幕間 5 創造神、降臨す
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11月23日、スペース、改行を増やし編集しました。
我、創造神と、同じく何千何万の悠久の時を生き、時間を持て余した他の神々は共に、ある次元に遊技場として造り出した大地に、人族、魔族という駒に、生命を与え、神々自身が持つ、七つの属性を一つ与え、武器を持たせて戦わせた。
更にルールを詳しく決めた。
人族には勇者、魔族には魔王という、それぞれの代表となる存在を作り、それぞれに均等の領地を与え、奪い合わせ、勇者、もしくは魔王を倒せば勝利とした。
また、大地の中央に、広大な森林を作り、大地の周りに海を作り、大地の至るところに山を作り、その場所に住まう、人族、魔族の共通の天敵となる魔獣達を造り出した。
これにより、勇者と魔王だけが、突飛つした力を持つのではなく、それぞれを守る者、先頭に立ち戦う者等が、魔獣達と戦う事によって、身体を鍛え、戦いの技術を高め、魔法の知識と威力、効率等を研鑽し、強者となった。
最初はシンプルだった。
領地を取り合い、勇者、もしくは魔王を倒す。
それだけだった。
時間を開け、次からは、最初から勇者と魔王が存在するというのをやめた。
これにより、知恵と感情、生命を持つ駒は、勇者と魔王が現れるまでの間に物語をつくる。
人族、魔族、それぞれが生きる為の生活をし、軍隊を作り、人と人が愛し合い、不良の事故による死ぬ等、様々な物語が生まれた。
勇者と魔王が誕生、もしくは出現した後も、生まれる様々な物語。
そして、どちらかが勝利して得た、その後にも様々な物語が生まれた。
この世界を作りだし、観戦、傍観する神々はこれには喜んだ。
ある神は、勇者と共に戦い、英雄となった人物の話を気に入ったり。
また、ある神は、人と人の愛や人生を見て、一喜一憂したりとしていた。
そして、ある時期をもって、読み終わった物語の本を閉じる様に、人族、魔族の一部の記憶残し、それ以外を消し、過去にこういう歴史があったという記録を残し、再び領地を均等に戻し、それぞれに新しい駒を作り、世界をリセットした。
次の戦いという物語を、神々は楽しむ為に……
また、神々は遊戯観戦ばかりしている訳ではなく、他の世界の監視者として、手を出せない世界を見守っている。
しかし、様々な歴史が圧縮した遊技場は、魅力的だった。
神の気紛れという天災な現象を起こす事により、戦いや生活が一変したり。
ある一匹の魔獣に強大な力を与え、討伐させたりと、神々が手出しする事で、新たに生まれる物語は、本当に魅力的だった。
だが、それに異を唱える者が現れた。
それがルシファーだった。
創造神である、我の魂を一部使い、作り出した神の分身、神霊ルシファー。
彼の者に、同調する者も現れた。
やがて、彼の者達は反逆を起こし、神々に戦いを挑んだ。
神々は強く、ルシファー以外、皆、消滅した。
ルシファーは、別の次元に落とされた。
そこが、魔界だった。
反逆者がいなくなり、神々は再び遊戯観戦を楽しんだ。
何十と歴史が繰り返す内、今までにない現象が起こった。
人族の闇属性を持つ者の中に、発狂や暴走する者が現れた。
神々は、この現象を新たな歴史だと、喜ぶ者もいたが、ある神は、最後まで原因を調べた。
ある神とは、ルシファーを作り出した創造神だった。
調べた結果、魔界からの悪魔の干渉だった。
そう、ルシファーが、魔界に落ちた事により、悪魔達が、この遊技場を見つけたのだった。
悪魔達は、我らとは、別の次元を見守ってる神の名称で、我らと同じ力を持った存在だ。
しかも、ルシファーは、その悪魔達いる魔界に落ちた事によって、悪魔を率いる十二の大悪魔の一体となり、更なる力を身に付けてしまった。
ルシファーは、待っていた。
我ら神々に対抗出来る、タイミングを……
そして、今。
遊技場のイルミア王国に、産まれた赤子に、契約を求め、融合を行った。
また、ルシファーが契約する前から、人族や、魔族に契約した、大悪魔が何体か現れている。
その内の魔族、一人が育てているではないか?
ルシファーが、どういう契約をしたのか、わからない。
必ず、ルシファーは、再び我らに戦いを挑むはずだ。
他の神々に、その事を話たが、『それも、また、一興』と言い、聞く耳を持たない。
だから、私は何度か、ルシファーを宿した子供の下に、天使を使わし、抹殺をと思ったが、子供を育てている魔族に、見つかり逆に排除された。
次に、取った策は、魔族領に天使を使わし、魔族の弱体化を狙った。
特に力の強い天使二体を六魔将にあて、他の天使達に、魔王の行動の邪魔をする様に仕向けた。
これは、上手くいき、六魔将、上位の二人に取り付かせた。
2位の嵐刃のアギは、完全に取り付く事が、出来たみたいだが、1位の無限のオズマは弱体化しか出来なかったみたいだが。
数年後、魔王が、自身の周りの重役や、側近の秘書を牢やに入れた。
天使達が、取り付いた者達ばかりだ。
その後、魔王は、ルシファーを宿した子供の、育てている魔族の下に六魔将を連れて、会いに行った。
隙が有れば、天使が取り付いたアギを、魔王達に襲わせようと、狙わせているが、あの魔族が、常にアギを警戒している。
な、あの魔族、平地全域に結界を張っただと?
まさか、我が見ているのに、気がついているのか?
あの魔族……名は、ザーツ・シュザット、か。
覚えておこう。
一瞬で、これだけの結界を張るとは、あのザーツという魔族、ルシファーや、魔王と同じく、警戒しておくほうが良さそうだな。
ん?
あの結界の外にいる子供は……
間違いない、ルシファーの魔力を、僅かだが感じる。
ルシファーを宿した子供、魔王、ザーツ……
最も、警戒をしなくてはならない者が出会ったか。
いいだろう。
今回の勇者には、我がつこう。
我が手で、直接、成敗してやろう。
まずは、我が依代となる者を探す。
……見つけた。
まだ、子供か、……まあ、良い。
どちらにせよ、身体が万全に使えるまで時間がかかる。
その間に、知識を増やし、身体を鍛えるとしょう。
むう、思っていたより、貧弱な身体だな。
では、我が神霊に会いに行くか。
「貴様っ、何者だ?
何処から、入ってきた!」
いきなり、姿を現した、我に兵士達は槍先を向ける。
ここは、帝国城、謁見の間。
「なかなか、素早い動きだ。
だが、貴様達には、用はない」
そう言って、ゆっくりと前に進むが、兵士達は動かない。
我が、動いた事に気がついていないのだ。
気がついているのは、目の前、玉座に座っている帝王のみ。
その帝王の前まで進む。
「何者だ?」
「ほう、我を前にして、その胆力、誉めてつかわす。
帝王よ、お主は、我を知らなくても、歴代の帝王についている、ミカエルは、我の事をよく知っておろう?」
「……何?」
「出て来るが良い、ミカエルよ」
すると、帝王が座っている玉座の後ろに一体の神霊が現れた。
「お久しぶりです。
創造神にして、我が父よ」
「久しぶりだな?
貴様が、この地に降り、最初の帝王と共に、当時の魔王を倒した後に、会った以来だな?」
「はい、しかし、我が父よ。
何ゆえ、此度の勇者として降臨なされたのでしょう?」
「貴様、惚けるか?
わかっているんだろう?
ルシファーだよ」
「……」
「今回の戦いは、ルシファーだけではなく。
その他にも、大悪魔と契約した者達が、大勢おるのでな、我が直接、滅せようと思って降りて来たのだ。
なので、ミカエルよ。
貴様も、其奴から離れ、我と共に戦うのだ」
「分かりました。
共に戦います、が、私は、この者から離れるつもりはありませぬ」
「……何だと?
我が命令に逆らうか?」
「共に戦いは致しますが、私はこの者、レオハルトを気に入っていますので」
「貴様……まあ、まだ良い。
今直ぐ戦いに向かう訳ではないからな。
その時までには、その考え改めよ。
では、その時が来たら、また、来よう」
そう言って、創造神=勇者は姿を消した。
前書きにも、書きましたが。
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