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最終章 2 サウルでの戦い

出来ました。

読んでくれている方、いつもありがとうございます。

そして!

ブクマ登録、ありがとうございます。


 リーーーン、リーーーン。

 人族領、最南端の町、サウル全体に、魔法具の鈴の音色が、鳴り響く。


 サウルの傭兵ギルドが用意した、何も荷物など無く、ガランとした建物。


 その場に、アミル・タンザナイトの魔術《転移》で、魔王城から、移動して来た一行が到着する。。

 ガイン、アミル、ルー、タイタン、ルイの他、三十人程の、実力が有る魔族兵が、建物から、姿を現す。

 そして、先程の鈴の音色を聞き、サウル傭兵ギルド長、サラド・メイルが、建物の入り口前にて、待ち構えていた。


「ガイ、アンタが、来てくれたのか。

 ……正直、助かる。

 アンタを慕う、奴は、この街の傭兵は多いからな。

 しかし、これだけの人数で来たという事は、とうとう、奴等来るのか?」

 サラドは、三年前の、天使に取り付かれた、ルリ・イルミアと、ウォルド・フォン・エリックが五百人の兵を連れ、サウルを攻め落としに来た時の状況を、思い出しながら尋ねる。

「そうだ。

 しかも、今回は、兵士、傭兵を合わせた、一万の大軍に、その他、何人かの実力者が居るそうだ。」

 ガイン(サウルでは、ガイの方が通りが良いので)改め、ガイは、今回の状況をサラドに伝えた。

「一万だと?

 三年前は、五百だぞ?

 何処から、それだけの兵を集めたんだ?」

「……兵じゃなかったら?」

 ガイは、無表情で言う。

「な?

 ま、まさか……そんな」

 サラドは、戦慄する。

「後、向こうの最大戦力の天使を、この、タイタン殿に任せ、他の実力者を、俺と、ルイが対処する」

「タイタン?」

 ガイに、紹介された自分の背丈の有る、両手剣を背負う青年の名前に、眉をしかめる。

「気のせいか?

 彼は、総本部長と、同じ名前の様るだが?」

「いやいや、同じ名で、当たり前よ。

 ワシ、本人だからな」

 タイタンは、サラドの困惑を、楽しみながら答える。

「はあ?

 いや、あの方は、既に七十を越えているんだぞ?

 おかしいだろ?」

「おかしな事なんて、あるものか。

 お前も、三年前に、イルミア王国から、天使に取り付かれた、ルリ王女と、エリック公爵に対峙しておるだろうが。

 今回の、大将は、天使《化け物》に身体を奪われた、死んだ我が親友、槍聖と呼ばれた、アーク・ジルベスタよ。

 勇者に、従わない様、自決した親友の無念。

 ワシが、取らなくて、誰がするよ?

 向こうの、取り付いた天使が、肉体を若返りをしたなら、ワシも、悪魔という化け物と、契約して若返るしかあるまいよ?

 ふん!

 ……誰が、その役目、譲るかっ!」

「その話し方……マジで、総本部長かよ」

 サラドは、何が何やらと、最終的には、混乱していた。


「まあ、サラドは、引き続き、街の避難と、傭兵の配置を頼む」

 ガイが、助け船を出し、何とか、サラドを立ち直らせる。

「ああ、すまない……ガイ」

「ガイさん、勇者軍が到着した様です」

 アミルは、到着した後も、サウルだけを残し、〈遠見〉の魔術で、サウル周辺を監視していた。

「どの辺りだ?」

「三年前、天使に取り付かれた、ルリ王女達が、現れた場所です」

「そうか……サラド?

 既に、傭兵達は、門の外に向かっているのか?」

「ああ、総勢百人程だ……洗脳の難から逃れ、此処に辿り着いたのは、それだけだ。

 だが、それでも、理由を知り、同じ人族と戦うとしも、戦う事を選んでくれた奴等だ。

 百対万、勝ち目が無くても、戦ってくれるんだ。

 死なせたく無いんだ。

 頼む、ガイ、皆、頑張ってくれ」

「ああ、分かっている……アミル、取り敢えず、傭兵が、集まっている場所に、運んでくれるか?

 先ずは、傭兵達に説明をする」

「はい」

 ガイ達は、サラドを残し、傭兵達のいる場所に〈転移〉した。


 突然、現れた、ガイ達魔族を見て、気付いた傭兵達は、武器を構えたが、ガイに気付き、喜びの表情になり、武器を下ろした。

「ガイさん、来てくれたのか?」

「ああ、待たせたな?」

 ガイ達が、姿を現した事が、伝わっていき、ガイの名を呼ぶ者も少なくなく、また、ガイを知らない者は、周りから聞き、期待を持つ者、また、魔族と知り、嫌悪する者も居た。


「待たせた!」

 ガイは、傭兵の方を向き、叫んだ。

「……と、言っても、魔族と知って、ガッカリした者、居るだろう。

 だが、俺達はも、この街を守る為、此処に来た!

 良く聞いて欲しい。

 知っている者もいるだろうが、このサウルの街を、此処まで、大きく、村から街へ、育てたのは、俺だ!

 俺にだって、この街に、愛着が有る!

 だから、この街を守りたいという、俺に力を貸してくれる、仲間も連れて来た!

 どうか、俺達にも、守る事を、手伝わせてくれ!」

「「「おおおぉぉーーー!」」」

 傭兵達は、腕や、武器を高々に上げ、ガイ達を認める様に叫ぶ。

「ありがとう!

 では、現状の説明をさせて欲しい!

 目の前に、勇者軍が居る。

 何と、一万の兵だ!

 だが、おかしいと思わないか?

 三年前に、同じ様に、攻めて来た時は、僅か五百の兵だったのが、今回、一万の兵だ!

 しかも、我が魔族領の魔王城には、一万五千の兵が、向かっている。

 王国、帝国、ましてや、同盟国に其れだけの兵が居る訳ない。

 気付いた者も居るかも知れない。

 そう、あの中には、勇者に、洗脳された人族が居る。

 老若男女、関係なく動ける者が、兵士として、あの中に、此処に来ているんだ!

 俺達だって、その様な人族と、戦いたく無い!

 無いが、向こうは、勇者に洗脳されている。

 関係無いんだよ、勇者には!

 何故なら、勇者の最終目的は、人族、魔族は勿論。

 この大地、世界そのものの消滅だからだ」

「ガイさんよー?

 何で、勇者に、そんな力が、有るんだよー?」

 傭兵の中の、一人が、尋ねてくる。

「……この中に、人族と、魔族が戦う理由を知っている者は居るか?

 いや、答え無くても良い。

 その事について、話さなくてはならないからだ。

 ……特に、理由なんて無かったんだよ。

 この世界を作った神々が、単に、暇潰しにそうしたからだ。

 そして、その神の一柱が、勇者に取り付き、身体を乗っ取ろうとしたが、逆に、勇者に取り込まれたんだ。

 勇者は、元々、この世界を憎んでいた。

 神を取り込んだせいで、この世界の存在理由を知った。

 憎さ倍増と、いう事だ」

「何で、アンタ、そんなに詳しいんだ?」

「「そうだ、そうだー!」」

「魔族領では、この三年、もう誰もが、知っている事だ。

 傭兵ギルドのサラドには、言ってあるぞ?」

「マジかよ?

 そんな事、全然、聞いてないぞ」

「俺もだ」

 傭兵達は、戸惑う。

「多分、敢えて情報を規制したんだろう。

 その代わり、こういう物、ギルドから、貰ってないか?」

 ガイは、懐から、銀色の輪っか……リングを、傭兵達に見せた。

「あ、ああ、貰った。

 それ、意味有るのか?

 来る日に、必要だからって……目の前で、着けさせられたわ」

「おう、着けたら着けたで、手首に引っ付くし、焦ったわ」

「意味は、有る!

 このリングは、洗脳防止だ。

 洗脳されている者に、触れられるだけで、洗脳に掛かるからな……その防止だ」

「げっ?

 マジかー?

 じゃあ、俺達は、大丈夫なんだな?」

「ああ、洗脳に関しては、だ」

「まだ、何か、アンのかよ?」

「向こうは、洗脳されているんだ。

 普通の民でも、子供でも、全員、全力で掛かって来るぞ!

 向こうは、死んでも構わないと、思わされているだろうしな!

 気を抜くと、お前ら、死ぬぞ?」

「「あっ?」」

「俺達も、向こうの大将クラスを含め、兵士達も、出来るだけ、対峙するが、兵士に関しては、俺達も、殺したくない。

 行動不能に、持っていく。

 が、不可抗力も、有るだろう……お前達にもだ。

 と、そろそろ時間か?」

 ガイは、勇者軍が、いつの間にか、完全に出揃い、此方に向かって来る、一群が見えた。

「悪いが、話は此処までだ!

 先ずは、俺達、魔族が出る!

 こぼれた兵士は、お前達で、何とかしてくれ!

 ……皆、行くぞ!」

「「おうっ!」」

 ガイ達、魔族は、向かって来る一群に、戦いに出る。



「久しぶりに、私の、死魔族の秘術。

 全開で、行かせてもらう!

 現れよっ!

 ギルバードと、その仲間達!」

 アミル・タンザナイトは、〈影魔法、影空間〉に、眠らせていた死霊人形を、呼び出した。

 その数、百体。

 三年間、祖父ザンバインとの、仲違いを戻し、共に作った、疑似人形。

 前は、死体をベースとしたが、今回は、木製人形を作り、鉄で部分を補い、心臓部には、アミルが、かつて、自分の魔力で作り出した、人工魔石を埋め込み、死霊を召還し宿らせた、疑似人形。

 死体ベースよりも、効率良くなり、三倍の性能が発揮した。

「行け!

 決して、殺すな!

 行動不能にするのだ!」

 死霊人形は、勇者軍に向かって行く。

 対峙した、人形は、相手の攻撃を避けたり、鉄で補強された場所で、受け止めたりとして、逆の手で、両手のひらに埋め込めた雷を付与した魔石で、相手を麻痺させ、倒して行く。


「雷よ!」

 ルー・ルーセントは、得意の魔法具作りで作った、雷魔石を先端に埋め込んだ、短杖と、盾を持ち、戦っている。

 ルーは、三年前、契約した大悪魔フォルネウスを、タイタンの若返りの契約に、貸し出してから、自身で戦える様に、訓練した。

 雷性の短杖の他、水を付与した魔石の短杖等、様々な魔法具を作り、この戦争に挑んだ。


 ガイ、ルイ、タイタンは、焦りも無く、また、傭兵達も、加わり、勇者軍を倒して行く。



 一陣、二陣、三陣と、倒して行く。


 疲れと、判断し損ねたりと、傷付き、撤退する傭兵も出たり、アミルの人形も、正規の兵士達による、統率の取れた攻撃で、数を半分近く、壊された。


 それでも、ガイ達は、七割近くの兵士を倒している。




「そろそろ、かな?」

 ガイ達の、疲労を見て、天使アークと、黒のマントを羽織り、フードで顔を隠す二人が、姿を現す。



「……やっとお出ましかよ?」

 ガイは、出て来た天使アーク達を見て、大きく息を吐く。

「タイタン殿」

「ああ、任されよ!」

 タイタンは、武器……大剣を肩に乗せ、天使アークに、向かい歩く。


「ルイ、お前は、アミル達と共に……」

「断る……黒のマント、思ったより出来る。

 親父、共に戦い、さっさと倒そうぜ?」

「……ああ、そうだな。

 ルイ、力を貸してくれ」

「勿論だ」

 二人は、顔を見合せ、笑い、タイタン同様、黒のマントに向かった。


「ルーちゃん、大丈夫?」

 アミルは、三人が向かったのを見て、ルーに問う。

「大丈夫……と言いたいけど、キツいね?」

 ルーは、苦笑しながらも、答える。

「でも、此処が、踏ん張りどころでしょ?

 皆さんも、無茶は止めて、退く時は退く」

「「おお!」」

 傭兵達も、疲労を誤魔化しながら、笑い、残りの勇者軍に立ち向かう、気力で叫ぶ。



 サウル防衛、第二幕が始まる。



この話の投稿前に、新作『こんな出会いって、本当に有るんだな?』が、投稿し完結しています。

全6話、3万ちょっとの文字数です。

集中すれば、約1時間ほどで読めます。

ぜひ、読んでください。

そして、出来れば、感想や、ブクマ、評価点を頂けたら嬉しいです。


小説探索で、『こんな出会い』と打って、探索したら、1、2番目に、タイトルが出ます。

よろしくお願いします。

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