3章 7 別れ
出来ました。
やっぱり体力が無い、私は平成最後の投稿
無理、でした~(T_T)
と、いう事で、令和最初の投稿です。
最長話となりました。
びっくりです。
よろしくお願いします。
ギルバートの所に戻ると、ギルバートは深く頭を下げ出迎えた。
「有難うございます。
これで、私と、サウルの街に掛かる脅威が無くなりました。
ギルドに預けた依頼料は勿論、私が作り出した魔石を、必要な分を頂いてくれませんか?」
「良いのか?」
「はい、只、魔石を作り出したのは、私の趣味を兼ねた実験ですが、元々は魔王軍に提供しょうと思っていたので……」
「そうなのか、なら、俺は直に魔王城に行くから、持って行こうか?」
「はい、それに関して、お願いがございます。
……リシェル殿、私の本体を、魔石から取り出して頂けないでしょうか?
全属性を持つ貴女なら、私が暴走させてしまった魔法を解除出来ると思いますが……」
「私?」
指名されたリシェルに、皆の視線が集中する。
「う~ん、多分~、出来ると思うけど~」
リシェルは難しい顔をしながら悩む。
「手順等、私が説明しますので、お願い致します」
ギルバートが、頭を下げる。
「う~ん」
「リシェルは、何を困っているんだ?」
「……おとうさん、あのね、制御が少し不安なんだ。
って、そうだ!
おとうさん、私に魔力同調して、手伝って?」
「良いぞ、俺も、融合魔法に興味が有るしな」
「ギルバートさん、何とかなりそうです!」
「本当ですか?
よろしくお願いします」
ギルバートは、何度も頭を下げた。
「ガイ、悪いが先にギルドに戻って報告、頼めるか?」
「そりゃ、良いが、どうやって戻る?
別に歩いても、良いが方向が今一分からんぞ」
「あ、では、私が転移で送ります。
報告は、私も行った方が良いでしょうから。
その間、ザーツ殿達には、私が書き記した、魔法式と理論を見て頂いて宜しいでしょうか?」
「そういうの有るんだ……あー、じゃあ、頼めるか?
後、俺と、リシェルが持っている、キングと、ジェネラルの魔石とかは、戻った時に出す。
と、言っておいてくれ」
「はい、分かりました。
では、皆様、宜しければ、私に触ってください」
「ああ、頼んだ」
ガイ達は、ギルバートに触れ、それを確認した、ギルバートは「行きます」と、言って転移した。
「さて、リシェル、少し横になって、眠っても良いぞ?
ギルバートが、帰って来たら、お越してやるから」
ザーツは、地面に座り、自分の太ももを叩きながら、リシェルを誘う。
「……ううん、大丈夫。
私も、それ見たい」
「そうか?
じゃあ、一緒に見るか?」
「うん!」
ザーツは、再び太ももを叩き、リシェルに座る様に勧める。
「おとうさん」
そういうザーツに、リシェルは、子供じゃない、という風に講義する。
「そんな顔するな、リシェル。
俺は、明日から修行に行くつもりだ。
暫く会えない、今の内に、お前を構わせてくれても良いんじゃないか?」
「……ずるい」
「嫌か?
嫌なら、まあ、良いが……」
「嫌じゃ、ない」
リシェルは、飛び付く様にザーツの懐に入り、凭れる様に座った。
「リシェル、ありがとう。
ふふ、明日、ミーザに自慢してやろう」
「あははっ」
暫く二人で笑い合った。
「さて、資料、見てみるか?」
「うん」
ギルバートから、預かった資料を目に通していく。
「うーん、理論の方は、おかしい所は無いな……やっぱり、魔法式の方か?」
「そうだね~?」
がさっ、と次の用紙に目を向けた。
「……ん?
ここと、ここ、惜しいな。
これだと、土と水の魔石の意味合いが違わないか?」
「……本当だ。
あ、おとうさん、ここもおかしいよ?」
「どれ?」
「ここ、これって、自分に魔法を掛ける事にならない?」
「おー、よく見つけたな、リシェル。
対象を別に……そうだな、それこそ闇の魔石に、掛けてやれば、魔法を解除しなくても、助け出せるんじゃないのか?」
「そう、だね!
他は……大丈夫そうかな?」
「ああ、無いな。
ギルバートが、戻って来たら、やってみるか」
「うん」
そうして、ギルバートが戻って来る間、二人は色んな話をした。
暫くして、戻って来たギルバートに、説明をして、早速、本体が眠る洞窟に行き、実行した。
結果として、成功し、アミルを魔石の中から、救い出し、ギルバートの体内から、アミルへ魂を移し直した。
「有難うございます。
やっと、本来の身体に戻る事が出来ました。
私も、暫く身体に慣れるまで、魔王城に行き、その後、皆様と共に、神である勇者との戦いに挑みましょう」
「そうか、ならば、明日、俺は魔王城に向かうので、一緒に行くか?」
「宜しければ……」
「ギルバートの抜け柄?
これは、どうするんだ?」
「勿論、持って行きます。
もう、入る事は無いでしょうが、良く出来ているので、疑似霊魂を入れ、私の死霊兵の隊長として使います」
そう言って、〈影魔法、収納〉に、ギルバートを入れた。
「じゃあ、ギルバート、じゃなくて、アミルだな?
アミル、今日は俺達の家に来るか?」
「有難うございます。
宜しければ、その様に」
「リシェル、構わないな」
「うん、アミルさん、宜しくね?」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
「じゃあ、二人共、街に戻るか」
「うん」
「はい」
ザーツと、アミルは魔石を全て回収し、三人で街に戻った。
三人は街に入り、ギルドに向かった。
ギルドに入ると、ガイが待っていたので、話を聞いた。
「子供達は、報告を終わらせ、先に家に帰らせた。
まあ、オークの魔石とか、肉とか、数が数だしな、精算を待っていたんだ。
お前達も、早く出してこい。
今なら、まだ一緒にやってくれるはずだ」
「分かった、そうするよ」
「アミルで良かったんだな?
戻れて、良かったな」
「はい、有難うございます」
「後で、詳しい事、聞かせてくれ。
まずは、あいつらの報告が、先だからよ」
「ええ、そうですね」
見ると、ザーツと、リシェルは、アリアにキングとジェネラルの魔石と素材を預け、ギルド長に繋ぐ様に話していた。
二人の下に行き、アリアが、ガイとアミルに気が付き、ギルド長の下へ、報告に行き、戻って来て案内した。
四人は、ギルド長の部屋に入り、アミルの件も含め報告をした。
「……そうか、分かった。
リシェル、ギルドカードを出してくれるか?
約束通り、ランクを上げてやる。
ザーツと、ガイは……やっぱり、断るか。
お前ら、とっくにSランクに上がれるのに、毎回、毎回断りやがって!」
「別に、必要としないんだ、構わないだろ?
それと、ギルド長、明日から俺、この街を出るから、宜しく」
「はぁ?
何、言ってんだ、お前……って、マジか?
ガイ、お前、知っていたのか?」
「ああ、聞いてる」
「理由は?
リシェルと、一緒に行くつもりか?」
「……まぁ、お前なら良いか、実はな」
ザーツは、ギルド長に、三年後に起こる事を話し、出来れば、この街は、勇者との戦争に関わりの無い様に頼んだ。
「……マジか、マジか?
くそっ、分かった。
出来るだけ、俺の権限を使って、根回ししておく。
ガイも、フォロー頼むぞ」
「分かっている」
「リシェル、お前、まだ小さいのに大変だな?
どうする、ワイバーンは止めておくか、お前には、あんまり、意味無いしな?」
「そうなの?」
「ああ、別に受けたいなら、構わないが、前に言ってた様に、色んな所に行って、色んな依頼受けて、自分を鍛えた方が良いと、俺は思う。
後、ガイが居るこの場で、これを言うのも何だが、レイと、ランとはチームを離れ、ソロの方が良いと、お前には向いていると思う。
……違うな、お前に、レイと、ランが合わないの方が正解だな。
ザーツ、お前はどう思う?」
「今になっては、俺も思う。
理由は、まあ、色々有るが……」
皆の目が、リシェルに向く。
「良く分かんないけど、考えてみる……」
「そうか、それでいい。
ああ、忘れてた、リシェル、ギルドカード」
「あ、はい、これ」
リシェルは、ギルド長に渡し、受け取ったギルド長は部屋を出て、アリアに預けた。
戻って来た、ギルド長は、もう少しで精算が終わると告げ、雑談をしていた。
暫くして、アリアが部屋に入りギルド長に六等分に分けた報酬と、リシェルのカードを、ギルド長に預け、部屋を出て行った。
「待たせたな。
依頼報酬と、リシェルのカードだ。
確認、頼む」
「分かった」
ザーツと、ガイは報酬の確認を、リシェルは、自分のカードを確認した。
「……あれ、ランクが、Cランクになってる?」
「ああ、そうだ。
俺の権限で、上げておいた。
レアなハーミット・オーガやオークキングを、倒せる奴を低ランクにしておけるか!
本来、別にAランクでも、良いくらいだ。
ただ、傭兵になったばかりだからといって、駄目出ししやがって……」
「私、別にこれで良いよ?」
「すまんな……そうだ、リシェル、旅出たら、王国にも行くだろ?
知ってるか、半年後、王国で、傭兵が集まっての大会をやるそうだ。
リシェルも、出る気が有るなら、出てみたらどうだ?」
「そんなの有るのか?
今まで、王国で、そんな大会、無かっただろ、帝国じゃ在るまいし?」
「俺も、そう思って、確認したんだが、本当にやるらしい。
まあ、リシェルも出る気が有るなら、参加してみたら良い」
「分かりました」
「よし、報酬も間違いない、そろそろ、帰るか?」
「そうだな、ギルド長、今日は、これで失礼する」
「ああ、お疲れさん」
ザーツ達は部屋を出て行った。
「……確かに、あの歳で、オークキングを倒せるなんて、普通は信じないか。
俺だって、カード見なかったら、信じられないしな」
出て行った、ドアを見つめて、ギルド長はつぶやく。
四人は、まずガイの家に帰り、リシェル、とガイはレイの部屋に、報酬の件で向かった。
少しだけ開いたドアから、レイと、ランの話す声が聞こえた。
「どうして、リシェルばっかり!
色んな人に、目を掛けられるのよ?」
ランの、大きな声が、ドアをノックしようとしていた、リシェルの動きが止まった。
「それもだけど、僕は、リシェルが怖い……いくら、ザーツさんや、父さんに、七年間、鍛えられたといっても、リシェルの力が怖い、リシェルは分かっていないけど、全属性って何なんだ?
運命か、何か知らないけど、おかしいだろ!」
中で、言い合っている二人は気が付かず、話は続いていく。
固まっいるリシェルに、ガイは静かに肩を叩き、部屋を離れた。
ザーツ達の居る部屋に戻った二人は椅子に座る。
「すまんな、リシェル。
二人には後で言っておく」
顔を青くしたリシェルに、ガイは謝る。
「……」
「何が、有ったんだ?」
ザーツは、ガイに問う。
「実は……」
ガイは、さっきの出来事を、皆に話した。
「そうか、ギルド長も、多分、二人の心境に、気が付いて、言ってたんだな……」
「お前も、気が付いていたんだろう?」
「……まあな、オーク討伐の時、俺が口を出したのも、それを危惧してだったんだが」
「俺は、気が付かなかった……父親、失格だな」
「しかし、あの子達も何だい!
リシェルが悪い訳無いじゃない。
あの子達には、ちゃんと話をしたはずなのに!」
ラーシャは、ガイの話を聞いて、憤慨していた。
「私は、実は遠見で見ていたので、知っていました。
シーバイパーの時も、一旦、海に逃げ出した時、二人は追って海に、リシェル殿はライ殿の治療しながらも、地面を進んで、リシェル殿に近寄るバイパーに気付いて、倒した時の二人の表情も、その後、二人で、今みたいに話し合っていた事も知っていました。
この事を、話さなくて、申し訳ございません」
「アミル、お前が気にする事ではないよ。
リシェル、お前は、どうする?」
「……え、あ、うん、そう……だね?
もし、私が一緒に居る事で、レイ兄さん達に負担が掛かるなら、ギルド長の言う通り、ソロになろうかな?」
「……そんな、リシェルが悪い訳無いでしょ!」
「ラーシャ、そう怒るな?
誰も、そんな事、思っていない。
ザーツ、もう一度、ギルドに行ってチーム脱退頼めるか?
リシェル、悪いが、……申し訳ないが、脱退してもらえるか?」
ガイが、頭を下げた。
「はい、ガイおじさん、気にしないでください」
「……リシェル、行こうか?」
「……うん」
「私も、行きます」
ザーツは、リシェル、アミルを連れだって、ギルドに向かった。
「さて」
ガイは、椅子から立ちあがり、再び、レイの部屋に向かった。
レイの部屋から、まだ二人の話声が聞こえる。
どうやら、まだ言い足りないのか、同じ様な事を言っていた。
ガイは、深いため息を吐き、ドアを開けた。
「おい、いつまで、そんな話をしている?
薄いドアの上、少し開いたドア、聞いてくれと言う様な声、少しは考えたらどうだ?」
「……父さん、父さんには関係無い!」
「そうよ、お父さんには、関係無い!」
「関係無い、だと?
お前ら、関係の有るリシェルが、聞いていたとは、思わないのか!」
ガイが、キレ、二人に怒鳴った。
「「……え?」」
「もう、うるさいなぁ、?
何だよ、大声出して、俺、寝てたのに……」
「……ライ、居たのか?」
「居るよ?
居ちゃ駄目なのかよ?」
「いや、すまん……すっかり、お前の事忘れてた」
「ひでぇ!
本気で忘れてたな?」
「そんな事より、父さん。
リシェルが聞いていたって、本当?」
レイが、顔を青くして尋ねる。
「そんな事って……」
ライが、ショックを受け、泣きそうになっている。
「そもそも、何が、有ったんだよ?
話、見えねぇ」
「はぁ、ライも聞け……」
ガイは、さっきの出来事を三人に話した。
「因みに、母さん、ラーシャは滅茶苦茶怒っている」
「マジかよ?
レイにぃ達、そんな事、言ってたのかよ?
そりゃ、母ちゃん、怒るわ」
「うるさい、ライ!
ライは、そういう気持ちになった事が無いから、そんな事言えるのよ」
「……有るぜ?」
「嘘!」
「嘘じゃ、ねぇよ。
そんなの、とっくに経験してるよ」
「何時?」
「何時って……ランねぇが十二歳になって、傭兵になって、レイにぃと、街を出た後だったかな?
あの時、俺、リシェルと二人で、修行していて、あいつ、何時も俺より早く覚えるから、ずっとイライラしてたんだ。
でもさ、色々、考えたんだ。
ザーツさんにも、相談したし……」
「いや、お前、父親の俺に相談しろよ?」
「……したじゃん、そしたら、父ちゃん、リシェルは、リシェル。
お前は、お前って言ったじゃん。
まあ、その通りだったけどさ、もうちょっと、説明有っても良いと思うけど?」
「……あー、有ったな、確かに、そう言ったわ」
「だろ?」
「それで?」
「ん?」
「それで、結局、どうやって、イライラが無くなったのよ?」
「……ザーツさんに、相談して、『お前が、リシェルの事、どう思っているのか、よく考えろ。お前の感情が、思いが、どうなのか、考えろ』だったかな?」
「で、どう、思ったのよ?」
「ん?
ああ、俺、リシェルの事、好きだわ、って思った。
好きだから、負ける事にイライラしてた、って思ったんだ」
「好きだから……」
「それ、ザーツさんに言ったら、メッチャ怖い笑顔で、『ライは、もう少し、落ち着きを持って、行動出来るようになろうな?』って言われたよ」
「好きだから……」
「もう、ランねぇ、何度も言うなよ、恥ずかしいじゃん!」
ライが、ランに文句を言うのに、顔を見ると、ランは涙を流していた。
「私、何て事を……」
「父さん、リシェルは?」
「……今、ザーツと、ギルドで脱退の手続きをしている」
「そう……」
「待てよ、父ちゃん。
俺は、何も言って無いぞ?」
「すまん、ギルドで、リシェルはソロの方が良いと話をしていた時から、お前の事、話題にも乗らなかったわ」
「ひでぇ?
とりあえず、ギルドだな?
俺は、リシェルに、付いていくぞ?
あいつ、何でも出来るけど、どっか抜けてるところ有るから、一人に出来るか!」
そう言って、ライは家を出た。
「ライ、本気で、リシェルの事、好きなのね……まだ、完全に、気付いてないみたいだけど?」
「だな……お前達は、行くなよ?
ライのお陰か、状況のせいか、分からんが、落ち着いたみたいだな?」
「父さん、僕達、リシェルに……」
「そうだな、不可抗力とは言え、思っていた事を、しっかり聞いてしまったんだ。
もう、今までの通りには、過ごせないだろうな」
「お父さん、リシェルに謝りたい」
「悪いが、今は、行かせない。
最悪、もう会えないかもしれんが……」
「……どういう事?」
「前にも、言ったろう?
あいつの、リシェルの運命は、それ程に複雑だ」
「そんな……
「レイ、お前はどうする」
「償いたい」
「どうやって?」
「強くなりたい」
「強くなって、どうする?」
「陰からでも、良い、リシェルの手助けしたい。
……力になりたい」
「ランは?」
「私も……強くなる。
強くなって、リシェルに謝りたい」
「そうか、俺は……いや、俺達は応援する。
なぁ、ラーシャ?」
「気付いてたの?
そうね、応援するし、手伝うわ。
……もし、反省してなかったら、親子の縁を切って、家、放り出していたわ」
「「ごめんなさい」」
「それが、リシェルに言える様に、頑張りなさい。
ご飯、出来たわよ。
食べましょう」
そして、ライは、再び忘れられていた。
「リシェルぅ~」
ギルドに着いた、ライは、勢い良く、ギルドのドアを開け、叫ぶ。
「こら!
ライくん、静かに入らなきゃ、駄目でしょ?
ドアを、壊す気なの?」
「すみません、アリアさん、リシェル、来てるだろ?
どこにいる?」
「もう、話、聞いてない……リシェルちゃんなら、ザーツさん達と、ギルド長の部屋で話しているわ」
「ギルド長の部屋だな?」
そう言って、ライは、ギルド長の部屋に向かった。
「こら~、勝手に行くなー!
って、もう、本当に聞いてない!」
これは、罰金物ね、って、ブツブツと、アリアさんは怒っている。
「リシェル~」
バンッ、とギルド長の部屋のドアを開け、ライが入ってくる。
「ライくん?」
「父ちゃんから、聞いた。
ソロは、駄目だ!
俺も、リシェルに着いて行く。
駄目だって、言っても着いて行く。
と、言うか、皆、俺の事、忘れ過ぎだろ?」
「ライくん……ギルド長、ソロじゃなくて、コンビでお願いします」
「リシェル~」
感動の余り、リシェルに抱き着こうとした、ライを、ザーツが、手で抑え止める。
「……ザーツさん」
「ふふん、ライ、悪いが、まだ認められないな?」
「いつか、絶対、認めさせる」
「因みに、俺の他にも、強力なストッパーが居るから、頑張れ、よ」
ザーツは、次いでとばかりに、ライに術を掛ける。
「今の掛けた術が、解けたら認めてやるよ」
俺はな、と、呟いて、ギルド長との話に戻る。
「ギルド長、悪いけど、そういう事になった。
よろしく頼む」
「分かった、ちゃんと登録しておく」
「よろしく」
ザーツは、リシェル達を連れ、部屋を出た。
「じゃあ、明日は早いけど、ここに集合という事で、じゃあな、ライ」
「おやすみ、ライくん」
「おやすみなさい、ライ殿」
「おやすみ~」
ザーツ達は、家に帰り、ライも帰ろうと思い家に向かう。
「……?」
歩いている途中、違和感を感じたが分からず、そのままライは歩き続けた。
ここから、数十キロメトル離れた場所、一体の神霊が、姿、気配を消し、ライを見続けていた。
そして、ライが家に着いたら、皆、食事を終えていた。
ラーシャが、ちゃんとライの分を避けていた。
母ちゃん、マジ感謝!
朝になり、ザーツ、リシェル、ライ、アミルはギルドで集まり、街をでて、ザーツと、アミルは魔王城に、転移し、リシェルと、ライは、まず色々村や町に寄って、王国に向かった。
3章はこれで終わりです。
次回、4章、王国編?
なるかな?
何時も、読んで頂いている方、
ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします。
m(__)m




