、息を大きく吸い込み、魔力を乗せ、戦場に響き渡る様に、声を出す。

『おう、傭兵の皆、指示を出すぜ!

 四、五人集まって、集まった仲間同士、守り合え!

 死なねぇ様にしろ!

 集まる間は、魔族の姉ぇちゃんの人形がカバーに入る!

 生きたかったら、絶対に従いな!』

「「「おおーーーーーー!」」」

 ゲンの言葉を聞き、散らばっていた傭兵達は、素早く慎重に動き集まった。


「……凄い、アッという間に、集まった」

 ルーは、実況を見て驚いている。

「よし、此れなら!」

 アミルは、〈影空間〉から、新たに死霊人形を取り出した。

 只、今まで出していた人形とは違い、旧式といえる、白い材質……かつて、アミルが集めた白い鉱石で作り、保存していた人形十体を取り出した。

「また、此れを使う事になるなんてね?」

 十体の人形の胸部に動かす為の魔石を埋め込み、起動させる。

「お前達、集まっいる傭兵を守れ!」

 指示を受けた白い人形は、動き出し、それぞれに散らばった。

 拡声くんを持たせて。


 それぞれが、位置について、傭兵を守っているのを確認し、ギルバードを思念で呼び、五体ずつ先の人形を呼び戻らせた。

「よし!」

 アミルは、戻って来た人形の胸部の魔石を、新しい物に変え、死霊魔術で、人形の壊れた部分や、欠損部分を、白い鉱石で覆い治して、先程の旧式と同じく、傭兵達の元へ行かし、戦わせた。

 其れを繰り返し、三十体を分割……旧式一体に新型三体でチームを組ませた。


 ギルバードを含め、残り八体の人形を修復。

 アミルは、〈影空間〉から、新たな魔石、三十センチメトルの、両端が尖った六角柱の魔石を八個出した。



 黒い魔石四個、白い魔石四個。

 そのうち、一つ黒い魔石を、アミルは、大地に突き刺す。

「ザーツさん、リシェルちゃん、ギバさん、ライくん。

 ……使う時が来たよ」

 アミルは、この魔石、五人で新たに開発した複合魔石。


 以前に作った混合魔石とは、また違い、新たな技法を、ザーツ、リシェル、アミルの三人が編み出した。

 そして、複合魔石と名付けられた。

 三人は、無色透明の無属性の魔石に、相性の良い、火と風の魔石に、魔力を通し、その二つの魔力を、闇の魔力で包み込む様に、無属性の魔石を付与した。

 結果、薄く透き通る闇色の魔石、その中央に、赤と緑の色が踊る様に追い駆ている。

 次に、無の魔石に、水と土の魔石で、同じ行程を行い、別のタイプの複合魔石を二個ずつ作りった。


 三人は、光の複合魔石を作る為に、ギバの元へ行き、説明した。

 ギバは、少し悩み、断った。

「俺でも、作る事は出来るだろうが、俺には、お前達の望む魔石を作る事は出来ない」と。

「この場合、俺ではなく、ライの方が良いと思う。

 光と闇、契約した神霊と大悪魔、お前達に対極するのは、ライだ」

 其れを聞いた、ザーツさんは、物凄く落ち込んだ。

「どうして、思い浮かばなかった」と。

 こうして、ライに頼み、五人で、光の複合魔石、二種類四つを作った。



 アミルは、突き刺した黒い魔石を頂点に八方向、対角の位置に魔石を刺すまでに、七体の人形に一つずつ魔石を持たせ、左右、白黒白黒の順に魔石を刺した。

 火と風、水と土も対角になる様に。

 刺した場所に、人形を一体残し、固り集まった傭兵達も人形チームから離れさせ、刺した場所を、順に守らせた。



 アミルが契約した、大悪魔ベルフェゴール。

 その契約能力〈脱落エナジードレイン〉を、アミルは、魔石に魔力を通し、発動する。

 大地に黒の菱形、白の四角形、その角を円の線が走り、八方陣が輝く。

 二千以上の兵士を囲む様に。



今回は、前に出したアイテムとか、出してみました。

ルーの集音くんと、拡声くん。

アミルの、リシェルがオーク戦の時使っていた人形。

とかね。


いつもながら、ブクマ登録、誤字訂正等、ありがとうございます。

下手なりに、頑張って書いてます。

最終章に入り、最後まで頑張れと思う方、応援してくださる方。

もし、良ければ、ブクマ登録、評価採点、感想等をお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ