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4章 12 顔合わせ、そして、非道い結末

出来ました。

読んで頂いている方、大変、お待たせしました。

4章は、これで終わりとなります。

よろしくお願いします。

今回、話しを割る事が、出来ませんでした。

超長いです。


4章4、裏話

サリエル → サマエル


4章11

剣精形態 → 剣精顕現 に変更しました。

『ちょっと待って、リシェル。

 この人との勝負、僕に任せて?』

「……リュート?

 どうしたの、急に?」

 構えを解き、意思の有る剣、リュートと、突然に話し出すリシェル。

「……何、一人で、話しているのよ?

 気持ち悪い、勝負、受けるんでしょ?」

 リュートの声が聞こえない、ナユタは、一人言をしている様に見えるリシェルを、馬鹿にした。

『リシェル……僕、この人、嫌い!

 さっきから、リシェルの事、馬鹿にし過ぎだし……許せない!』

「……ふふ、リュート、ありがとう」

『何?』

「怒ってくれているんだね?」

『当たり前だよ!』

「ちょっと、聞いているの」

 再び、憤るナユタに、リシェルは無視して、リュートと話す。

「そっか、でも、どうするの?」

『それはね、リシェルにも聞かれも秘密にしていた、最終形態で得た能力。

 剣精顕現を使うんだよ!』

「その時じゃないって言ってたやつだね……今なの?」

『そう!

 僕を地面に刺して、一緒に言って!

 剣精顕現、って!』

 リシェルは、言われた通り、舞台にリュートを刺し言った。

『「剣精顕現!』」

 地面に刺されたリュートが、眩しい程は輝く。

 やがて、光は落ち着いていき、光は人の形に変わっていく。

 光、形の変化も、収まった時、一人の少年がその場に居た。

 少年は、リシェルと同じくらいの身長に、短く刈った銀髪で、顔立ちもリシェルに良く似ていた。

「だ、だれなの?

 貴方、どこから現れたの?」

 突如、舞台に姿を現した少年に、ナユタは狼狽し、尋ねる。

「僕は、リュート。

 意思を持った魔法剣が、リシェルと共に成長し、

 心を持って人の姿を取る事が出来た、剣の精。

 それが、僕、魔法剣リュートだ!」

 刺さった剣を抜き、高らかに宣言した、リュートは胸を張る。

「剣が……人、に?

 そんな事って有るの?」

 震えながら、リュートに指を指す、ナユタは信じる事が出来なかった。

「……信じてないな?

 まぁ、良いけど、とりあえず、リシェルの変わりに勝負は、僕が受けるよ。

 リシェルだって、さっきの試合で疲れてるしね。

 それとも、それを狙って、勝負挑んだの?」

 リュートは、首を傾げながらも、挑発する。

「そんな事、ないわ。

 良いでしょう、貴方と勝負します」

「そう、審判はいないから、いつでも掛かってきなよ?」

「じゃあ、そうさせて貰うわ」

 ナユタは、双剣を持ち直し、リュートに向かっていった。



「うぉ、マジか?」

 選手の為の観覧席で見ていた、ライは、舞台でリュートが人の姿を取った事に、驚いていた。

 そこに、

「うぉー、何か、とんでもない事になってるなー?」

「うわあ!」

 舞台に集中していた為、今まで居なかったルイに後ろから声をかけられ、本気で驚くライだった。

「……何だ、ルイ兄ちゃんか~、すげぇ、驚いたんだけど」

「悪い、悪い。

 驚かすつもりはなかったんだけどな?

 お前が、そこまで驚くと思わなかったよ」

「ルイ……あそこで、あんな事が起こってたら、誰だって、周りを気にしないわよ」

「それも、そうか。

 ライ、悪かったな」

「いや、良いけど……誰、その人?」

「おう、こいつは、俺の嫁さんで、お前にとっては、色んな意味で姉になるな」

「初めまして、ライくん。

 私は、キーシャ。

 お姉ちゃんと呼んでね」

「……姉ちゃん」

「うふ、この歳になって、弟が出来るなんて嬉しいわね。

 ねぇ、ルイ?」

「そうだな」

 二人は、見つめ合い、微笑む

「……なぁ?

 姉ちゃんって、もしかして?

 って?」

 ライが、ルイ達に質問しようとした時、目の端に写った舞台で進展があった。



「そ、んな?

 わた、しの、技、が全然、通用しな、いなんて?

 」

 舞台に倒れているのは、ナユタ・カーリー。

 リュートは、ほとんど無傷を負うことなく、ナユタを倒し見下ろしている。

「人に見せる剣舞は、酒場で披露した方が良い。

 確かに美しいと思うけど、実戦には向かないよ」

「ナユタ、大丈夫か?」

 立つとこまで、回復したカムは、ナユタに近付き負傷したナユタを確認し、リシェルと、リュートの方を向く。

「リシェル、済まなかったな。

 ナユタには、俺から話しておくから、もう、ナユタを許してやってもらえないか?」

「……私は、良いけど?」

 そう言って、リュート見る。

「リシェルが、良いなら、僕も良い……ただ、次は無い」

「済まない」

「何、言ってるのよ?

 カム、本気で言ってるの?

 悪いのは、あの娘じゃない!

 そうよ!

 全部、あの娘が悪いんだわ!」

 リシェルの戦い方に、リュートには、自慢の技が全て通じず、一方的にカムが謝り、ナユタには、怒りが、怒りを積み重なり、カムが穏便に終わらそうとしているにもかかわらず、正しい判断が取れないナユタは、リシェルに、全ての罪はリシェルに有る、と言いきった。

「……」

「リュート、待って……ごめん、リュート、剣に戻って」

 リュートは、無言でナユタに向かおうとするが、リシェルが止め、リュートを剣に戻した。

『……リシェル?』

「リュート、ごめんね。

 でも、リュートが、いくら、この人に向かって行っても、この人は変わらない。

 だったら、私がやるしか無いじゃない?」

『それは……そうかも』

「でしょ?

 ありがとう、リュート。

 後で、またお話しようね」

『うん!』

「さて」

 リュートとの、会話も終わり、次にどうしようと、周りを見ると、空中に、在るものが浮かんでいた。

「よしっ」

「リシェル……」

 浮かんでいる物を見定め、飛んで取ろうとしゃがもうとする時、カムから声が掛かる。

「何ですか、カムさん?

 さっき、リュートにも言いましたけど、今、この人に、ナユタ・カーリーに何を言っても無駄ですよ?」

「そう、みたいだな……」

「だったら、何ですか?

 邪魔しないでください」

「待ってくれ」

 リシェルは、カムの言葉を聞かず、しゃがみ飛び、空中に浮いている、実況のルーが投げ声をひろっていた集音くんを掴み、観客を見渡し、最後に国王達が居る来賓席を見て、集音くんに話し始めた。

「来賓席に居られます、国王陛下、並び、王妃様、そして、帝王陛下に、お詫び申し上げます。

 この後の、決勝ですが、私、リシェル・シュザットは、決勝を棄権、放棄させて頂きます。

 国王陛下の二十周年の祝い事である、この大会を、こんな形で潰していまい、心苦しいのですが、これより、私の力を一部、解放させて頂きます。

 ……皆様、人は、母のお腹の中に、生命を宿し産まれる間により、魔力の量は決まります。

 私は、産まれた時より、人族、魔族の中でも、指折りの魔力の持ち主として産まれました。

 父が作った、私の両手首にあるリングは、魔力を封印する為の魔法具であり、かなりの量を封じてあります。

 さて、何を言いたいのか、というと、これを一つ外させてもらい、ここに居る、ナユタ・カーリーに、私の力の一部を見せようと思います。

 その際、観客にいる皆様にも、影響が出ると思います。

 先に謝らせて頂きます」

 そう言って、リシェルは右手首のリングを外し、自力で抑えていた魔力も含め、魔力を解放した。

 すると、至る所で、ほとんどの観客は気絶し、倒れていく。



『これは……一体?

 何が起こっているのでしょうか?

 観客が、次々と倒れていきます』

 実況のルーも、苦しそうに周りを見渡し、実況する。

『この魔力は……ルー嬢ちゃん、お主、良く耐えられるな?』

 重く、抑えつけられるような、リシェルの魔力を受けつつ、実況するルーを呆れる。



「これが、あの娘の魔力……何て、強大な」

 国王に、王妃は驚く。

 しかし、帝王は、首をひねる。

 十二年前、リシェルが産まれた時は、もっと凄かったはずだと……。

 その答えは、リシェルが集音くんで話した。

『これでも、まだ完全には、解放されていません。

 先程も言いましたが、一部の解放です』

 これを聞き、帝王は納得する。

 それでも、周りからすれば、とんでもない魔力。

 確かに、これは決勝どころではない。

 この来賓席は、俺の魔力で対応しているから、誰もが気絶していない。

 ここを含め、観客で、気絶していない者は、約半分以下、動ける者は百人にも、満たさないだろう。

 その中でも、魔力量も多く、とんでもない実力を秘めた集団が一つ……あれは、魔族だな。

 また、一人だが舞台に向かって、歩いている者が一つ……まさか、あれは?



「な……何なの?

 この、魔力……うそで、しょ?」

 来賓席の方を向いていた、リシェルは、その声に反応し、ナユタを見た。

「ひぃっ」

 カムに、支えられ、上半身を起していたナユタは、リシェルと目が合い、カムを引き離す様に、後退る。

「これでも、まだ完全じゃないけど、貴女の望む通り、実力を見せてあげたよ?

 どうかな?

 この状況を作ったのは、私だけど、望んだのは、貴女だよ」

「リシェル、お前……」

 カムは、もう何も言えなかった。

「まったく、君が其処までする事なんて、無かったんじゃないかな?」

 そう言ったのは、舞台に上がってきた見知らぬ青年だった。

 フードで、顔を隠しているが、明らかに、かなりの実力者、それも未だ成長しているのが分かるぐらいに……そして、それはリシェルと対峙している感覚と同じだった。

「初めまして、リシェル。

 それとも、久し振りと言った方が良いかな?」

 フードを捲り、顔を露にした青年は、美しかった。淡い金髪に、青い瞳、女性とも、男性ともとれる中性的な顔立ち、身長も平均より高く、引き締まった身体をしていた。

「初めまして、だね。

 貴方は、勇者だね?

 七年前に感じた、魔力そのものだ。

 それで、何しに来たの?

 まさか、もう戦争を始めるつもり?」

「いや、まだだよ。

 今日は、種を蒔きに来たんだ。

 そこで、君の魔力を感じてね?

 こうして、来た訳だ」

「種を蒔きに……無駄に、戦渦を広げて欲しくないんだけど?」

「それは、断る。

 この世界、最後の戦争だ。

 思い切り、派手に行こうじゃないか!」

「派手に、ね?」

「……一つだけ、回避する方法が有るよ。

 君が、僕の元に帰って来たら、僕は負けてあげるし、世界も、そのままだ!」

「暫くは、でしょ?

 私が、何も出来なくなったら、世界を終わらせるくせに……よく、いう」

「あはは……やっぱり、分かるかい?

 流石だね、リシェル。

 いや、ルシファー?」

「……今、ここで終わらせても良いんだけど?」

「ふふ、分かっているんだろ?

 君は、賢い。

 今、僕に攻撃しても、意味が無い事を分かっている」

「……」

「君は、僕を傷つける事は、出来ない。

 そして、僕も、君を傷つける事が、出来ない」

「まったく……もどかしいね!」

「あはは、とりあえず、その時まで楽しみにしておきなよ?」

 と、言いつつも、リシェルに向かって、強大で、巨大な光弾を、勇者は放った。


 ザンッ!


「まったく、油断も有りはしない」

 突如、リシェルの前に現れた男は、勇者が放った光弾を切り裂き、消滅させた。

「君は……ザーツ・シュザット」

 勇者は、突然と姿を現し、勇者に対峙した男、ザーツを、リシェルの周りを見て、顔をしかめる。

 現れたのは、ザーツだけでなくリシェルの周りに、勇者が現れた時と同じ様に、フードで顔を隠した者が三人立っていた。

 リシェルは、現れた三人を見て、その内の一人に抱きついた。

「リシェル、元気だったか?」

 抱きつかれた人物は、リシェルの頭を撫で、そう尋ねた。

「まさか、魔王まで来てるとは……驚いたな?

 良いのかい、領地をほっといても?」

「心配、ご無用だ。

 ちゃんと、私の留守を守ってくれる奴らがいるんでな。

 それに、お前達は、勇者達の制約で、攻めたくても、攻めれないだろう?」

「へえ、良く分かってるね?

 流石、今代の魔王と言うべきかな?

 それとも」

 チラリとザーツを見て、小さく鼻で笑った。

「まあ、どっちでもいいか……確かに、僕は勇者の制約で、動けないが、しかし」

「しかし、勇者が干渉した人物が、部隊を引いて、魔族を攻めるのは、勇者の制約に引っ掛からない、だな」

「そういう事だね」

「此方も言っただろう。

 心配ご無用だ、とな」

「そうだったね……ところで、さっきから気になっているんだけど、魔王の後ろの二人は、誰だい?」

「ん?

 ああ、この二人か?」

 ミーザは、後ろにいる二人、二メトル以上もある背の高い人物と、ミーザと変わらない身長の人物を見て、楽しそうに説明する。

「この二人は、長い間、魔族領から離れていたのを戻って来させたついでに、子供達の試合を一緒に楽しんでいたから、只の付き添いだな」

「子供達?

 ああ、誰だか、分かったよ。

 そっちも、駒が揃って来たみたいだね?」

「そうでもないさ……これでも、まだ、勝てる見込みがなくてね?」

「よく言うよ、その割には、余裕そうだよ?」

「「ふふふ……」」

 勇者と、魔王の前哨戦モドキの舌戦を、間で聞いている、ザーツは苦笑している。



「なあ、ライ?

 魔王様の後ろにいるのって、親父か?」

 舞台にいる、フードを被った背の高い人物を見て、ルイは尋ねる。

「そうだな。

 多分、隣は母ちゃんだな……二人とも、サウルから出て来たんだ」

 ライも、舞台を見て、フードの人物、二人を誰か確認する。

「丁度良いんじゃない?

 ねぇ、私達も舞台に向かわない?」

 昔、親子喧嘩で家を出て、気不味かったルイは、キーシャに言われて覚悟を決めた。

「……そう、だな。

 今、行っても、一緒か……キーシャ、行こう」

「ええ、ライくんはどうする?」

「うーん、今、行くのは……ちょっと、不味いかな?

 悪いけど、今は二人で行ってよ?

 俺は、後で行くよ」

「何だ?

 お前も、親父達と何かやったのかよ?」

 ルイは、ニヤニヤと、からかう様にライを弄る。

「違うよ……俺だって、色々有るんだ」

 ライは、勇者を見て、ため息を吐く。

「ル~イ?

 ライくん、からかってないで、行くわよ。

 ライくん?

 これの言う事、気にしないで、来れる時に来なさい、ね?」

「うん、ありがとう。

 キーシャ姉ちゃん」

「ふふ」

 ライに、姉ちゃんと言われて、微笑みながら、ルイを引っ張り、舞台に向かう。

 見送ったライは、誰もいない観覧席で独り言を言う。

「俺だって、行きたかったんだぞ……サマエル?」

『ごめんね……今、勇者に、僕の存在がバレるのは、ヤバいんだ』

「分かっているよ」

 ライは、再び、深いため息を吐いた。



 舞台に向かう男女、二人を見て、帝王レオハルトは、国王に提案する。

「ラカール殿、俺達も、舞台に向かわないか?

 リシェルの魔力の圧力も、俺が居れば守れるぞ。

 それに、多分だが、リシェルとは、今行かなければ、会う事が出来なくなると思ったほうがいい」

「そう、だな……」

 国王ラカールは、妻であり、王妃リサを見て、リサが頷くのを確認し、覚悟を決めた。

「舞台に行こう。

 済まぬが、レオハルト殿、よろしく頼む」

「ああ、行こう」

 三人は、護衛のランフォードを連れて、舞台に向かった。



「まあ、良いや。

 今日は、やる事やったし、これで帰ろうかな?」

 勇者は、周りを見て考える

「あ、そうだ……リシェル、君、まだ、声を拾う魔法具持ってたよね?」

 未だ、ミーザに抱きついていた、リシェルは、嫌そうに勇者を見て、集音くんを投げ渡した。

「ありがとう」

 受け取った集音くんを、手のひらで転がし、指で摘まんで話掛けた。

「あー、あー、聞こえるかい?

 僕は、今代の勇者、アベル・ノーマンだ!

 信じられないかもしれないけどね?

 僕は、間違いなく、今代の勇者、アベル・ノーマンだ。

 リシェルの魔力で、大半以上は、気絶しているだろうけど、宣言する。

 僕は、三年後、人族を率いて、魔族と戦争を行う。

 これは、確定だ!

 三年後、戦争を行う!

 強いては、人族の実力者よ!

 僕と共に、魔族を、魔王を倒そうではないか!

 時期を見て、僕は、再び、こうして、まだ見ぬ実力者、高名な実力者達に、声を掛ける!

 その時は、是非に、力を貸して頂きたい!」


 ……

 …………

 ………………うおおおぉぉーーー!


 気絶をしていない者達も、少しずつ、舞台で演説をした、勇者を名乗る青年の言葉を理解し、同意の声を、闘技場に響き渡る。


「はいっ!」

 勇者は、言う事を言い切ったという顔で、集音くんを、ミーザに投げ渡した。

「ふん、今のも、貴様が言う、種蒔きという事か?」

「そうだね。

 思っていたより、反響が有って良かったよ!」

「よく言うよ?

 狙い通りのくせに……で、此れで、私にどうしろというのだ?」

「魔王、君も言いたい事、言えば?」

「此れも、舌戦の一つか……まあ、良いだろう」

 魔王も、集音くんを摘み、魔力を込め、声を放つ。


「さて、観客席に居る者種よ。

 また、闘技場の外に居る者達よ。

 聞こえるか?

 私は、勇者とは、逆の位置に立つ者、今代の魔王、ミーザ・エスクードだ。

 今、そこに居る、勇者が言った事は正しい!

 三年後、この世界、人族と、魔族は戦争をする。

 だが、この勇者は、少し嘘をついた!

 いや、嘘とは、違うか……言うべき事を言っていない、が正しい!

 もし、人族が勝つとしよう……人は、幸せになるだろうか?

 否、ならない!

 何故なら、その時は、この世界、そのものが無くなっているからだ!

 世界が無くなる、それは、全ての人、魔獣、魔族、大地そのものが消えて無くなるだろう。

 何故なら、この勇者は、この世界を作り出した。

 神の一柱が、乗り移り、支配した者だからだ。

 この勇者たる神は、この世界を消滅させる為、この大地に降り立ち、魔族と戦い、滅ぼそうしている。

 私、含め、魔族は、そうはさせまいと、抵抗する為、今まで準備をしていた。

 信じられないだろうが、此れは真実だ。

 私は、無駄な犠牲を出したくない!

 だが、三年後、戦争に混ざり、魔族を滅ぼそうとしている者は、残念だが殺す!

 仕方なく、殺す!

 私達、魔族も死にたくないのでな……よく考えて行動を、起こして欲しい。

 以上だ!」

 この行為は、無駄になるだろう。

 だが、此方が勝てば、勇者の洗脳も消え、私の言葉も、その時には分かって貰えるはずだ。


 既に、魔王の言葉を野次る者、魔王達に反発し、物を投げる者等、その中には、ミーザに抱きついている、リシェルに対しても行われていた。


「親父、お袋……」

 その中で、舞台を上がって来た二人、ルイと、キーシャは、既に、フードを外して素顔を見せているガイ達に対面している。

 ルイ達を、チラリと見ただけで、何も言わないガイに、ラーシャは微笑み、代わりにルイ達に話始める。

「久しぶりね?

 ルイ、キーシャ、元気だった?」

「お母さん……うん、元気、だよ!」

 キーシャは、母優しい言葉に、涙を流す。

「あらあら、キーシャったら、もういい歳になったでしょうに、無事で良かったわ」

「ふん!

 で、見つかったのか?

 魔人の暴走を止める方法は?」

「ああ、見つかった……何とかなった」

「そうか」

 不器用ながらも、親子の会話を交わす二人を邪魔する者が現れる。

「へえ、アスモデウスか……お兄さんも、大悪魔と契約しているだね?」

「……うるさい!

 今、親父と話しているんだ!

 邪魔するなっ!」

 ルイは、背中に背負っている自分と同じだけの長さ、横幅の大剣を、勇者に振るう!


 ガシンッ!


 振るわれた大剣は、勇者の手前で見えない、透明な壁に阻まれ止まった。

「な?」

「無駄だよ!

 勇者の制約で、今の僕は、何者で有ろうと、傷を付ける事は出来ない。

 それが、ルシファーと融合している、リシェルでだって無理だ!

 同じく、アスモデウスと契約している君でもね」

「くそっ!」

 ルイは、悔しそうに大剣を舞台に突き刺し、勇者を睨む。

「ルイ、お前……?」

 勇者の言葉で、大悪魔と契約した事を知った、ガイは覚る。

「ああ、そうだ……アスモデウスと契約した事で、キーシャの暴走は完全に止めた。

 アスモデウスの能力〈支配〉で、キーシャに干渉していた悪魔を支配し、キーシャと融合させた。

 お陰で、キーシャは完全な魔人となり、悪魔の能力も使える様になった」

「へえ、そんな事、出来たんだ?

 勉強になったよ。

 ありがとう、此れで、もう一段、種を蒔ける」

「なんだと?

 どういう意味だ?」

のちに、分かるよ」

 勇者は、ニコニコとして完全には答えないつもりだ。


「じゃあ、別の事を聞かせて貰おう」

 そう言って現れたのは、国王夫妻を連れた、帝王レオハルトだった。

「帝王、レオハルト……」

「確かに、さっきリシェルが言っていたが、魔力は七年前、俺の前に現れた、創造神と同じだ。

 だが、今の、お前は中身が違う……何者だ、貴様は?」

「……僕は、僕さ!

 言ったはずだ。

 僕は勇者、アベル・ノーマンだ!

 七年前、僕に取り付いた創造神は、帝王の前に現れた。

 その後、創造神は僕と融合しようとした。

 リシェルの様に!

 だが、ここで創造神は誤算を生じた。

 それまで、抑え込み、眠らせていた精神体の僕をも、取り込もうとした。

 僕は、飢えていた!

 取り付かれる前の僕は、孤児で、金も無く、着のみ着のまま、常に腹を空かせていた。

 世界を、周りの人々も、自分の人生そのものを、恨んでいた!

 そんな、僕は、創造神というものに、取り込まれようとしている?

 ……ふざけんな!

 そう思った、僕は、逆に創造神を喰らい、取り込み、創造神の記憶、そして能力をも得た!

 そりゃ、帝王よ!

 中身が違うのは、当たり前じゃあないか?」

「なるほどな……それでは、もう一つ聞くが、勇者である、お前は戦争に勝った後で、世界をどうする?」

「……」

 そう来たか、という顔で勇者は答える。

「壊すさ……創造神の代わりじゃないさ。

 さっきも、言ったけど、僕は、世界を憎んでいる」

「そうか、残念だ」

 どちらにせよ、戦わなくてはいけない事に、思いを伏せる。


「魔王、並びに、魔族、その関係者は、其処を動くな!」

 今日、一度も姿を現せなかった、王太子クレインが、近衛兵士を連れ、舞台に上がって来た。

「クレイン、今更、何をしに来た?」

 国王は、姿を現したクレインに問い質す。

「言ったはずです。

 魔族、その関係者の討伐に来たのですよ。

 陛下……いえ、長年、私達や、王国貴族、更には、国民にまで、長らくもの間、騙し続けていた。

 大罪人、ラカール。

 貴方を、犯罪者として、この場で処罰します」

「何だと?

 どういう事だ?」

 誰もが、クレインの申し出に驚く。

 勇者を除いて。

「……そういう事か。

 勇者、王太子を洗脳したな?」

「やっぱり、一番に君が気づくか。

 ザーツ・シュザット」

「ああ、この感じ、あれだろ?

 創造神の天使を……王太子に憑依させたか。

 むごいな。

 お前、創造神の記憶は持っていないのか?」

「持っているさ。

 知ってるよ、君、七年前、天使に取り付かれた魔族、殺しているよね」

「お前……それを知っていて

 リシェルの兄を、犠牲にしたか」

 ザーツは、静かに怒り、リシェルが開放した魔力より、重く、非道く重い魔力が辺りをのし掛かる。

「ふふ、凄いね……今の僕じゃ、全然敵わないな。

 残念だけど、彼、一人じゃないよ?

 この王国で仕様した、天使は五体。

 しかも、この天使は、人族に接触すると洗脳する。

 また、感染する様に、人が人に触れると洗脳する。

 気が付けば、周りは洗脳された者ばかりという訳だ。

 昨日の夜からだから、今はどれだけ増えているだろうね?」

「お前は……」

「因みに、天使を取り付かせたのは、クレイン、

 ルリ、その婚約者のエリック公爵。

 そして……其処にいる、ランフォード」

「なっ?」

 その言葉を聞き、皆、国王達の後ろにいる、ランフォードを見た。

 ランフォードは、剣を抜いており、王妃に斬りかかっていた。

「……ランフォード?」

 王妃リサは、信じられなかった。

 子供の頃より、自分の側にいて、守ってくれたランフォードが、剣を向けるなんて……

「危ない!」

 一番近い、帝王が素早く剣を抜き、受け止める。

「何故……?」

「お嬢様が、私を裏切ったからです」

「裏切った?」

「何故、ですか?

 どうして、私を裏切ったのですか?」

「何を、言っているのです」

 ランフォードは、両手で持っていた剣を、右手だけに持ち変え、離した左手を、動揺して動けないリサに伸ばす。

「させるか!」

 帝王は、片手になり力が弱まった、ランフォードの剣を弾き、隙だらけの腹に蹴り放つ。

「ぐぅっ」

 よろめくランフォードが、その場に膝をついた。

 その際に、帝王はリサと、国王を下がらせ、ランフォードと距離を取った。


「リサ殿、ランフォードは、天使に取り付かれていると、勇者は言った。

 さっき、リサ殿を触ろうとしたのは、リサ殿も洗脳しようとしたのだろう。

 クレイン殿といい、ランフォードといい、言っている事がおかしい。

 ミカエルが言うには、おそらく、記憶や、感情等は洗脳で操り、天使はそれの強化、並びに他の者を洗脳する為に取り付かせているとの事だ」

「つまり、何が言いたいのですか?」

「ランフォードが言った、リサ殿の裏切りとは洗脳で、そう思わせているという事だ」

「……なんて、非道な」

「レオハルト殿、勇者は、ルリとエリック公爵にも天使と付けたと言っていたな?」

「ああ、言っていた」

「エリック公爵は、王国貴族でも顔が広い、ルリは、同じく令嬢達に慕われている。

 ならば、そちら方面も洗脳が広まっているという事で間違いないだろう。

 レオハルト殿、そなたは、もうこの場を離れ、帝国に戻った方が良い。

 勇者が、帝国まで手を伸ばしていなければ、良いんだが」

「ラカール殿……しかし」

「この様な事に、巻き込んでしまい、申し訳ない。

 ラカール殿は、一刻も早く!」

「話は聞かせてもらった。

 帝王よ、私も、貴様は帝国に戻った方が良い。

 国王と、王妃は、私が魔族領にて保護しよう。

 何、リシェルの実の両親だ。

 無下にはしないさ」

 魔王ミーザが、リシェルを伴って、帝王達に近寄り提案する。

「……分かった、よろしく頼む。

 ラカール殿達も、それで良いだろうか?」

「ああ、魔王よ。

 よろしくお願いする」

「分かった。

 暫くは、私に付いて来てくれ。

 帝王の代わりに、そなた達を守ろう」

「頼む」

「帝国は何かがあれば、ミカエルが分かる。

 そのミカエルが、何も言っていないのならば、帝国は、まだ無事なのだろう。

 ……いつまで、抵抗出来るか、分からないがな」

「……レオハルト殿」

「さらばだ。

 ラカール殿、リサ殿。

 魔王よ、二人を頼む。

 ミカエル、帝国に戻るぞ!

 頼む!」

「さらばだ、友よ」

「レオハルト殿、ありがとうございました」

「うむ、さらばだ!」

 ラカールは、姿を消した。

 ミカエルの力で、帝国に転移したのだろう。



「ふん、帝王は戻ったか。

 さて、最後の天使だけど、これは、ちょっと特別でね?

 出て来い、アークよ!」

「なっ?」

 勇者の言葉で、再び、場がざわつく。

 背中から、翼を生やし、空から舞台に降りてきたのは、二十代前半くらいの槍を持った青年だった。

「ふふ……分かんないだろうけど、彼は、間違いなく、昨日、リシェルが戦った、槍聖アーク、その人だよ!」

「……どうして、若返っている?」

「それはね、彼が死んだからさ」

「?」

 リシェルは驚き、息を飲んだ。

「リシェル、どうしたの?

 ……ああ、そうか?

 もしかして、自分のせいだと思っている?

 う~ん、説明する必要はないけど、良いか。

 リシェル、彼が死んだのは、君のせいじゃない。

 彼は、一人、どこかに引き込もって、余生を生きようとしていたから、僕がスカウトしに行ったんだけどね。

 断られた理由は……僕が邪悪なんだって?

 非道いよね?

 んで、天使を取り付かせようとしたら、自決したんだ。

 僕的には、その方が都合が良いんだけどね。

 結果、こうなりました!

 槍の技術はそのまま、若返って力も、速さも断然、凄いよ!

 今なら、リシェルでも勝てないんじゃないかな?」

 勇者は、何とも思わないのか、あっけらかんと言う。



「な、アークだと?」

 舞台に降り立ち現れた青年を見て、ギルド本部長、タイタン・ギガボルトは呟く。

 既に、観客席は、案内役で待機していた兵士達の接触により、洗脳による阿鼻叫喚な空間となっていた。

 アンリは、準決勝が終わった時点で、一度、席を立っていた時に、接触していたらしく、戻って来た時、ルーと、タイタンを洗脳しようと近寄って来た。

 その時、ザーツの怒りの魔力により、膝をつき、頭を打って気絶していた。

 そして、二人は近寄って来る人々を、タイタンの結界で阻み凌いでいた。

 が、タイタンが、舞台を見て動揺し、結界が緩み始めた。

「~~~、本部長!

 大丈夫ですか?

 私に、提案が有るのですけど!」

「……済まん、大丈夫だ。

 其れで、提案とは?」

「本当は、やりたくない手段ですけど……本部長、嫌わないで下さいね?」

 ルーは、泣きそうな顔をしながら、服の袖口を捲り上げ、腕に有る特長を出した。

 それは、ある魔族の証である鱗、魔鱗族の証だった。

「……ルー嬢ちゃん、お前さん、魔族だったのか?」

「……そうです。

 もし良ければ、これから舞台に行きます。

 でも、私と行動するのが嫌なら、私、一人で行きます」

 ルーは、拒まれるのを恐れながら、タイタンに問う。

「ふん、何を今更、この三日間、共に仕事をして来て何を言う?」

「だって、魔族だってバレたら……」

「確かに、この大会が、始まる前なら、そうだったかもな?

 だが、今の状況で、そんな事を、ワシが言うか?

 馬鹿者め!」

「……そうです、よね?

 今更ですよね?

 分かりました!

 本部長、一緒に行きましょう!」

 そう言って、ルーは、早口で、複雑な、呪文を唱えている。

 魔法でも、魔術でも無い、呪文。

「来て!

 フォルネウス!」

 ルーは、叫ぶ。

 すると、空中に魔法陣が現れ、魔法陣から何かが出現した。

 鮫の様なフォルムだが、両脇から生えるエイの様なヒレが有り、長さが十メトルも有り、かなり大きい。

 空中を泳ぐ姿は、荒々しくも美しい、そんな存在だった。

 フォルネウスは、ルーの近くに寄り、ルー達は背中に乗って、舞台に向かった。



「な?

 あれは、フォルネウス?

 誰が、呼んだんだ?」

 ザーツは、異様な魔力を感じ、勇者から目を離すと、此方に向かって来るフォルネウスを見て驚いた。

 フォルネウスの背中に乗っているのは、傭兵ギルド本部長、タイタンと、濃い青色が美しい髪を肩まで伸ばした二十歳くらいの女性だった。

 女性は、両腕に鱗を持ち、魔族だと証明していた。

 舞台まで来た、フォルネウスは二人を降ろし、空中で待機する。

「貴女は、誰?

 フォルネウスを呼んだのは、貴女よね?」

 魔王ミーザは、国王達を連れ、青色の髪の魔族に問う。

「魔王様、お初にございます。

 私、先程まで、状況をしていた。

 ルー・ルーセントにございます」

「何と、貴女、魔族だったのか」

「ええ、そうです。

 しかし、私の素性は後にして、今はこの状況を」

「そうね、その通りだわ!

 でも、これだけは言わせて?

 来てくれて、ありがとう」

「はい、後、この方の保護をお願いします」

 横にいた、タイタンを見て納得する。

「勿論、構わないが……確認させて貰うぞ?

 貴方は、人族でも、かなりの重要人物となるはずだが、構わないのか?」

「今の現状、其方の方が正しいと思えるしな。

 それに……あれを見て、正しいと思えるか?」

 ザーツと対峙している、天使アークを指して、タイタンは憤る。

「そう、だな。

 確かに、あれは非道い……前に、創造神のヤツがした時も思ったが、一回り上だな」

「それに国王様達を、連れて行くんだ。

 ワシごとき、変わらんだろ」

「ごときとは、思わないが……それも、そうか」

 二人は、笑い合う。



「んー、せっかく帝王が居なくなったのに、また、増えた。

 しかも、大悪魔だって?

 いきなり、増えすぎだろ?

 まったく、アーク!クレイン!

 残念だが、今回は引き上げるぞ!」

「「はっ!」」

 アークと、クレインは、勇者に近付き、勇者の転移で姿を消した。


「行ったか?

 しかし、この状況、どうするか……」

 ザーツは、闘技場全体を見渡し考える。

「はーい、はーい、俺に考え有るよ!

 ザーツさん!」

 勇者が、居なくなった時点で、姿を現したライが手を上げ、アピールする。

「ライか、久しぶりだな?

 今頃、出て来て、何か理由が有るのか?」

「うん、まあね。

 それより、こんな策はどうかな?」

「言ってみろ?」

「其処のルーさんの悪魔って、水系みたいだし、力を借りて、俺の雷で全員、気絶させるのは、どう?」

「ふむ、良いかもしれんな?

 全員は無理でも、大半は行けるか?」

「でしょ?」

「よし!」

 ザーツと、ライはミーザの元へ、向かい説明した。

「なるほど、やってみる価値はあるな?

 ルーよ、頼めるか?」

「勿論です。

 フォルネウス、お願い!」

 すると、フォルネウスは闘技場全体に空中を泳ぎ廻り大雨を流す。

 止んだあと、ライが全体に、雷魔法を掛ける。

 全身を濡らした観客や、舞台に、雷が走る。

 闘技場に居る者の殆どが、身体を麻痺させ、動けない状態になり、その場で倒れている。

「うーん、成功と言えば、成功だけど、洗脳されていない人も、纏めて麻痺しているから、失敗かな?」

「いや、仕方がないだろ、それは?

 この中から、探し出すには時間が掛かる」

「……ちょっと、やってみる」

 ミーザから離れた、リシェルは、何やら目を瞑り集中する。

「……〈光属性、聖魔法、解呪〉」

 リシェルは、先程、魔力の解放をした時と違う、優しく、癒される様な魔力が闘技場に広がり、倒れている人々に巡る。

 倒れた人々は、傷は癒えて、落ち着きは取り戻したみたいだが、肝心の洗脳は溶けなかった様だ。

「失敗した……この洗脳、やっぱり勇者と、天使を排除しないと解けないみたい」

 リシェルは、悔しそうに俯き、顔をしかめる。

 勇者と、天使を排除する。

 それは、兄や、まだ会った事のない姉と、その婚約者、優しかったランフォードを傷つけ倒すか、最悪の場合、殺さなければならない。

 勇者を、先にというのは、難しい事だから……

 この後、簡単に相談して、国民達はそのままで、魔王城に戻る事になった。



 こうして、イルミア王国は、勇者に支配され、勇者の戦力に組み込まれてしまった。

 戦争が起こる迄、後、三年。

 両族は、この合間に、戦力を固め、戦の準備を進めて行くのだった。


話が長くなり、すみません。

次回からは5章となります。

週に、一回投稿……早く書けなくて申し訳ありません。

どうしても、今はこれが精一杯です。


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よろしくお願いします。

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