幕間3 帝王の考えは……
出来ました。
幕間1の皇国と皇王を帝国と帝王に変更しました。
よろしくお願いします。
11月12日、スペース、改行を増やしました。
そして、半月後。
帝王レオハルトが来訪し、国王と謁見の間にてく対面した。
「久しぶりぶりだな、帝王レオハルト殿」
「ああ、久しぶりだ、国王ラカール殿」
しばらくは、お互いの国の話や、世間話等冗談を交えながら話で盛り上がる。
王国と帝国、そして北の連合国は、共通の敵魔族がいる為に、仲が悪い事はなかった。
特に、国王と帝王は、歳がそう離れていなかったのと、お互いの才能を認めていた為、国力の差は有っても仲が良かった。
「さて、ラカール殿、そろそろ本題に入ろうと思うが……」
帝王は、謁見の間をキョロキョロと見渡した。
「ラカール殿、手形に書いた、あの件に関わりのある者以外、人払いを」
「……うむ、では、宰相以外は、この部屋から退室を頼む」
国王の発言に、何かを告げようとする者もいたが、宰相以外は全て言われた通り退室をした。
「これで、良いかな?」
「すまない、やはり、なるべくは関係の無い者には、聞かれたくないと思ってな?」
「心使い、痛み入るが、しかし、貴殿はどうして、この件を知ったのだ?」
国王は、少し睨みを効かせ尋ねる。
「……予め、言っておくが、別に間者を送っていた訳では無いぞ?
ラカール殿は、それどころではなかったと思うが、赤子が産まれた時、この王国方面から、とてつもない魔力を感じたんだ。
それに、出産予定日も聞いていたからな。
まさか、闇属性で帝国まで届く程の魔力を感じるとは、思わなかったぞ」
「……そうなのか?
……では、もしかして、知る者は知っているという事か」
「残念ながら、そういう事だ。
だが、俺程の実力者はそういないがな?」
だから、安心しろ?
という感じで笑う。
「それでなんだが、もしラカール殿が良ければ、その時の出来事を聞かせてもらえるか?」
「……何故?
と、こちらも聞いておこうか?」
「うむ、実は産まれた子の魔力の他に、別の魔力を感じてな?
それが知っている魔力だったから、少し気になったという事だ」
「……まぁ、良いだろう。
何か、解っても、解らなくても説明はしてくれ」
こうして国王は語り、時には帝王からの質問に答え、あの時の状況を話した。
「ふむ」と呟いた帝王は、考える仕草なのだろう右手のひらを口元に持って行き、人差し指で頬を軽くリズム良く叩き思考を巡らせる。
「ラカール殿」
体勢をそのままに、帝王は話しかける。
「まずだが、その赤子は、まだ生きている可能性が高いと思う……」
「なんだと?」
「そして、消えた近衛兵だが、その者が魔族からの間者だと思う」
「なんですとっ?
いや、しかし、あの者の経歴等は、全て調べましたが、間違いなく!」
話を聞いていた宰相が反論した。
「落ち着け、宰相よ……それでレオハルト殿、どのようにして、そう結論を出した?」
「うむ、昔な、俺がまだ帝王になってなく、修行中の身で、魔獣達の楽園に入って鍛えていた時に、ある魔族達に出会っていてな。
その時の一人、名をザーツと言ったかな?
そいつの魔力を、赤子が産まれた時に、赤子の魔力に紛れて感じたんだ」
「……先程、言った知っている魔力と言っていたな?」
「ああ、それだ」
帝王は肯定する。
「でだ、消えた近衛兵というのが、その魔族の可能性が高い。
そいつに、闇属性関係の魔法で幻夢魔法というのが有り、殺した人物の姿、記憶やクセ、魔力の質を奪い真似る〈写し身〉が出来ると聞いた。
だから、いくら近衛兵の経歴等調べても、全ては消えた近衛兵を調べているだけという訳だな」
「そんな……」
宰相が顔を、青くなりながら呟く。
「そういう訳で、魔族ザーツが殺していなければ、赤子は生きているという事だ。
流石に、どういうつもりなのかは解らないが」
「もし、そうだとしたら、その魔族はどうして赤子を奪い拐った?」
「……多分、ザーツの性格なら、赤子が可哀想だと思ったんじゃないかな……?」
「可哀想だと?
魔族が?」
「ああ……」
暫く間、その場は沈黙した。
「さて、聞く事も聞いたし、国王ラカールよ、俺は帝王に戻るぞ、この度の謁見楽しかったぞ。
では、失礼する」
沈黙を破った帝王は謁見の間の出口に向かった。
「そうか、此方も大変参考になった。今回、此方に泊まって行かぬのか?」
「ああ、俺もなかなか忙しくてな。
帰りも、あちこちと寄ってまわらなくてはならないんだ」
「そうか、それは残念だ」
「ああ、でも、結構早く、会う事になるかもな?」
「……それはどういう?って、出ていったか……」
帝王は、既に扉の外に出ていた。
「まったく、相変わらずだな、あいつは」
しかし、赤子が生きているかも……か。
願わくば、魔人でも良い、健やかに育って欲しい。
そして、願わくば……
国王の願いは何でしょう?
次回から1章に入ります。
主人公、リシェルが成長して喋ります(笑)
相変わらずの行き当たりばったりです。
つじつまを合わせ、出来ているでしょうか?
頑張って寄せてるつもりです。
文章書くの難しいですね。
よろしくお願いします。




