2章 4 リシェル、オーガと戦う
出来ました。
また、途中で消してしまいました。
8割出来ていたのに……(T_T)
復旧、書き上げまで半日以上掛かりました。
よろしくお願いします。
ザーツ達はギルドに着いた。
中では、傭兵達や、ギルド職員とで、騒然としている。
その中で、顔を青くしたアリアがいた。
「アリア、何があった」
「え、あ、ザーツ、さん?」
青い顔をした、アリアが泣きそうになりながらでも話し始めた。
「先程、ランクが低い傭兵達が、戻って来たのですが、森の奥で百匹を越えるゴブリンを見たそうです。
傭兵達は自分達では、手が負えないと判断し、ギルドに戻って来たとの事です。
問題は、傭兵達が、その三十分前に、リシェルちゃん達と会っているそうなんです。
傭兵達も、その後もリシェルちゃん達とは会わず、戻って来ていると思っていたそうなんですが……」
「……そうか、リシェル達は、まだ戻ってないんだな?」
「……そう、か、って、どう、して?
どうして、そんなに冷静で要られるんですか?
リシェルがしん」
「そこまでだ、アリアちゃん!
……怒鳴って悪かった、アリアちゃん。
だが、ザーツが、リシェルの事を心配していない訳ないじゃないか?
こいつは、ただ冷静に物事を判断する為に、冷静に努めているだけだよ」
「……あ」
アリアが、ザーツの態度に、苛立ちを覚え、怒り
、怒鳴ろとしたところを、ガイが遮る。
「ガイ、長い……大丈夫、気にしていない。
アリア、傭兵が帰って来てどのくらい時間が経っている?
後、場所はどの辺りか、分かるか?」
「あ、はい、時間は大体、三、四十分くらいかと、場所は……」
アリアは受付の机から、地図を出し、一部を指で差し、円を描く。
「この辺りだと」
「そうか……結構、深いな。
よし、ガイ、行くぞ」
「分かった」
「ありがとう、アリア」
ザーツとガイは受付を離れ、ギルドを出た。
「ザーツさん……怒ってた」
ザーツ達を見送った後、アリアはとうとう泣き出した。
「大丈夫よ、彼、貴女に怒っていた訳ではないと思うよ?」
「……でも」
「彼は、多分、自分に怒ってたんだと思う。
だから、泣くのやめなさい?」
「……何で、分かるんですか?」
「単に、貴女より、歳を取っているからよ」
職員の先輩に、ハンカチで軽く涙を拭きながら、慰めの言葉をかけてもらう。
「後、リシェルちゃんが無事に帰って来たら、お帰りって言ってあげなさい?」
「……はい、ありがとうございます」
ハンカチを、私に渡して先輩は仕事に戻った。
ザーツとガイは、街中を走っていた。
「ザーツ、魔力飛ばして、リシェル達の状況わからないか?
それで、場所分かったら、転移するとか?」
「無理だ、ここから飛ばすには、人が多すぎる。
それに、転移は場所の風景が、判らなければ出来ない」
「じゃあ、まずは街を出るしかないのか」
「その通りだ……急ぐぞ」
「分かった」
二人は、まずは街の外に向かった。
時間は遡り。
リシェルは、ハーミット・オーガを引きつける為、レイ達から離れ走った。
ランや、ライの説教という言葉に、苦笑しながら走った。
私がオーガを引きつけしまえば、混戦を避けれる。
そうすれば、レイ兄さん達は、ゴブリン達だけに集中出来る。
走りながら後ろを見た。
再び姿は隠したみたいだが、追って来ている気配は確実にある。
本当に、私を狙っているみたいだ。
ブンッ、と風切り音が聞こえた。
「きゃっ」
風圧が私を襲う。
バランスを崩し、足を木の根に引っかけ、転けてしまった。
顔を上げる。
もう近くまで、オーガは来て棍棒を振り上げている。
私は、直ぐにその場を離れた。
離れた場所に、棍棒がめり込んでいる。
オーガは、顔を上げ此方を見る。
私は全力で、光魔法・閃光を放った。
オーガと、少し距離が空いた為、目を潰す事は出来なかったが、一時的な目眩ましにはなった様だ。
私は立ちあがり、再び走りだした。
こんな木が密集している場所ではなく、もっと開けた場所、七年前に、おかあさんと会った場所、
この近くだったはず。
もう少しで着く。
それまでは走る。
そこで、決着を着ける。
それまで、私は全力で逃げる。
リシェルが、僕達から離れ、ハーミット・オーガを引きつける為に走った。
「後でリシェル、説教ね!」
「そうだな!っと」
ランとライは、リシェルに聞こえる様に言った。
「ラン、ライ。
リシェルは僕達を思って」
「分かっているわ。
リシェルが、混戦を避ける為に、私達から離れたのは」
「だけど、こう言っておかなきゃ、あいつ、何回でも自分を犠牲にするぞ?」
「まあ、その通りだ。
が、リシェルの取った行動は間違いではない。
後、此処で僕達がこいつら、ゴブリンを倒さなければ、街に行くかもしれない……それだけは食い止めなくちゃならない。
なら、あいつの言う通り、急いでゴブリンを倒し、リシェルの下に行くぞ」
「「おう」」
「ラン、この森、木が密集した場所では弓は扱い難い、剣に変え戦え」
「分かったわ」
ランはアイテムボックスに愛用の黒弓を直さず、闇属性、影魔法・収納に納め、変わりに刺突剣を取り出し構えた。
「ランはこれに変えて戦え」
僕は影魔法・収納から剣から片手斧に武器を持ち変え、次いで、ライの武器、手甲と足甲を取り出し投げ渡した。
「分かった」
手甲と足甲を受け取って素早く装置し、通常武器の鉄棍を投げ返した。
「ラン、雷魔法も出来るだけ大技は使うな、木が邪魔だ。
使うのは近接、もしくは開いた場所でゴブリンが集まった時は狙え」
「よっしゃぁ!」
「よし、戦闘開始だ!」
「「おうっ」」
それぞれ、三方に別れゴブリンとの戦いを始めた。
時間は戻り。
ザーツとガイは街を出た。
早速、ザーツは魔力を森に放ち、リシェル達の状況を調べた。
「レイ達とゴブリンが戦っている。
が、どういう事だ?
リシェルがいない?」
「何だと?」
「レイに聞いてみる」
レイに思念を送り、状況を聞く事にした。
『レイ、レイ、聞こえるか?』
『ザーツさん?』
『ああ、俺だ、ザーツだ。
お前達が、ゴブリンと戦闘中なのは分かっている。
もう、返事はしなくていい。
だが、リシェルの姿が見えない。
どうしていないのか、頭に思い浮かべてくれ。
それで、分かる』
『分かりました』
レイは、ラン達に俺からの思念が届いたと告げ、フォローを受けながら、リシェルの状況を思い浮かべる。
『分かった。
ありがとう、レイ。
もう直ぐ、ガイが、そちらに向かうから頑張れ』
『はい、ありがとうございます』
思念を切り、ガイに、レイからの思念で知った状況を伝える。
「と、いう事だ。
二手に別れるぞ、レイ達は向こうの方向にいる。
ガイが向かってくれ。
俺は、リシェルを探し、そちらに向かう」
「よし、分かった。
しかし、ハーミット・オーガかよ?
珍しいな、じゃあ、俺は息子達の所に向かう」
「ああ、行ってくれ。
俺は、リシェルの所に」
リシェルはどこだ?
俺は魔力の範囲を広げ、リシェルを探した。
……いた、無事みたいだ。
場所は……あの平地か、あそこなら転移出来る。
俺は、七年前、ミーザと再会した平地に跳んだ。
転移して、見た光景は、リシェルは多少の傷を負って、息を荒げて、片膝をつけながらも、ハーミット・オーガと向かい会っていた。
オーガを見た。
間違いなく、ハーミット・オーガだが、肌の色が黒い。
ハーミット・オーガは森に現れるので緑色のはずだ。
と、いう事は、あのオーガは……
「リシェル、大丈夫か?」
リシェルに近づき、声をかける。
オーガも俺に気がついたが、俺の実力に本能で分かったのか、攻撃してこない。
警戒して、その場から動けない。
「……おとうさん?」
「ああ、頑張ったな。
リシェル、聞くぞ?
リシェルは、まだ、あれと戦いたいかい?
俺と変わるか?」
リシェルは、俺の言葉を聞き考える。
「……戦っていいの?」
「リシェルが望むなら、だが、助言はするぞ?」
「私……戦いたい。
もう少しで、何か、分かりそうな気がするから」
「そうか、じゃあ、頑張りなさい。
リシェル、あのオーガの肌の色、どう思う?」
「え、あ……く、黒いかな?」
「そうだな、黒い。
ハーミット・オーガは希な存在で、余り知られていないが、暗い森の中で生活しているから、基本、肌は緑色に近いが、あのオーガは、リシェルの言う通り、黒い。
あれは、更に希な存在、ハーミット・ダーク・オーガだ。
その為、属性も土から……後は分かるね?
リシェル、頑張りなさい。
もう少しだ」
「……はい!」
リシェルは、立ちあがり、もう一度オーガと向かい合った。
俺は、ミーザから受け取った槍を、影から出し、リシェルに渡した。
「ミーザからだ。
『誕生日おめでとう、お祝いに行けなくて、ごめんね、これプレゼント、リシェル専用の槍、良かったら使ってね』だ、そうだ。
この槍、全属性の魔力を同時に増幅出来るそうだ。
良かったら使ってみなさい」
「おかあさんに、会ったの?
おとうさん、ずるい!
私も会いたかった。」
「ふむ、じゃあ、こうしよう。
あれに勝ったら、明日は休みにしよう。
さすがに、あれと戦って、明日も討伐に行けとは言わないから、勝って、明日、ありがとうって言ってあげなさい」
「本当?
やる気、凄く出た!
おとうさん、見てて」
私はおとうさんから、もらった剣を鞘に戻し、槍を構えた。
槍を見る。
槍の刃は太く鋭い、切るより突くに重点を置いてる。
刃の形が矢印の⇒の様に返しがある。
返しの先も鋭く尖っている。
使い方も考えろと、おかあさんは言ってるみたいだ。
全属性が使え、増幅する。
とりあえず、光の魔力を送ってみる。
かなり、魔力を取られた。
その代わり、もの凄く増幅し、眩しいくらい輝いている。
さっき、オーガに閃光を全力で使った時の、十倍は眩しい。
オーガも眩しくて怯んでいる。
ハーミット・ダーク・オーガ。
おとうさんが言う通り、属性が闇に変わっている。
槍を構え直す。
オーガに突いた。
オーガは目が眩んでいたのか、反応が遅れ、避けきれなかった。
結果、右手が肩甲骨、胸の近くまで吹き飛んだ。
勝負は、これで、この一瞬で決まった。
あれ程、苦戦していたのに、一瞬だった。
この槍、凄すぎる。
凄すぎるが、かなり魔力を使う、使い過ぎる。
魔力の多い、私でも万全じゃなければ辛い。
この槍は、いざっていう時に使おう。
だから、槍を影に収納し、おとうさんの剣を抜き、オーガに止めをさした。
ードクンッー
剣が脈を打った。
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