2章 リシェル、十二歳 傭兵になります
出来ました。
新章です。
よろしくお願いします。
12月6日、スペース、改行を増やしました。
リシェルは、レイ、ラン、ライ達、三人と共に、傭兵ギルドの建物の前にいた。
昨日は、リシェルの十二歳の誕生日だった。
本来、五、十、十五歳と節目で誕生日を祝うものだが、リシェルは、傭兵登録出来る十二歳で、特別に誕生日を行った。
五歳、十歳の誕生日の時と同じく、ガイの家族と、一緒にリシェルの誕生日を祝い、翌日の今日、リシェルは傭兵となるべく、ギルドに来た。
レイ達は、すでに傭兵としてチームを組み、活動をしていたが、リシェルともチームを組む約束をしていたので、誕生日に合わせ、実家に帰って来ていた。
ギルドの中に入り、受付嬢であるアリアの受付の前に向かった。
「アリアさん、おはようございます」
私は元気に挨拶をする、リシェルを見て優しい笑顔で迎えた。
「あら、リシェルちゃん、いらっしゃい。
それに、レイ君達まで?
今日は、どうしたの」
「今日は、私、傭兵になりに来たのです」
リシェルは、満開な笑顔で答える。
「……あら?
じゃあ、リシェルちゃん、十二歳になったのね?
おめでとう」
「ありがとうございます」
「それ……じゃあ、この紙に、必要事項を書いてね。
その後、ギルドカード作るから」
「は~い」
リシェルが、一生懸命に必要事項を書いている間、レイ達に質問をする事にした。
「それで、レイ君達は、リシェルちゃんの付き添いなのかな?」
「俺達、リシェルが傭兵になったら、俺達のチームに入れて、一緒に活動するって決めてたから、その登録をしに、ついてきたんです」
「あら、そうなの?
貴方達と一緒なら、ザーツさんも安心ね」
「……でも、実際には、リシェルの方が強いんですよ。
でも、ザーツさんが、『実戦と練習は違う』って」
「さすが、ザーツさん、わかってますね。
それで、貴方達は、ここを拠点にするの?」
そう聞くと、レイ君達は、ちょっと気まずそうに、顔を見合わせる。
「それが、ザーツさんが、リシェルに色々、世界を見せてまわって欲しいと、頼まれてるんです」
「そうなんだ?
リシェルちゃん、いつもあんなに、ザーツさんに、べったりなのに、我慢出来るの?」
それを聞いた、リシェルが書いている、書類から顔を上げ、不機嫌そうな顔している。
「……出来ない、出来ないけど、おかあさんも、ずっと我慢してるし、……私も我慢する」
「うえっ、お母さん?」
(((うえっ、て言った?)))
「うん、おかあさん」
「お、おかあさん、いたんだ」
「うん、なかなか、会えないんだけど……」
「そ、そうなんだ……」
(ねぇ、アリアさんって、もしかして?)
(うん、そうみたい)
(うぁ~、マジかよ~)
レイ達兄妹が、アリアの動揺を見て、小声で話合っていると、アリアが、三人をギロッ、と睨んで、レイ達は震えあがった。
「……そういえば、ザーツさんが、赤い髪の綺麗な女性と歩いているって、噂、聞いた事あったような?」
「うん、赤い髪なら、おかあさんだと思う」
「……そうなんだ~、あはは~」
「できた……アリアさん。
確認、お願いします」
「え、あ、はい、わかりました。
え~と、はい、大丈夫、ですね。
これを、お願いします」
書類を確認し、後ろに待機している職員に書類を渡した。
「はい、じゃあ、カードが出来るまで、傭兵のシステムを、説明しますね」
(……凄いね)
(プロだね)
(リシェル、全然気づいてないよ?)
再び、三人が小声で話が聞こえ、アリアが先程よりも圧力をかけ睨む。
(((こわ~)))
「まずは、ランクね。
ランクは最低F~Aの順に上がり、最高がSね。
リシェルちゃんは、この後、カードを確認してもらうけど、まず、Fと書かれているわ」
「ふん、ふん」
「どうやって、ランクを上げるか、だけど。
あそこのボードに貼られている、依頼。
あれを数回、達成して、ランクを上げるのが、一つ目。
毎日、新しい依頼が貼られているから、仕事を受ける時は、自分のランクに見合った依頼確認してね。
詳しくは、レイ君達に聞くといいよ」
「はい」
「二つ目、使命依頼。
拠点を決め、仕事を何回も達成し、なおかつ、有名になったら、依頼を直接、頼まれる様になるわ」
「ふんふん」
「最後に、強制依頼ね」
「強制?」
「そう、ここ、サウルなら魔族領の山から、海の方角から、大量の魔獣が現れた時、この街にいる傭兵の人々に臨時召集がかかり、討伐をしてもらう、という依頼。
勿論、ランクが低い傭兵は後方支援がメインとなるけどね」
「うん、わかった」
「まあ、だいたいは、一つ目の依頼がほとんどね。
内容は、収集、警備、警護、護衛、討伐、調査となります。
また、依頼によって内容が途中で変わる事もあるわ。
例えば、薬草等の収集から、魔獣が出た場合は討伐に、商人や、物の搬送の警備や護衛から、盗賊、魔獣の討伐とか、そういう事は、貼られている依頼に書いてあるから、よく確認してね。
……丁度、カードが出来たみたいね」
出来たてのリシェルのカードを、アリアは受け取り、リシェルの前に、差し出した。
「間違っていないか、確認してね?
こっちは、チームのメンバー、とチーム名を書いてね」
レイ達にも、チームの書類を渡し、書いてもらった。
「……確かに。
皆で、世界廻るって言ってたけど、いつまで、サウルにいるの?」
「え~と、リシェルが、ある程度、慣れるまでと、……そうですね、一週間、七~十日くらいでしょうか?」
「そんなに、早く?
……そっか、寂しくなるわね。
リシェルちゃん、頑張ってね」
「はい!」
「じゃあ、リシェル、依頼見に行こうか」
「わかった、アリアさん、ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい」
リシェルが、席を離れ、レイ達と共に依頼ボードに向かった。
本当、寂しくなるわね
「アリアさん~、これを、お願いします」
「はい……って、これを受けるの?」
リシェル達が、持ってきた依頼書の内容は……ビックボア、グレイウルフ、ゴブリンの討伐三枚。
「はい、実は」
「ザーツさん?」
「そうです。
……ザーツさんが言うには。
ビックボアは、ある程度、力があり、こっちに向かって来る。
グレイウルフは、スピードと集団。
ゴブリンは、人型で、武器持ち、集団。
だ、そうです」
「あ~、なるほど~考えているわね~。
さすが、ザーツさんね。
わかったわ、四人で行くんだし、大丈夫ね。
依頼、頑張ってね」
「行ってきます!」
リシェル達は、四人連れだってギルドを出た。
……リシェルも、十二歳か、時が経つの早いな~
って、私も二十四か~。
ザーツさん、奥さん居たんだ……
ショック~
◇裏話という名の設定◇
・ザーツとリシェル
ザーツがリシェルを連れ、サウルに来た頃
ガイの家の畑を借り、リシェルを背負いながら、畑を耕し、管理し、収穫をしていた。
三年後、リシェルも、ある程度落ち着いたので、ガイの奥さん、ラーシャに、リシェルを預け、傭兵になる。
朝早く起き、畑仕事してから、傭兵の依頼を受けて、なるべく早く帰る様にしていた。
家に帰ると、リシェルがべったりと引っ付き離れない。(1章2 リシェルの誕生日、参照)
そんな、リシェルに困っているが、とても凄く嬉しい、ザーツだった。
・アリア
アリア(15)
15歳で傭兵ギルドの新人受付嬢になる。
受付嬢になった日、ザーツもリシェルが3歳になったので傭兵になり、アリアは担当の受付嬢になる。
この時からアリアは、ザーツに一目惚れ。
傭兵登録の時にリシェルの存在を聞き、1回目のショックを受けるが、リシェルがギルドに来た時、リシェルを見て受け入れられたので、恋心、再発。
その後も、何度もアタックするが、ザーツにスルーされ続ける。
アリア(24)
今回、本文にて、2回目のショック、失恋(笑)
その数日後、同じギルド内の職員男性に告白され、1年後、結婚、更に1年後、女の子を産む。
幸せ絶好調!
アリア(2?)
ザーツが魔族だと知り、3回目のショック
結婚し、子供も出来たが、理想の男性だった為、未だに、憧れていた。
旦那である男性職員も、その事を知っていたが、幸せだったので気にしていなかった。
魔族と知っても、アリアにとって有りだった。
終わり。
と、こんな感じで、本文に関係のない話を書いて見ました。
裏で、こんな事になってるんだ~的な感じと思っていただけたら、嬉しいです。
もしかしたら、こんな風に、また書くかもしれません。
面白かった、頑張れ、続き早く書いて等、思われましたら、モチベーションアップの為、
ブクマ登録、評価点ポイントを入れて頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。m(__)m




