1章2 リシェルの誕生日
出来ました。
遅くなってしまいました。
仕事と家的な事で、一杯いっぱいなんです。
よろしくお願いします。
11月19日、スペース、改行を増やしました。
「おとうさん、おかえりなさ~い」
今日も、1日遊び回っていたのだろう、少し、土で汚れた娘、リシェルが傭兵ギルドの依頼を終えて帰ってきた俺に抱きついてきた。
「ただいま、リシェル。
今日も楽しかったか?」
「うん、いっぱい遊んだ!」
「そうか、良かったな」
リシェルの頭を撫でながら答える。
「そうだ、おとうさん。
ラーシャさんが、おとうさん帰ってきたら、ラーシャさんのところに来なさいって言ってたよ」
「お、そうか?それじゃあ、その前にギルド寄ってから行くか」
「うん」
そうして、俺達はギルドに報告に向かった。
今日は、いつもより早く依頼が終われるように、依頼を選んだ会があって、ギルドの受付は空いており、担当受付嬢のアリアの下へ、すぐにたどり着いた。
「あら、おかえりなさい、ザーツさん。
リシェルちゃんも、いらっしゃい」
「こんにちは、アリアさん」
「やあ、アリア、依頼報告を頼む」
受付机のトレーの上に、今日の魔物の討伐部位を置く。
「はい、確認します。
本日の依頼、ブラッドホーン・オーガ討伐でしたね。角と魔石……確かに、確認しました。
では、こちらが依頼報酬です。ご確認してください」
アリアは、討伐部位と魔石を置いたトレーを後ろに置き、別のトレーの上に報酬の袋を置いて、こちらに差し出した。
「ありがとう」
袋の中を取り出し確認する。
「……確かに。
それじゃあ、今日はこれで、またよろしく頼む。
よし、行こうか、リシェル」
「うん、行こう」
「お疲れ様でした。
またね、リシェルちゃん」
アリアが、一礼した後リシェルに手を振った。
「うん、またね、アリアさん」
リシェルもアリアに手を振り返して、再び、俺の腰元にしがみついて来た。
「ふふっ、相変わらず仲が良いですね」
「甘えん坊で、じゃあ」
リシェルを腰につけたまま出口に向かった。
ギルドを出た俺達は、明日に必要な物や食材等を買い出しして、ガイの家に足を向けた。
「さて、買い忘れは無いな……
それじゃあ、ガイの家に行くか?」
「うんっ!」
ちなみに、まだリシェルは腰にしがみついている。
「ねぇ、おとうさん」
「ん?」
「ガイおじさん達、なんだろうね?」
「……何だ、忘れてるのか?
今日、お前の五歳の誕生日だろ。
だから、ガイ達と相談してリシェルの誕生日を祝おうって決めたんだよ」
「……うれしいけど。
おとうさん、普通、そういうのって、ナイショにしない?」
「いや、別に?
黙っている必要ないしな。
ガイ達も聞かれたら、普通に答えるはずだぞ」
「そうなの?
……まあ、いいか、じゃあ、速くおじさんの家行こうよ!」
そう言いながらも腰から離れないリシェルに苦笑し、荷物を持っていない逆の腕でリシェルを抱き上げた。
「きゃっ」
「よし、急ぐからしっかり捕まっていれろっ」
そう言って俺は歩くスピードを上げた。
「よし着いた、リシェル降りろ」
「うん、ガイおじさ~ん、きたよ~」
降りたリシェルは一目散にドアを開けて中に入っていった。
「おう、お帰り、リシェル。
ザーツもお疲れさん」
「「「お帰りなさ~い、誕生日おめでとう、リシェル~」」」
ガイに続いてリシェルを向かい入れたのは、ガイ達の子供達で、上からレイ十歳、ラン九歳、そしてライ七歳で、リシェルに抱きついていた。
レイとランは、ガイが助けた闇属性の子供で、養子として引き取った。
ライは、ガイとラーシャの子供で、何と魔族としては珍しい光属性の持ち主だ。
三人共、本当の兄妹の様に仲良く、また、リシェルも妹のように可愛がっている。
今日もリシェルの誕生日という事で張り切って用意していた。
「「「ザーツおじさんも、お帰りなさ~い」」」
「ああ、ただいま」
「お帰りなさい、二人共、用意出来ているから、中に入って」
「そうだな、リシェル、中に入ろう」
「うん」
中に入ると、いつもの場所が飾りで満たされていた。
「わ~、す~ご~い」
リシェルもキョロキョロと見渡しながら驚いている。
「リシェル、今日のお前の座る場所はここだ、ここ」
ガイが、いつもなら自分が座る家長の場所に席を進める、
「え?でも、そこって……」
「いいんだよ、今日はお前が主役だから。
あ、ザーツはその隣だ」
「ああ、ありがとう。
座ろう、リシェル」
まだ、戸惑っているリシェルを場所に誘導し座らせる。
リシェルが座ると、ラーシャやレイ達子供達がテーブルの上に次々と料理が並べられていく。
料理は、リシェルが好きな食べ物ばかりで、並べられていく料理一つ一つに喜び驚いている。
やがて、テーブル一杯に料理も出し終わり、全員が残った席に座った。
「よし、全員座ったな。
それでは、始めるか?」
「うん、せーの」
レイが返事すると、周りを見て合図を出す。
「「「リシェル、五歳のお誕生日、おめでとう」」」
「「「おめでとう」」」
「あ、ありがとう」
リシェルは感きまわったのか、少し涙目でうつ向いている。
「ほら、リシェル。
料理を頂こう?
みんな、待っているよ」
そう言って、俺は色々な料理を皿に取り分け、リシェルの前に皿を置く。
「うん、いただきます」
「一杯、食べてね?
リシェル」
フォークを持って料理を食べ始めるリシェルにラーシャが声をかけ、残ったみんなも食べ始める。
「美味しいか?
リシェル?」
「うん、すごくおいしいっ」
「そうか、良かったな、沢山頂きなさい」
「うん」
やがて、食べ終えた料理の皿も片づけさり、皆デザートを食べていた。
リシェルも、隣に座っているランと話ながら、デザートを食べていたが、喋るのに夢中だったのか、皿にもう中身が残っていないのに気付いた様で悲しそうな顔をしていた。
「リシェル、良かったらこれも食べなさい」
俺はまだ一口だけ口にした、デザートをリシェルの前に勧めた。
「え、でも……」
「俺は元々甘い物はそんなに食べない。
それとも……俺が口にした物を食べるのは嫌だったか?」
「うぅん、そんなことはないよ……
でも、これ、おとうさんのだし」
「いいよ、食べなさい」
「……ありがとう、おとうさん」
「ああ」
我ながら良い子に育ったと思う。
五年前のベルゼブブとルシファーに、不安をぶつけた俺に、安心しろって言いたいぐらいだ。
この後、家に帰ったら五年前のあの話をするが、この子ならきっと大丈夫だろう。
この子ならきっと受け止められるだろう。
そう願いたい……
頑張って行きたいのでよろしくお願いします。
後、元気が出る、やる気が出る様に、ブクマ、採点して頂けたら嬉しいです。
採点場所は下の方にあります。
面白いと思った方よろしくお願いします。
m(__)m




