幕間4 〈鋼百足〉のダグド
出来ました。
長くなったので分けました。
よろしくお願いします。
11月23日、スペース、改行を増やしました。
俺は、魔蟲族の出身、魔族軍、六魔将の一人、鋼百足のダグド。
そんな俺には、尊重する人物が三人いる。
圧倒的な実力と行動力を持つ、敬愛する魔王陛下。
六魔将を纏めあげ、軍の親的存在のオズマ様。
そして、もう一人……
ザーツ・シュザット。
俺は魔蟲族と産まれ、成長していくにつれ、周りの者達に、魔力だけが大きい能無し、として馬鹿にされ生きていた。
そんな俺が、魔王候補として魔王城に集められる一人として、成長出来たのは、ザーツに出会って生き方を学んだおかげだった。
俺は、魔力操作が苦手な為、魔蟲族特有の能力が使えなかった。
悔しかった俺は、よく集落の近くにある魔獣達の楽園に入り、魔物と戦い、体を鍛え、魔力操作の練習をしていた。
ある時、あいつに出会った。
「魔蟲族にしては、面白い事してるな?
何で、能力使わないんだ?」
「……うるさい、お前には関係ない」
「まぁ、そうだけどね?
……もしかして、魔力操作が苦手だったりして」
「……何で、そう思う」
「いや、だって、それだけ魔力大きいのに、体から、ほとんど出ていないし?
体を鍛えているから。
逆に、よく体壊さないなぁ、って思ってさ?」
そう言って、俺の側に近寄り、上から下まで、俺を見る。
「だから、何だ」
「そのままだと、君、死ぬよ」
「……俺みたいな、能無し、早く死ねば周りの奴ら、喜ぶだろうさ」
「はぁ?何だ、それ、誰だよ、そんな事言ってる奴は?
俺から見たら、魔蟲は全員、魔力操作下手だぞ。
……仕方ないな、両手、出して」
そう言って、俺の両手を、それぞれ一本づつ握る。
「……何のつもりだ、離せ」
「そのまま動かないで、目をつむって。
魔力同調、強制活動、魔力巡回」
「ぐっぅ」
無理矢理、魔力を合わせ、体中魔力が吹き出し、巡る。
苦しいがわかる。
これが魔力操作、体の底から、魔力が湧き出す。
やがて、苦しかった体が、楽になってきた。
目を開ける。
今まで、見ていた気色が変わった。
「今、体の中で魔力が巡回しているのがわかる?
自分で流れる感覚、維持出来る?
手を離しても、大丈夫?」
「え、ああ、感覚……わかる。
維持……こう、か?」
「大丈夫そうだね、手を離すよ。
そうそう、出来てる。
慣れてきたら、その流れを右手の平に、少しだけ魔力を溜めるようにするんだ。
こういう様に」
あいつは、自分の魔力を巡回させながら、右手に魔力を集中させ、見本をみせる。
「……難しい」
「最初から、すぐに出来ないよ。
感覚として、一定の流れを右手に来たら、少し細める様に……そうそう、出来てる」
「こう、か……?」
「次は、色んな場所でそれをやってみる。
それで、体が完全に覚えるまで、素早く出来るまで、体を動かしながら出来るまで、何回も、何回もやるんだ。
魔力操作に限りは無いから、もっと色んな事出来るから、考えて、色んな魔族見て真似たり、練習するといいよ。
そしたら、属性魔法も、特殊能力も、使える様になると思うよ?」
「なるほど、わかった。
ありがとう、そして……すまなかった」
「ん?ああ、気にしなくて無いよ。
んじゃ、俺、行くね」
「ああ、本当に助かった。
ありがとう」
あいつが、行った後も、何日も、何日も練習をした。
色んな事を試した。
魔法も、能力もやってみた。
すると、いつの間にか、俺は一族の中でも、最強になっていた。
馬鹿にする奴はいなくなっていた。
それでも、練習は続けた。
そして、魔王候補として魔王城に集められた。
そして再び、あいつに、ザーツに出会った。
俺は、魔王になれなかった。
悔いはない、魔王候補の中でも、俺の魔力は下の方だった。
だが、わからないのはザーツだった。
あいつの魔力も、俺と変わらなかった。
昔、出会った時は、もっとあった筈なのに?
だから、俺はあいつを観察した。
理由は簡単だった。
ザーツは、同じ候補の中で、幼なじみの少女、ミーザ・エスクードを支えていた。
戦い方、魔法の使い方、魔力の使い方、ザーツの動き等、ミーザは真似て、自分の動き昇華していた。
周りの奴らは、ザーツの事を知りもしないで、馬鹿にしていた。
そういう奴らは、何者にもなれなかった。
ミーザは魔王になり、俺とザーツは軍に入った。
五年後
俺とザーツは、オズマ様に目をかけられ、俺は六魔将の一人、ザーツは、オズマ様の部隊の一員になった。
一位〈無限〉のオズマ
二位〈嵐刃〉のアギ
三位〈雷獣王〉のギバ
四位〈魔霊〉のザンバイン
五位〈変幻妖〉のスラン
六位〈鋼百足〉のダグド
嬉しかった。
ザーツに自慢したくて、会いに行った。
いなかった。
オズマ様に、尋ねたら人族のイルミア王国に、間者として向かわせたらしい。
更に五年が過ぎた。
ザーツ・シュザットが闇属性の魔力を持って産まれた赤子を救い出して、魔族を裏切り、行方を眩ませたと報告があった。
書くたびに、書き方が変わって申し訳ございません。
その時の勢いで書いているので、こんな事になってます。
よろしくお願いします。




